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夏編(かなわない恋、海編)
如月 柚希…昔、いじめられていた。ドジで天然。中学一年生。身長138センチ
横山 奏太…中学二年生。チャラ男。身長160センチ
橋本 裕也…中学一年生。口が悪い。究極のツンデレ。実はお金持ち。身長140センチ
清本 南…裕也の幼馴染。裕也のことが好きで柚希のことを敵対してる。身長142センチ
藤井 湊…昔、柚希に助けられた。裕也の親友。サッカーがうまい。中学一年生。身長158センチ
横溝 満里奈…クラスのボス女子裕也が好き。中学一年生。身長156センチ
浜田 莉緒…柚希のことを昔、いじめていた。身長145センチ
「うわー。あつっ!」
「おい。ちょっと待て」
「なに?」
「……」
「なによ?今、急いでるの!早くしてよ」
「あのさ一緒に海行かね?」
え?
まさかの裕也からのデートのおさそい!?
「っっ!!」
「返事はまた今度とかでもいいから」
「行きたい!」
「デートとかじゃねーから」
「え?でもこういうのをデートっていうんじゃないの?」
「俺と柚希と南と湊と行くんだよ」
あ~あ。そういうことね。びっくりした。二人っきりで行くのかと
思った。でも裕也と二人っきりで行きたかったな。
「二人っきりで行きたい?」
「そんなことはないけど」
「ふ~ん」
「なに?」
「花火、二人で見に行く?」
「ええっっっっっ!?」
「静かにしろよ」
「うん…どういうこと?」
「どういうことって。二人で見に行くかって聞いてるんだよ」
「行きたい!」
「おっけー。じゃあまたな」
うっそー!裕也にデートに誘われちゃった。
海はダブルデートみたい!花火は普通にデートみたい!
うれしい。でも、こんなことされたら、もしかしたら両思いなのかもと
期待しちゃうから、やめてほしい。
「柚希ちゃん、おはよう」
あ!奏太先輩だ!
「おはようございます」
「ちょっと話があるんだけど、いい?」
「別に全然いいですよ」
「俺今、気になってる人がいるんだよね」
「ほんとですか?」
「うん」
「柚希ちゃんにその人との恋を応援してほしいんだよね」
「もちろんです!」
「誰だとおもう?」
「私の知ってる人ですか?」
「うん。たぶん柚希ちゃんが一番その子のことを知ってるんじゃないかな?」
「誰だろ。そんな人いたっけな?」
「絶対にいるよ」
「今、一年生ですよね?」
「もちろん!」
「何組ですか?」
「1年1組」
「南ちゃん?」
「違う」
「私だったりして~?まあじょうだんだけどね」
「(真っ赤)そう思う?」
「ほんとに冗談だよww」
「もうちょっと先延ばしにするか」
「なんて言いましたか?」
「特に何も」
「そう言われたらもっと気になりますよ~」
「もうちょっと先延ばしにする」
「何をですか?」
「まあ、それは秘密ということで」
「もう~!」
「じゃあ、またね」
「はい!」
「遅くね?」
「別に遅くないよ」
「はいはいそこの二人。早く席について。HR始めるよ」
「ごめんなさい」
「ほら。裕也も謝って」
「わかってます~」
「二人って恋人みたいだよな。先生は応援するからな」
先生!それは絶対に言っちゃダメなことですよ。
せめて満里奈ちゃんたちの前では言わないでよ
「せんせー、裕也はほかに好きな人がいるんですよ。
如月さんの片思いなんですよ」
「そうだったんですね」
う~ん。それはそうなんだけど、面とむかって言われると…
傷つくな~
「海っていつ行くの?」
「来週の日曜日だ」
「わかった」
「空いてる?」
「もちろん」
「南ー」
「何っ?」
「海、いけるってー」
満里奈ちゃんに聞こえるって!
「静かにー!」
「どうした?」
「満里奈たちに見つかると面倒だから」
「え?」
「私と柚希ちゃんがいじめられるんだよ」
「確かに。柚希、ごめんな」
「私は?」
「ごめんってー」
「じゃあまた明後日ね」
「ばいばーい」
「あっ!柚希ちゃん、ちょっと話したいことがあるからちょっと残ってくれない?」
「いいよ」
「俺はいないほうがいい?」
「うん!じゃあまた明日ね」
「おう」
「どうしたの?」
「ちょっと柚希ちゃんに話したいことがあって、海、行くじゃん?」
「うん」
「その時に裕也に告白しようと思ってるの」
「ええええええええっっっっっっっっっ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
「うるさいなー」
「それ、ほんと?」
「ほんとですー」
「頑張ってね」
「私のこと応援したら、柚希ちゃんの恋がかなわなくなっちゃうよ」
「確かに。じゃあ応援しない」
「ひっどー。まあ私は手加減とかしないから」
「はい!わかっています。私も手加減なしで行きます!」
「じゃあ、明後日ね!」
「うん。ばいばい」
そのころ、湊と裕也は……
「女子たち行っちゃったな」
「ああ。じゃあな」
「おい!逃げんなよ」
「逃げてねーし」
「逃げてるだろ。お前は、南と柚希、どっちとるんだよ?」
「さあ?」
「はぁ?俺は柚希のことが好きなんだよ」
「そんぐらい知ってる」
「お前はどっちをとるんだ?」
「俺は誰も好きじゃねぇ」
「あっそ。じゃあ柚希はもらうぜ」
「お前なんかが俺に勝てるわけねーだろ」
「は?うっざ。っていうか口を割ったな」
「は?」
「だーからー、ほんとは柚希のことが好きなんだろ」
「違う!」
「違わねーだろ」
「じゃあな。また明後日」
「おい!逃げんな!あーあ、行っちまった」
土曜日の夜(海デート前夜)
明日の服はどうしよう?
あっ!そっかー。海、行くのか。
いじめられていた時、初めてハブられたのは海で遊べるっていう
校外学習の時だったな……
本当は海にはいきたくなかった。
だってここら辺の海と言ったら、しろさきビーチぐらいしかない…
りおちゃんたちもしろさきビーチによく遊びに行くって言っていた。
もしかしたら途中、りおちゃんたちに会っちゃうかも…
まあ。なんとかなるでしょ。
でも今の学校に来れて本当に幸せ。
今の学校では友達って自信をもっていえる人が
たくさんいるんだもん!りおちゃんたちに自慢したい。
こんな私でも大切にしてくれる、愛してくれる人たちがいる。
それだけで自信がわいてくる。
そういえば水着ももっていかなきゃだよね?
やばい。いそがなきゃ。
かわいい水着持ってないんだよね。スク水でいっか。
スク水…スクール水着。学校の水泳の授業などで使う水着。
じゃあ、おやすみなさい。
「おっはよー」
( ,,`・ω・´)ンンン?
( ,,`・ω・´)ンンン?
「ええええええええ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
「どうしたの?」
「お母さん!今、何時?」
「今?八時よ?」
「やばい。遅刻しちゃう」
「どこに行くの?せめて朝ごはんを食べていきなさい!」
「そんな暇ないんだもん」
荷物忘れ物ないかな?水着よし!財布よし!スマホよし!バスタオルよし!サンダルよし!…..
おっけー。忘れ物なし!
「おなかすいちゃうわよ」
「いってきまーす」
「ちょっと~」
遅れちゃう~。急いで~
「わあ!ごめんなさい」
走ってたらぶつかってしまった。
「大丈夫ですか?」
「おい!柚希ー」
「んん!?裕也?」
「おう」
「おそくない?」
「走らなくてもいいの?」
「別に」
「遅れちゃうよ」
「遅れねーよ」
「でもあと15分だよ?」
「あと1時間15分な!!」
「え!?うっそ」
「ほんとですー。時計、見てみろよ」
そんなはずない!
「でも今、8時10分だよ?」
「約束の時間は、9時30分だぜ?」
「え?8時30分かと思ってた。う、うん?んん!?でもそしたら裕也は早く着いちゃうんじゃ?」
「楽しみすぎて早く出発しすぎた」
かわいいとこあるじゃーん。いじろ。
「かわいいとこあるじゃーん」
「っ!?」
ああー。はあー。そういうことか。裕也は南ちゃんと会うのが
めちゃくちゃ楽しみだったっていうわけね。
悲しすぎる、片思い。
「どうした?急にダウンした?」
「ふん!裕也は南ちゃんと会うの楽しみ?」
これで楽しみとか言われたらだいぶ下がっちゃうかも…
「まあ。そうだな。楽しみっちゃ楽しみだけど…」
「何?」
どうしたんだろう?
「お前と会うことのほうが楽しみだった」
「へ?」
「「……」」
うそでしょ?マジで興奮しちゃうんだけど。
期待しちゃうから、やめてほしい。
南ちゃんのことが本当は好きなんだよね。
そんなことぐらいわかってる。
裕也のことが好きすぎて、胸が締め付けられる。
「どっか行く?」
「いいね。どこいこっか?」
「どこでも。でも猫カフェは嫌だ」
「なんでー?大好きだったのに~!」
「柚希って誕生日いつ?」
「10月の18日だけど、どうしたの?」
「なんでもない」
「裕也は?」
「俺は、7月の9日」
「ふーん」
「どうした?」
「特に…じゃあ、あそこいこ!」
裕也の誕生日ってもう少しじゃん。
好きな人の誕生日は祝わなきゃ。
何がいいんだろう?
「じゃあ、あそこのカフェでも行く?」
「柚希ってそういうの好きだったんだな」
「へ?」
「あそこのカフェって全席カップル席のカフェなんだぜ」
「そういうことを知ってるってことは行ったことあるの?」
「南といったことあるんだよ」
余計なことを聞いてしまった。
やっぱ裕也と南ちゃんはお似合いだと思っちゃう。
南ちゃんは今日、裕也に告白するって言ってたから、きっと
二人は恋人になるんだろうな。
「入ったらカップルって思われたらしく、すごい窮屈な席に座らされたんだよな」
「へ~」
裕也はにっこにっこで話してるけどそれを聞いてる私の気持ちも考えてほしいな。
カップル席ってどんなものか知らないけど、二人で飲む飲み物とかがあるんだろうな
もう私の片思いはあきらめようかな。
私のかなうはずもない恋。
裕也のことは大好きって自覚してる。
でも裕也のことを好きになってから、胸がズキズキと痛むことが増えてきた。
もうこの恋あきらめちゃおっかな。
そうだよ。そうしたらこんなに悩まなくてもいい。
苦しまなくてもいい。
あきらめよう。
私の苦しい片思い。
「おい。大丈夫か?」
「うん!どうしたの?そんなに焦って」
「急に魂、抜けた顔し始めたからビビったんだよ」
「ごめんね」
「もう時間、結構すぎたから、しろさきビーチに向かおうぜ」
「うん!本当にこの時間あっという間だったよ。なんか裕也といると時間が過ぎるのが速いよ」
「(真っ赤)」
「どうした?」
「なんでもない」
今なんか変なこと言った?そんなことはないと思うけど。
あっあっ!そういうことか。時間が過ぎるのが早いということは
その人との時間が楽しかったということ。
そこまで深い意味はなかったんだけどな~
裕也がそんなに真っ赤になると私まで恥ずかしくなる。
話題、変えよう!
「しろさきビーチでは何をするの?」
「知らね。ビーチバレーとかじゃない?」
「ふーん」
「もうすぐ電車来るんじゃない?」
「急ごう」
「うん!う、うん?」
「どうした?」
「テ、手!」
「ああ。お前ちっこいから迷子になりそうだなって思って…」
ちょっと~。せっかく失恋したって思ったのに、意味ないじゃん。
急に手、つないでくるとかどう考えても、反則でしょ?ひどいよ~。
やっぱ好きなのかも…
でもちっこいとか言うなんてデリカシーのない奴だな。
「急ぐぞ!」
「うん」
「お前、足遅いな」
「遅くないし!」
馬鹿にしないでよね!私は50メートル走は11秒台でよく馬鹿にされるけど
頭はまあまあいいんだから!
「ああ~。(´;ω;`)」
「お前が足遅いせいで乗り遅れた」
「私だけのせいじゃないでしょ?」
そのころ…
「あの二人、遅くない?」
「確かに」
「あと5分で集合だよ」
「遅いね」
「もしかしてあの二人、一緒にくるかもね」
「ええ!?」
「その反応。やっぱ南って裕也のこと好きでしょ?」
「違うし!湊こそ柚希ちゃんのこと好きでしょ?」
「うん。俺は当たり前に柚希のことが好きだよ。柚希は俺の命の恩人なんだぜ」
「知ってる。柚希って優しいよね」
「ほんとそれ!俺も柚希のそういうところに惹かれたんだよ」
「今日、裕也に告白しようと思ってるんだ」
「だからそんなに緊張してるんだ」
「緊張してないよ」
「手、震えてるよ?」
「…」
「南ってわかりやすいよね」
「そんなことないし」
「もう一つ当ててあげよっか?南はフラれるって思ってるけど
少しでも早く柚希より先に裕也の視界に入りたいと思っている。違う?」
「あたってる」
「でも俺は応援するよ」
「え?なんで?」
「だって、裕也の視界に南が入ることで、裕也の中で柚希が薄れてくれるかもしれないじゃん?
そしたら柚希が裕也のことをあきらめて、俺のほうに来てくれるかも」
「そういうことね」
「まあ、告白頑張ってよ」
「うん」
「遅れてごめ~ん」
「柚希のせいで遅れた」
「違う。二人のせいでしょ?」
「責任の押し付け合い?」
「ごめん」
「けがとかはない?」
「うん。待ったよね」
「大丈夫。俺たちはさっききたばっかだから」
「やっぱ湊くんは優しい」
「(真っ赤)」
「おい。柚希、ジュース買いにいこうぜ」
「(?)うん!」
裕也、どうしたんだろう?急に声を張り上げて。
「私も行っていい?」
「ごめん。柚希と二人で話したいことがあるから」
「先に水着にきがえなきゃだと思うな!」
「湊。てめー。邪魔するなよ」
「裕也?口、悪くなってる?」
「ちげーよ」
「柚希ちゃん!裕也の口が悪いのはもとからだよ!」
「南!怒」
「ごめんって」
「でも先に水着に着替えようよ。話はそのあとで」
「じゃあ」
「ばいばーい」
「南ちゃん!告白はいつするの?協力するよ」
「ええ!?本当に?」
「うん!」
「でも柚希ちゃんも裕也のこと好きなんじゃないの?」
「そうだよ」
「じゃあなんで?」
「だってみんなが笑顔になるのはうれしいことでしょ?」
「(何?この子?こんな子にあったのは初めて…自分の好きな人と被っている女子を応援するなんて
心広すぎ。すごい。裕也と湊が好きになったわけがわかった。この子なら譲れる。
ううん。弱気になったらそこで試合終了)」
「じゃあ早く着替えて作戦会議しようよ」
「うん。本当にありがとう」
そのころ男子は…
「裕也、南が告るっていってたよ」
「興味ない」
「さっすがー。でもね柚希も告るって」
「(!?)本当?誰にだ?」
「嘘だよ~。裕也って本当に柚希のこと好きなんだね」
「怒」
「前から思ってたけど、裕也ってわかりやすいよね。柚希がほかの男子と話してると、
邪魔しに行ってるし。女子と話してるときはいじめられないか見守ってるし。
南もすごいよね。柚希のことが好きってことがバレバレの裕也に告白しようとしてるんだもんね。
南って強い」
「お前、南のこと好きなのか?」
「そんなわけないじゃん。俺は柚希だけ」
「はっきりというじゃんか」
「(…)柚希の水着姿見るの楽しみ?」
「そんなこと考えてんの?気持ち悪!」
「ちがう!もしかしたらって思って」
「ふ~ん。柚希には触れさせないぜ」
「あっそ。柚希と二人で話したいことってなに?」
「いろいろと」
「うっざ」
「別にうざくてけっこうです~」
「ちょっ!?柚希!?」
「へ?」
「なんでスク水?」
「だってこれしかなかったんだもん」
「「……」」
「ちょっとこい!」
「なんでよ~!」
「なんでスク水で来た?」
「だ~か~ら~これしかなかったの」
「プレゼントしてやるよ」
「そんなのもうしわけない」
「じゃあ誕生日プレゼントと思ってもらえ」
「なんでよ~?誕プレだったら早すぎる」
「だってかわいそうじゃん?その姿で人生に一回しかない経験をしなきゃいけないなんて」
口は悪いけど、馬鹿にされてる気がするけど、私のこと心配してくれてる?
ここは素直になったほうがいいのかな?
「じゃあ、お言葉に甘えて。裕也の誕プレは絶対に忘れないから」
「あっそ。別にくれなくてもいいぜ」
「絶対に忘れないから」
「じゃあ買いに行こうぜ」
「え!?買いに行くの?」
「もちろん。俺が女物の水着なんか持ってたら、変態だろ?」
「確かに」
「お前ってほんっと天然だよな」
「天然天然って馬鹿にしないでよ!」
「馬鹿にしてるわけじゃないんだけど…ちょっと抜けてて守ってやりたくなるようなかわいさがあるって言ってんだよ!」
「へ?」
裕也?裕也にそんなドキドキする言葉をみんなに言ってるの?
この女たらし!
やっぱ私は裕也のことは嫌いになれない。
こんな恋したくない!かなうはずもないとひたすら思ってるのにこの恋をあきらめることができない
どうしよう。ほんとは南ちゃんの恋を応援したくないのかも…
自分で自分の気持ちがわからない
「早くいこうぜ」
「うん。でも湊君たちにも言ったほうがいいんじゃない?」
「そうだな。(そしたら湊がついてくるかもだな。ほんとは声をかけたくない)」
「じゃあ行こー」
「ちょっと待て!」
「どうしたの?」
「湊と南には秘密で行こうぜ」
「なんでよ~?」
「だって柚希と二人で行きたいんだよ」
「ふぇ?」
なんなんこいつ?最近めちゃくちゃ甘々になってきてるよね?
これじゃ私の心臓がもたない…
裕也のことが大好きすぎる!
「じゃあ二人で行く?」
「おう!」
「ちょっとまちな」
「「湊(くん)!?」」
「急に出てくるな」
「急じゃねーよ。ずっとここにいたわ!」
「ほんと?気配がなかった。すごいね」
「で、裕也?お前は抜け駆け禁止な」
「なんで?そんなこと守るわけないだろ」
「(?)」
「とりあえず4人で仲良くいこうよ!」
「せめて3人にしたいんだけど…」
「え~!?どうして?」
「南が来ると、面倒だから」
「その気持ちわかる!」
「もう!さいてー。女子の気持ち、わかってないね」
「わかりたくもない」
「さいてー」
「まあ、南も連れていこ」
「なんでだよ?」
「だって一人だけ抜くのってかわいそうじゃん?」
「私をはぶくってこと?」
「南ちゃん!?」
「あなたたちみんなひどい」
南ちゃん!ごめんね。謝りたい!
「ごめんね」
「みんな大っ嫌い」
大っ嫌い!?
「「「…」」」
私はいじめられてた経験があるから、南ちゃんがどんだけ悲しいかよくわかる。
一人だけはぶかれる。みんなに避けられる。
知ったときは起こるという感情よりも悲しいという感情がわいてくる。
その気持ちは私が一番わかってあげれると思う。
私が二人を説得させなきゃ!
「謝りに行こ!」
「はぁ?なんで?南なんかに謝りたくもないわ」
「俺も同感。南のことだからすぐ忘れて遊べるようになるよ」
「はぁ?はこっちのセリフ!裕也も湊君も最低…はぶかれたほうの気持ちも考えてあげなよ」
「いじめられたことがないからわからね」
「裕也!(怒)湊くんはわかるよね?」
「うん。すっごく悲しい。表現のしようがないほど悲しい気持ちがわいてくる…」
「裕也はほっといて南ちゃんに謝りに行こ?」
「うん。裕也、お前にはわからないかもしれないが、はぶかれるのってすご~く
つらいことなんだ。俺はその気持ちを体験しながらもそれと同じことをしてしまったとは…
りおたちと同じことをしてしまった。なんということをしてしまったんだろう…
お前もいつかわかるときがくると思うぜ。俺は謝ってくる。じゃあな」
「南ちゃ~ん!どこにいるの?いたら返事して!」
「南~。大丈夫か?」
「南ちゃん!いた!え?南ちゃん?」
え!?泣いてる?あんなに強そうな南ちゃんが!?
泣いてるとこは見たことがないと裕也が言っていた。幼馴染の裕也にさえも見せなかった
涙を南ちゃんが今、流している。そうとう傷ついたんだな…
「南!大丈夫か?」
「大丈夫なわけないでしょ?」
「南、ごめんな。俺はいじめられた経験があっていじめられる側のつらさも知ってるのに
いじめるような行為をしてしまった。本当に反省してる」
「べつにいいよ。ほかの子にはしないで!約束!」
「約束!」
「じゃあ湊はかえって」
「なんで?態度変わりすぎでしょ!」
「まあまあ。柚希ちゃんと話したいことがあるからさ」
「まあ、それなら帰るぜ?」
「うん!」
「湊君!またね」
「おう!」
「南ちゃん、ごめんね」
「柚希ちゃんは悪くないでしょ?だって二人がはぶこうとしてたのを止めてくれてたし」
「でも結局止められなかった…」
「でもありがとう。すご~くうれしかった。きっとすごく勇気がいることだと思う。好きな人の意見に反対するなんて…
嫌われちゃうかもしれないし…柚希ちゃんは強いよね!」
「そんなことないよ」
「裕也は何でいないの?」
ここは正直に言ったほうがいいのかな?
でも正直に言ったら南ちゃん、傷つくよね?
今、傷つけられたばっかだし、正直に言うのはやめよう!
「裕也はちょっと確認したいことがあるからあとで謝りに行くって言ってたよ」
「なんか隠してる?柚希ちゃん~?嘘ついてる~?」
ううっ!?なんでわかったの?感づかれたらダメだ!
どうにかして隠し通さなきゃ!
「嘘なんか、つっつ、ついてないし!」
「その顔はついてるな~?」
「だからついてないって」
「もしかして私のこと心配してくれてる?」
「実はそうなんだ…」
「やっぱ柚希ちゃんってやさしいね」
「そんなことはない!」
「裕也がどうしたの?」
「……」
「もうさんざん傷ついてるからいいよ」
「裕也は謝りたくないって…」
「あいつ~(怒)あきれた…」
「でも裕也にはなにか謝れない理由があったんだと思うよ?」
「そうかな?」
「裕也のこと信用してみようかな?」
「うん!」
「裕也に今から告白する」
「!?」
今から?早くない?心の準備が…
南ちゃんと裕也がつきあって恋人になったらちゃんと笑えるかな?
「頑張ってね!」
「だから裕也のこと呼んできてくれない?」
「いいよ」
どうしよ~。いいって言っちゃった…
でも今は南ちゃんが裕也にちゃんと告白をできるようにサポートしないと!
「行ってくる」
「裕也ー!」
「どうした?ちゃんと謝れたか?」
「うん。もちろん!」
「よかった。で、何?」
「南ちゃんが浜辺へ来てくださいって言ってましたよ」
「うん…どういう系の話?」
「まさか、怒ってると思ってる?」
「うん。ちょっと心配…」
ふふふ。意外にかわいいとこあんじゃーん!
「全然関係ないよ。頑張って!」
「おう!」
「行っちゃった…」
頑張ってほしくない。南ちゃんがフラれればって思ってしまう…
私、サイテーだ。友達の恋を応援しないで、フラれることを願うって…
サイテーすぎる!南ちゃんにもうしわけないけど、この気持ちは一生変わんないと思う。
南ちゃんと裕也が付き合ったら、ちゃんと喜ばないと…
作り笑いでもいいから。
「どうしたの?なんか泣きそうになってるよ?」
「うう」
泣いちゃった。思わずしゃがみ込む。
「大丈夫?」
湊君の困惑した様子がわかる。
「気にしないで」
「うん…」
「どう?落ち着いた?」
「うん…」
泣いていた時にほっといてくれた人って初めて!
大体の人は大丈夫?大丈夫?って聞いてくるんだよね。
すご~く安心できた。
湊君と一緒にいると安心する。
もしかして私って湊君のことが!?
そんことはない!と思う。私の好きな人は裕也じゃないの?
二股(?)らしきものをしてしまった。
「どうしたの?」
「ちょっと悲しくなってきちゃって」
「なんで?」
「だって今、南ちゃんは裕也に告白しに行ったんだよ!
もしかしたら告白が成功して南ちゃんと裕也が恋人同士になったら
どういう反応をすればいいのかな?」
「素直に泣いちゃえばいいと思うよ」
「え?」
「泣いちゃえばいいよ~」
「泣いちゃえば?」
「うん。でも裕也の好きな人は南ちゃんではないと思うよ」
「絶対に南ちゃんだよ!」
「違うから安心してよ」
「なんでそう言えるの?」
「だって裕也と好きな人の情報を交換したんだよ。だから、裕也の好きな人を知ってるわけ」
「そうだったんだ!教えてよ」
「教えるわけないじゃん!(裕也の好きな人が柚希って気づいた瞬間、きっと柚希と裕也は
付き合ってしまう…絶対に柚希には言わない)」
「え~?」
そのころ、裕也と南は…
「話ってなに?」
「裕也のことだからわかってるんでしょ?」
「まあなんとなくは…」
「じゃあ返事は?」
「ちゃんと言えよ!」
「え?わかってるなら言わなくてもいいでしょ?」
「南!お前はそんなに弱虫だったんか?」
「弱虫なわけないじゃん!」
「じゃあしっかり言ってみろよ」
「わかったよ。好きです。私と付き合ってください!」
「ごめんなさい」
「やっぱそうだよね」
「最初からあきらめている試合に勝てるわけないだろ!?」
「うん。裕也はそういうやつだったね」
「知らなかったのか?」
「知ってたしー!」
「俺は柚希のことが好きかもなんだ」
「知ってる」
「今度夏祭りで花火を見に、二人で行くんだ。お前の口の堅さを信用しているぜ。
だからその時に告白しようと思ってる」
「頑張ってね」
「柚希ー。水着買いに行くぞー」
「はいー。じゃあね。湊君!」
「また!」
「湊と何話してたんだ?」
「ちょっといろいろ」
「教えろよー」
「南ちゃんが告白するっていう話だよ」
「そういうことか。(まだ告白はしてないんだな)」
「どうしたの?」
「どうもしてねーよ」
「なーんだ。なんか心配してるのかと思った」
「(真っ赤)」
裕也ってかわいいとこあるよね!
「ついたー!」
「どんな水着が着たいんだ?」
「かわいいやつ!」
「かわいいのじゃなくっていいだろ」
「ひどくない?」
「ほかの男に好きになられたくないんだよ!」
「へ!?どういうこと?」
裕也ってもしかして私のことが好き?
そうだったらうれしかったのにな。
これは全部私の妄想!
「なんでもねーよ(口が滑った)」
「焦ってる?」
「焦ってねーよ」
「「……」」
「裕也はどんな水着がいいと思う?」
「あれにしたら?」
裕也が選んだのは普段の水着に見える、かわいいというよりボーイッシュな水着だった!
かわいすぎ~!これにしたいけど結構いい値段するんだよね…
「かわいいー!これでいい?」
「いいと思う…」
「じゃあよろしくお願いします!」
「おう」
「買ってくれてありがとね!」
「どういたしまして」
「裕也ってお金持ちなんだね」
「そんなことはないと思うけど…」
「で、南ちゃんの告白の返事はどうしたの?」
これでOKしたって言われたら、頑張ってねって言わなきゃいけない!
ちゃんと応援するって決めたんだから、ちゃんとしなきゃ!
「断ったに決まってるだろ!」
「へ!?断ったの?」
「ああ。俺には好きな人がいるからな」
「誰~?」
「秘密!」
「何組?」
「一組」
「う~ん?かなちゃんとか?」
「違う!」
「誰だろ?」
「まあこの話は一回やめて、花火大会はいつ行く?」
「来週の日曜日でいいんじゃない?」
「わかった。どこ待ち合わせ?」
「柳公園に夜の5時半集合でいい?」
「わかった!裕也は浴衣で行く?」
「柚希は?」
「行こうかなとは思ってるけど…裕也、次第かな?」
「柚希が浴衣なら俺も浴衣で行く」
「わかった。遅れないでね!」
「柚希こそ待ち合わせ時間にちゃんとこいよ?」
「馬鹿にしてるの?サイテー!」
来週の日曜日って裕也の誕生日じゃん!
プレゼント探し回らないと!
「あら!柚希じゃないの!」
「誰?」
「りおちゃん…」
「ん??」
「昔、いじめられた。りおちゃんに」
「は?」
怖い!りおちゃん…
りおちゃんには殴られたことがある。
こわかった。そばに先生もいたのに先生は見ていないふりをしていた。
「柚希?その隣にいる人は誰なの?」
「裕也です…」
「かっこいいわね。私に紹介しなさいよ!」
「……」
「もしかして彼氏?」
「はい!俺は柚希の彼氏です」
「(!?)ゆうや?」
「黙ってろ!」
「ああ?柚希、あんたなんかにこんなかっこいい、彼氏はつりあわないわよ?」
「俺には柚希が一番似合うと思ってる。柚希以外は俺に釣り合わない」
「(!?)」
裕也?どうしたの?人が変わったみたいに
「あっそ。そこのイケメン君?態度がでかいわね。お父様に言いつけてやるわ!」
「どこの会社だよ?」
「浜田工業よ!」
「たいしたことないな」
「あんたは?」
「俺は橋本外科だぜ?」
「ええ!?すごい有名なところじゃないの?」
「裕也はすっごくお金持ちなんだから」
「あっあっ!?(怒)柚希は黙ってなさいよ」
やばい。投げ飛ばされる!
「ちょっと待て!てめーは柔道を習っているのか?」
「ええ」
「俺も習ってるが、ここで投げ飛ばして、柚希がけがしたらどうするんだよ?」
「べつにいいわ。こんなやつ」
「は?俺の彼女を傷つけるな!」
「ふん!あんた何か!」
裕也が投げ飛ばされちゃう!と思った瞬間。
「いった」
投げ飛ばされたのは私のほうだった。
裕也を投げ飛ばすと見せかけて私を投げ飛ばした。
「おい。てめー。やったな!(怒)」
「裕也!ダメ!女の子に手だしちゃ!」
裕也がりおちゃんのことを殴ろうとしたので、とっさに
体が動いた。
「りおちゃん!逃げて」
「ふん!」
りおちゃんは走ってどこかへ行ってしまった…
「大丈夫か?」
「うん」
「膝から血、出てるぞ。とりあえず消毒しなきゃだな。ちょっと水を探してくるからここで待ってろ」
「うん…」
「柚希?どこー?」
「湊君!」
「どうしたの?」
「なんでもないです」
「柚希って強がりだよね。膝から血がめっちゃ出てるよ。早く消毒しなきゃだな」
「水は裕也が取りに行ってくれてるから」
「そうなんだ…」
「湊君?」
なんか元気ない?どうしたんだろう?
「どうしたの?なんか元気なくない?」
「柚希にそうだんなんだけど俺のこと好き?」
「もちろん!大大大好き!」
湊君のこと大大大好き!湊君とは話も合うし、湊君は、人のために優しくできるすごい人なんだよね!
「あぁ!?(怒)」
「裕也どうしたの?」
急に怒っている?なんかあったのかな?
「なんでもねーよ。湊あとはよろしくな」
「いいよー。裕也はどっか行ってても」
「(怒)」
「裕也、待ってよ!」
「じゃあな」
「裕也どうしたんだろう?」
「わからない。
(多分、たまたま柚希が俺のこと大大大好きって言ってるのを聞いて
怒ってしまったんだろうな。裕也には申し訳ないけど、柚希はもらった)」
「裕也のこと心配…」
「大丈夫だよ。あいつのことだから」
「でも!」
「ちょっ!急に立ち上がらないで。せめて処置が終わってからにしろ」
「ごめん。おわったらいってもいい?」
「別に…」
「やったー!」
…
「終わった…」
「やったー。行ってくる!」
「頑張ってね」
「裕也に取られちゃうかもだな…」
いった。足が痛い。でも裕也に謝らなくちゃ…
「あっ!いた!裕也ー!」
「柚希っ!?大丈夫か?」
「何が?」
「ちょっとそこで待ってろ!」
「なんで?」
うわ!体が宙に浮いたと思ったら、裕也にお姫様抱っこされていた。
裕也って男子の中だったら背は低いほうなのに力持ちなんだな
「膝から血、出てる」
「なんで?湊君に治療してもらったのに…」
「湊の治療の仕方が悪かったんだな。もう一回やってやるから、ちょっと待て」
「うん…」
「ここでいいですか?お姫様」
「え!?うん…」
裕也が王子様!?かっこいい。
それとちょー、ドキドキする
「ちょっと触るぞ」
「うん…」
裕也が私に触れている。
うれしすぎる。ドキドキする。湊君にやってもらったときには
なかった気持ちがわいてくる。
…
「これで大丈夫」
「ありがとう。そういえばさっきはどうして怒ってたの?」
「べつに怒ってねーし」
「ううん。あれは絶対に怒ってた」
「(……)絶対に笑わない?」
「もちろん」
そんな笑われるような内容なのかな?
「湊のこと大大大好きって言ってたから、もしかしたら湊に取られたって」
「(クスッ)」
「おい。笑うなって言っただろ」
「ごめんって」
裕也ってかっこいいとこしかないなって思ってたけど最近、裕也がかわいく見えてくる。
裕也が弟みたい…
「嫉妬したの?」
「うん…」
「へ!?」
冗談で言ったつもりだったのにほんとだったんだ。
恥ずかしい!
二人とも真っ赤になって黙り込んでしまう…
「湊君に私が取られたってどういうこと?」
「だから、柚希は湊と両想いで付き合うのかなって思ったんだ!」
「そんなわけないじゃん。私と湊君が釣り合うわけないじゃん。湊君には私よりいい子がいると思うし」
「じゃあ柚希は湊のこと恋愛的に好きってこと?」
「そんなわけないじゃん。私は裕也が好…」
やっば。言っちゃうところだった…
「(真っ赤)」
「「……」」
「さっきのほんと?」
「やっだな~。冗談に決まってるでしょ?」
「手震えてるぞ?」
「…」
「ほんとに嘘なんだな?」
「うん!」
「な~んだ」
な~んだってどういうこと?
なんかあったのかな?
「行くか?」
「うん。そろそろね!」
…
「やっときた~!」
「まったんだよ~。湊も途中どっか行っちゃうし、大変だったんだから!」
「ごめんね!」
「早く着替えて遊ぼうぜ」
「早く遊びたい~」
「ごめんね。私が水着ダサいの持ってきちゃったせいで時間の無駄になっちゃった…」
「全然大丈夫だよ~!」
「早く着替えて来いよ」
「うん!ちょっと待ってね」
早く着替えなきゃ!
時間が無駄になっちゃったから…
「ちょっ!?おい!ここで着替えるな!」
「(真っ赤)」
「へ?」
あ~。やっちゃった…
天然のふりしてるやつって思われちゃったかな?
「「「柚希(ちゃん)って天然?」」」
「ふりとかだと思わないの?」
「あったりまえじゃん!」
「そんなこと思わねーよ」
「柚希は本物だと思う…」
みんな、やっさしー!
ふりとか思わないんだね!こんなに優しい人たちに初めて会った!うれしすぎる…
「じゃあ、着替えてくるー!」
「「「いってらー」」」
「ただいまー。ごめんね。待った?」
「全然だよ!みんなで恋バナしてたんだ!」
「私もしたーい!」
「だめ!柚希ちゃんは知らないほうがいいかも…」
「なんでー?」
「男子たちが知られたくないんだって!」
「ふーん」
どういうことなんだろ?
もしかして私のことどっちかが好きだったりして?
まあ、そんなことないか!
「なにする?」
「ジュース買ってくるな。何が欲しいか?」
「やったー!裕也!ありがと!柚希はマンゴーサイダーで」
「私はラムネ」
「俺も行く」
「オッケー。湊、行くぞ」
「おう」
「行った?」
「うん」
「どうする?」
「写真とろうよ!」
「いいね」
「あそこにしよ」
「おいおいそこの女の子たち。かわいいね」
「俺らと遊ばね?」
体が固まる。怖い…
「私たちは男子と来ているんです。どっか行ってください!」
ちょっ!
南ちゃん!
それはやばくない?
「強気な女の子好きだよ」
「俺はその隣の子のほうがタイプ~!」
「俺も!」
こっ、怖い…
チャラそうな人たちが腕を組んでくる。
「何してんだ?」
「はぁ!?なんだ、テメー」
「うぅ…」
怖いけど裕也が来てくれて助かった
よかった
「誰?」
「彼氏です」
「はぁ!?彼氏?」
「こんな奴が彼氏?」
「ブスじゃなーかよ」
「裕也はブスなんかじゃないです!裕也はかっこいいです!」
「あっそ」
「この柚希ってやつの性格は大っ嫌い」
「それな。かわいい顔してるのにな」
「気持ちわり」
うぅ。
モテないなんて…
そんなこと言わないでよ!
「そんなことしてるとモテねーぞ」
裕也!?
「それじゃあいつまでたってもナンパなんか成功しねーよ?」
「なんだ、こいつ?」
「いこーぜ」
「柚希ちゃん、すっご!一人で3人撃退とか強すぎ…」
「柚希、南大丈夫か!?」
「私は大丈夫だけど、南ちゃんがちょっと大丈夫かな?っていう感じ」
「南、大丈夫か?」
「うん。大丈夫」
「湊君は?」
「湊はあっちのほうで休んでる」
「湊は何で助けに来なかったの?」
「別に…裕也、一人でもできるでしょ?あんな雑魚」
「口悪いね」
「柚希、最後らへんすごかったね」
「見てたの?」
「もちろん!」
「えへへ」
湊君、、、
私のこと見てたのかな?
うれしすぎる…
「ジュース買ってきてくれたの?」
「おう」
「みんなで飲もうよ!」
「何して遊ぶ?」
「やっぱ海と言ったらビーチバレーでしょ!」
「それな」
「よーし!がんばろー!」
「うぅ。負けた、、、」
「女子相手に本気?」
「やるなら、勝ちに行くだろ?」
「そうだ。そうだ。」
「ひっどー!」
「次こそ、勝つから!」
「ていうかもうすぐ、お昼だけど?
「どうする?」
「食べる?」
「でも南ちゃんは、お昼に帰らなきゃいけないんじゃないの?」
「そう、、、」
「じゃあな。南」
「うん。また遊ぼうね!」
「うん!ばいば~い!」
「またな」
「行っちゃった、、、」
「どうする?」
「とりあえず、3人で、お昼でも食べる?」
「そうしよっか」
「何食べるの?」
「おなかすいてる?」
「うん!」
「どこで食べる?」
「あそこのラーメン屋とかは?」
「いいね。柚希、ラーメン大好き!」
「意外だな、、、」
「いいじゃん。いっぱい食べる子ってかわいいよね」
「(真っ赤)」
私のこと?
かわいいって言った?
「何ラーメン?」
「醤油!」
「はぁ!?塩だろ?」
「醤油しか、かたんって」
「喧嘩はやめよーぜ」
しばらくたって
「もうすぐ帰るか~」
「確かに」
「たくさん遊んだね」
「楽しかった~!」
「また遊ぼうな?」
「おう」
「このメンツがいい。南ちゃんも入れてね!」
「いいよ」
「またね!」