テラーノベル
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注意事項
地雷さんや苦手な方はそっと閉じてください
この作品はご本人様と何一つ関係ありません
コメントをする際には批判ではなくアドバイスをしてください。
それでは楽しんでいってください!
葛葉さん視点。
叶の後ろで店員との会話に適当に相づちをうつ。いちごのフラペチーノをカラオケで飲みながら歌おうってなったのは良い。でも俺はカラオケの店員と話せないからこうして後ろに隠れてる。なんで叶とかふわっちは話せるんだろう。俺は美容院とかでも黙ってるだけなのに。俺にもコミュ力欲しいなぁ。
『分かりました、ありがとうございます。』
「部屋、決まった?」
『決まったよ。早く行って飲んじゃお!』
「はーい。」
借りれた部屋は大きくてマイクもマラカスも沢山あった。ラッキーだ!この時間は割と空いてるけどここまで大きい部屋なのは初めてでちょっと嬉しい。
「ん〜♡いちご美味しい。」
甘酸っぱいいちごと甘いクリームが混ざってめっちゃ美味しい。期間限定じゃなくて毎日売ってくれれば良いのに。
『こっちも飲んでみる?』
「良いの!?」
叶が選んだのはチョコレートフラペチーノ。チョコソースと砕いたナッツがのっててすごい美味しそう。俺はいつもいちごかキャラメルだから飲んだことない。
『良いよ、その代わり葛葉の一口頂戴?』
「良いよー、はい。」
飲んだことないから変に緊張する。ゆっくり飲んでみると甘くて濃厚なチョコの味が口いっぱいに広がった。
「すっごい美味しい✨️」
『葛葉のもすごい美味しいよ。』
叶からいちごフラペチーノが手渡される。という事はもうチョコのやつを叶に返さなきゃいけないんだ。もうちょっとだけで良いから飲みたい…。
「叶、もう一口飲んじゃだめ?」
叶さん視点。
コテンと首を傾げて遠慮がちに開かれた小さな口。うん、可愛すぎる。なんでこんなにあざといんだよ。本当に男の子なのかな?もしかして女の子?どっちでも関係ないか。それくらい仕草が可愛すぎる。
『んふっ、気に入ったの?』
「うん!めっちゃ美味しい。」
うん!だって可愛いね。だめだ全部可愛い。今日で何回目の可愛いなんだろ。多分10回は余裕で超えてるな。
『じゃあ半分こにしよ?』
「やったー!!叶、ありがとう。」
満面の笑みを向けてお礼を言われた。にぱぁって効果音がついてそうで無邪気な笑顔。素直にお礼を言われるのも嬉しいし僕まで幸せになれる。
『じゃあ歌いますか。』
タブレットを操作して曲を入れていく。そして僕には作戦がある。それは恋愛の曲を歌う事だ。歌の歌詞も綺麗な赤色に惹かれるとか人懐っこいその笑顔とか葛葉にピッタリ。名付けて「歌で愛を伝えよう作戦。」これで意識してくれるはず!!
「俺はマラカス鳴らしてよ。」
葛葉がマラカスをシャカシャカ鳴らし始めた所でサビに入る。少しは意識してほしくて葛葉の事を見つめながら歌ってるのに葛葉は楽しそうにマラカスを鳴らしてるだけ。しかも青春だねとか応援されてる。もしかしてこれ通じてない?こんなに見つめてるのに!?
葛葉さん視点。
叶が恋愛の曲を歌い出した。しかも歌詞が綺麗な赤色に惹かれるとか人懐っこいその笑顔とか三枝師匠に当てはまってる。赤いメッシュだし良く笑ってるし人懐っこいし、これは確定で三枝師匠だ!!やっぱり俺は恋愛マスターだな。ガク先生よりも健屋先生よりも大人かも知れない。叶も俺に相談すれば良いのにな。そうすれば大人なアドバイス出来るんだけどなぁ。俺から聞く?でもなんで知ってるんだってなるよな。嘘ついた事がバレたら怒られそう…。
『葛葉?』
「ん?歌の途中なのに止めて良いの?」
対面で座っていた叶が曲を止めていつの間にか隣に座っていた。なんか近い気がする。ちょっと恥ずかしいから離れてほしい。
『葛葉はこの歌聞いてなんにも思わない?』
何かってなんだ。三枝師匠みたいだよなって言えば良いのかな。でも違う気がする。
「恋愛の曲だなって思ったけど…?」
『それだけ?本当にそれしか思わないの?』
「えっ💦いや、ごめんなさい。」
分かんない。三枝師匠の事かな。言っても良かった?むしろ言うべきだったかな。叶、もしかして怒ってる?どうしよう。
『ごめん💦責めるわけじゃないよ。大丈夫』
叶に優しく頭を撫でられる。怒ってないなら本当になんだろう。三枝師匠に近づくなって牽制されてる?それにしても近い。顔が近くてなんかドキドキする。こんな距離近いのは初めてだ。
「…なら良いけど、ちょっと近いかも///」
『あっ!ごめんね。つい…。』
「もう遅いし帰るか。」
『そうだね、また遊ぼっか!!』
カラオケを出て隣を歩く。それなのに叶が暗い顔をしてて気まずい。やっぱり怒ってたのかな。相談にのるべきかな。もう分かんないけど叶が悲しそうなの俺、心臓チクチクするからやめてほしい。でも原因が俺なら色々言わない方が良いのかな。こういう時、姉ちゃんならどうするんだろう。
叶さん視点。
葛葉が全く意識してくれない。「歌で愛を伝えよう」作戦も失敗しちゃったしなんで上手くいかないんだろう。葛葉の事になるとドギマギしちゃう。もっとカッコつけたいのに。
「あの曲ってなんか意味あったの?」
『えっ?』
葛葉、気にしててくれたんだ。ただ伝わってないのが悔しくて意地悪しただけなのにな。
「俺が分かんなかったから悲しい顔してるのかなって。俺、叶のその顔見るとなんかチクチクするからやめてほしいかも。ごめん。 」
『それって///……』
僕が悲しい顔してるとチクチクするなんて僕の事が好きなんじゃ。だから屋上で2人だと喜ぶって事?もしかして両思いなのか。いや、そんな訳ないか。でもひょっとしたら?
『僕、好きな人居るんだよね。』
「うん、その誰かって言える?」
『可愛くて鈍感な子かな。』
「なるほど、応援してるわ。」
葛葉が考える仕草をした。誰なのか当てようとしてるのかな。絶対無理なのに。
『……ありがと。』
応援するって事はやっぱり違うか。それでも僕は諦めない。
『ちょっと用事あるから先に帰ってて。』
「でも…」
『遅くなると思うからさ、また明日ね。』
「うん、また明日。」
控えめに手を振ってから反対側の道に向かって歩く。用事なんて無いけど今は1人になりたかった。絶対に恋人になりたいし諦めるつもりは無い。でも、
『どうしたら伝わるのかな…。』
恋って本当に難しい。追われるのは簡単だけど追う方は大変なんだな。次はもう少し優しく告白振るようにしよ。ふと手に持ったチョコフラペチーノの空が目に入った。これで関節キスしたんだよな。ふにっとストローに唇を押し当てる。チョコのはずなのにほんのりいちごの味かした。
『ふふっ、甘いなぁ。』
明日は葛葉と何をしようかな。
はい!
ここまで読んでくれてありがとうございます
次回は何か変化が起こります。
以上きい。でした(*‘ω‘ *)
コメント
4件
…( ˇωˇ )👍
/ 当たり前の様に間接キスをしてる…尊タヒしそう えぐいくらいてぇてぇ 神