テラーノベル
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※ 短編集です
1.【勇者と魔王様】
「おい勇者!今日こそ決着をつけるぞ!」
振り返ればそこには…
見た目はショタのちびっこ魔王様がいた..!
「おいおい…なんでお前が来るんだよ、普通勇者から行くもんだろ」
「うるさい!まだ決着が着いてないんだ!」
「だーかーらー、俺が勝ったんだって、おーれーが」
すると、ちびっこ魔王様は言葉に詰まりながら
「も、もう一戦だ!あの時は本調子じゃなかったんだ!」
見苦しい言い訳をする。
「魔王様ぁ、魔王様がそんなんでいいんですかぁ〜」
「ぅ…っ、黙れ!ニヤニヤするなぁぁ! 」
「あと、戦うつもりないから」
「はぁ!?なんでだよ!とりあえず料理やめろ!」
魔王様はお怒りだそう…
「まず、勝手にプライベートに入ってくるなよ、俺今から朝ごはんなんだけど 」
と、ベーコンエッグを焼きながら魔王様に説教をする。
「うるさい!お前だって…乗り込んでくる時俺が着替えてる時に入って来たじゃないか!」
「ダンジョンが簡単すぎた」
と勇者は魔王様を嘲笑うと..
「もー!イライラするぅぅ!戦うまで帰らないからな!」
魔王様の沸点は低めだそう。
「まー、落ち着けって、お前の分も作ってやったから」
「ふん、食ってやらんこともない」
魔王様はツンデレ。
「ん、いつも通りウマい、やっぱ俺天才だわ、まあぁ?魔王様を倒せる最強勇者だもんなぁぁぁ?」
勇者がさらに煽ると…
「くっそ…おい!腹ごしらえをしたら闘技場に来い!」
「はぁ…魔王様が闘技場にいたら流石におかしいだろ…お前の城でいいじゃんか」
「では間を取って貴様の家にしよう」
「おい、壊れるぞ」
「..はっははははwやっぱお前面白いw」
魔王様は笑うタイミングも変わっている。
「あー、じゃあ今日はちょっと変わった戦いをしないか?それなら俺の家でもできる」
と、不敵な笑みを浮かべて問いかける。
「なんだそれ!面白そう!」
「戦いって雰囲気じゃないが…何をするんだ?」
「…もしかしたらぁ…今日が魔王様最後の日になるかもね」
部屋の鍵を閉めて振り返る。
「はぁ..?どう言うことだよ、俺以外に魔王にふさわしい者などいないだろう」
「その余裕、どこまで保てるかな〜 」
「ちょ…っと待てっ“!」
魔王様は焦りながら勇者の動きを抑える。が..
「大人しくして、怪我したいの?」
「そう言うことじゃなくてだな…なぜ俺がこんな姿に…」
「いいじゃん、可愛い。」
少し煽り気味に挑発すると、魔王様は戸惑いながら
「そ..そうかよ..」
「ふーん、否定しないんだ。」
「魔王様は可愛いもかっこいいも兼ね備えてるんだぞ!」
誇らしげに発言をする。
「そーんな、可愛くてかっこいい魔王様はちっちゃいね、全体的にw」
「うるさい!お前が…お前が…//お前がデカいだけだ!それより、いつまでこの格好をさせるつもりだ!」
「さっ、そろそろ本番しよっか」
「はぁ…っ、ゆ..ぅしゃ..っ、んっ」
「初めてにしちゃすんなりと…魔王軍にやられてたん?それとも自分の使用人?」
「なっ、もっとデリカシーを..ん“あ”っ“!」
喋る間もなく勇者の思うがままになってしまう。
「それとも、俺が初めて?」
期待を込めつつも問いかける。
「そ..うだよ..!もういいだろ..っ”んぅ“、あひっ”!」
「そーだよぉ..もっと、もっと堕ちていこうね♡」
年月を重ね、空席になった魔王城の王座は、体格もあり、威厳もある“魔王様”が誕生した。
ある日、勇者の家に尋人が来た。
「おーい勇者ー」
「ん?なんだ…ってお前…久しぶりだな!」
かつて、共に修行をした仲間だった。
「っていうか、俺のこと勇者って呼ぶなよ。」
「だって〜、魔王倒した勇者様だぜ?っあ、と言うか知ってるか?魔王の噂」
「噂…?知らないなぁ..」
勇者は首を傾げる。
「突然な?突然、魔王城から魔王が消えたんだよ!今は新しい魔王が誕生したらしい。」
「へ〜..それはどこ情報なの?」
「ん〜簡単に言えば、人を忍び込ませて盗み聞きをさせて、それを王に知らせるんだよ」
勇者は少し焦るがすぐに取り繕う
「それでさ、新しい魔王がいつ行動するかわからない。なぁ、一緒に魔王城行かないか?あの時ほど足手纏いにはならない」
勇者同士の熱い約束…になると思いきや、
「あー..ごめん、俺最近猫飼ってるからさぁ、流石に置いていけない…」
「おいめっちゃエンジョイしてんじゃんwま、それなら仕方がない!他でパーティ組んで頑張るわ!」
「しょうがないから俺の武器一つ貸してやるよ」
前魔王にとどめを刺した大剣を渡す。
「うわっ、おもっ!」
「修行が足りないなw 」
「だなぁwもっと頑張るわ!じゃーな!」
「おいて行けるわけないじゃんねぇ?魔王様♡」
コメント
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おほほほほほほ(^ ω ^)