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「……それでね、先生と別れた後あんまりムカついたんで、一人で飲んでたら、ナンパしてきた男がいたから、」
彼女は、ポーチからコンパクトを取り出すと、鏡を覗き込んで、
「その男と、朝まで過ごしちゃった。……起きたら知らない男の家でさ、すぐには帰るに帰れなくて、つい休んじゃった」
半笑いで言いながら、リップグロスを塗り直した。
「ねぇだから智香もさ、あの先生のことなんて諦めた方がいいよっ」
鏡から顔を上げて、私にそう言い捨てると、
「付き合ってても、気持ちとかなんにも見えてこなくて、なんか不毛な気がするっていうか……」
真梨奈は、いかにもげんなりとした顔つきで、片手で頬づえをついて、
「すっごくいい男なのに、恋愛対象なんかじゃないから、あの綺麗すぎる先生ってば。アンドロイドみたいっていうの、ホントわかった気がするし」
はぁ~あと、これ見よがしにため息を吐いた。