テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
Jokerを久しぶりに観て、書きたくなったやつ
そこまで恋愛要素はないです🙇🏻♀️
11side
12月末から始まり、年をまたいで駆け抜けたツアーも残すところ最終公演を含む2公演のみとなったある日。
いつになく暗い表情のマネージャーに告げられたのは、相方の入院と残りの公演の欠席の知らせだった。
マネ「ボーカルは一人だけになる。シューヤ、いける?」
鈍器で頭を殴られたかのような衝撃に、状況を上手く理解できなくて。理解したくなくて。
それでも迷わず、首を縦に振った。
11「……いけます」
俺がオーディションを受けたのはタカシくんを支えたかったから。
タカシくんの穴を埋められるのは俺だけだ。
4「無理すんなよ」
11「大丈夫大丈夫!俺だよ?できるに決まってる」
12「俺らにできることがあったらなんでも言えよ」
11「え〜?じゃあ歌ってもらおうかな?笑」
心配そうに声をかけてくれるメンバーにわざと明るい声色で返事をする。
こっちだって、不安で不安で。
だけどそんなこと嫌でも口に出せない。
だって、タカシくんにとっては『ボーカルが一人』という状況は数年前まで普通のことだったのだから。
こんなことで弱音なんて吐けない。
−−−
タカシくんのライブの欠席が公式から発表されると、またたく間にSNSのトレンドはタカシくんでいっぱいになった。
ファンの悲しみが感じられる投稿やタカシくんに向けての励ましのメッセージをみて、やはり俺の相方はたくさんの人に愛されてるんだなぁと感じる。
誇らしくなるのと同時に、こんなにも愛されている人の穴を埋めることなんて俺にできるのだろうかと黒いモヤモヤとした何かが頭を埋め尽くす。
11「このままじゃだめだ…」
11「もっと…もっとちゃんと練習しなきゃ」
不安に襲われたとき、その不安が掻き消されるくらいに練習に打ち込むのが俺。
タカシくんには毎回止められるけど、そうでもしないとステージに立つのに恐怖を感じてしまいそうで。
ポケットから取り出したイヤホンを片耳に入れ、タカシくんの歌声を聴きながら歌う。
本番はタカシくんのパートは音源を流すらしい。
タカシくんが一人で歌ってきたときよりも、何倍も楽なはず。
そう自分に言い聞かせて、何度も何度も歌った。
−−−
3side
タカシの欠席が発表されて一夜が明け、ライブ当日を迎えた。
ワンマンでタカシがいないのは久しぶり、というか初めてだと思う。
何年も俺らを後ろから歌で支え、何度も体制が変わっても潰れなかったタカシがいないのは、俺ら一桁もかなり不安。
でも俺らよりも不安でいっぱいなんだろうな、と思うメンバーがいた。
タカシと同じボーカルのシューヤだ。
5「シューヤお前…今日何時に来たの?」
11「ん〜いつだったっけなぁ、忘れた笑」
5「いつもボーカル組は俺と一緒なのに、俺よりもはやく来てたよね?」
11「気分だよ、気分!」
演出の確認をしなきゃいけないユーキと、全体リハの前にボーカルだけでリハをするタカシとシューヤは第一便の車に乗るのがいつも。
しかし今日はシューヤがそれよりもはやく来てたらしい。
全体リハ中もずっと難しい顔をして、いつも騒がしい楽屋でもセトリの曲を確認しているシューヤを目で追う。
2「シューヤ、ちゃんと休んでる?」
11「もちろん!」
2「うそだ。疲れた顔、してるよ」
11「だから大丈夫だって!笑」
そう言って逃げるように楽屋を出たシューヤを心配そうにメンバーが見つめる。
ボイトレ室に向かったその背中は_逞@たくま_しくて、でも寂しそうだった。
結局ライブ直前までシューヤはボイトレ室にこもり、トレーナーの先生とギリギリまで調整している。
その先生もシューヤの心配をしているのか休むよう促しているが意味がなく、様子をうかがっていた俺のほうに目配せしてきた。
3「……シューヤ」
11「……あれ、リョウガっち?どうしたの、めずらしいじゃん笑」
3「お前に用があって来たんだよ」
11「えーなに、こわいんだけど〜笑笑」
ヘラヘラと笑っているけどやっぱりいつもと何かが違った。
シューヤの頬に手を添えてこっちに向かせて目を合わせると、驚き照れて目を逸らしてくる。
11「えっ、ほんとなに……」
逃げようとするシューヤと無理矢理目を合わせる。
大きな目のその奥は疲れと緊張で揺れていて、今にも泣き出しそうなほどに潤んでいた。
3「……もちろんタカシの隣はシューヤだし、支えられるのはシューヤしかいないよ」
「でも、シューヤはシューヤだから」
「タカシの穴を埋めようとか考えないで、お前らしく歌いな」
どうか、一人で抱え込まないでほしい。
目を逸らさず言い切ると、何かがぷつんと切れたように涙が溜まり、溢れてシューヤの頬を伝っていく。
先ほどまでの大人びた顔をしていたシューヤの面影はなく、ただただ子どものように泣きじゃくっていた。
11「ほんとはおれ…っ、さみしくて…」
「でもこんなので不安になってる自分が情けない……」
「……タカシくんはずっと一人でがんばってきたのにっっ……」
人の心配をして世話を進んでやるくせに、自分は誰かに弱音を吐けないタイプ。
一人でどうにかできるって抱え込んで、俺らも気づかないうちにあいつなりに解決する。
そんなシューヤの溜め込んできたものを吐露する姿をみて、守ってやりたいと思った。
3「タカシとシューヤは違うし、シューヤも十分がんばってるよ」
「それに、ステージには俺らもいるだろ?」
「俺らだって、お前を支える準備できてるから」
くさいセリフを言ってしまったなと少し後悔をしながらも、澄んだ目で見つめ返してくるシューヤを見て届いたならいっかと頬に添えていた手を離す。
3「ほら、そんなグシャグシャに泣くなよ。メイクさんを困らせるぞ」
11「……っあ、そうだメイク直してもらわなきゃ!」
3「ふっ笑……さ、行ってこい」
ライブまで時間がないことを伝えると焦ったようにパタパタと部屋を出ていく。
その背中には楽屋を出ていった時のような寂しさを感じない。
「メイクさーん!!」と聞き慣れたハイトーンボイスが響き、ほっと息をついた。
Fin
___
こんにちは、まめです☺️
閲覧ありがとうございます!
お久しぶりの投稿で申し訳ございません🙇🏻♀️
ゆっくりと書きすすめていきますので気長に待ってもらえればとおもいます🙏🏻
コメント
3件
めっちゃよかったです!!思わず泣いてしまいました!(笑)リョウガくんがシューヤくんのことをよく見ていて話しかけに行ってる所が素敵でした!!