テラーノベル
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次の日。
目が覚めるとムーはまだすやすやと寝ていた。
アタシはまだ東の大地に残っていた。
何故かって?
ルカスがいるから!
『ルーカース〜!なんで昨日あんなに怒ったのよ〜!』
「すみません…主様の服を破いた密輸犯達に少し苛立ちを覚えまして…」
いや、少しレベルじゃなかったけど。
オーラからめっちゃ怒ってるって分かるレベルで怖かったんだけど。
「あ、その人が主様?」
「…ふん」
前方から2人の男が歩いてきた。
1人は…いわゆる爽やか系男子で、もう1人は…彫刻にされてそうな美しい男性だった。
『あら、イケメンね』
思わず呟いてしまった。
この屋敷の執事全員がもれなくイケメンなのに。
「ありがとう、主様もイケメンだよ」
『ありがと』
後ろにはルカスと後から合流したベリアンが立っていた。
あとなんか嫉妬してるってオーラがすごい。
「…主様」
「ルカスさん。主様が怖がってしまいますよ」
ルカス、大丈夫。
アタシが1番好きなのはルカスよ。
もちろん他の執事も好きだけど。
「それじゃ、俺はもう行くね」
ベレンとシロが立ち去ろうとした時。
ビーッ!ビーッ!と天使の警報が鳴った。
『今鳴るの!?』
「天使はいつ来るか分かりませんからね…!」
早く倒さないと。
そう思いながら執事達と天使が出た場所へ駆け出していった。
「死になさい命のために」
相変わらずのセリフを発しながら宙をふわふわと飛んでいる。
しかも1匹じゃない。
何匹もいる。
「主様、力の解放を」
『ええ、分かってるわ!』
いつも通り、本の文をなぞってあのセリフを言う。
『来たれ闇の盟友よ、我は汝を召喚する。ここに悪魔との契約により執事の力を解放せよ』
改めて言うと中二病チックなのが少し嫌悪感を抱くが、天使を倒すためなら仕方ない。
「ありがとう、主様」
ベレンの頭には猫耳が生えていた。
え、可愛い。
明日屋敷に帰ったら力解放して猫耳触ろうかしら。
「おい、遅いぞベレン」
「シロ、後ろ危ないよっ!」
2人の連携はとても見ていて飽きないものだった。
「ふふっ、主様ベレン君とシロ君ばかり見てるね」
「私達も少しはいい所を見せないと、ですねっ!」
ルカスとベリアンの連携も素晴らしい。
『2人とも、すご…』
ずっと見惚れていた。
…それがいけなかったのだろう。
背後から猛スピードで突っ込む天使に気づかなかった。
「主様!」
「っ!お前!」
やば、どうしよう。
短剣を取り出しても、もう遅い。
こんな速いやつから逃げられない。
…アタシ、こんなとこで死ぬの?
執事たちの目の前で?
そんなの…絶対、絶対嫌よ。
『…ごめんなさい、みんな』
目の前が眩しく光る。
こんな最期は嫌ね。
「主様!」
次の瞬間、ルカスがアタシを抱き抱えて守ってくれた。
スライディングみたいなことして。
『ルカス…けが、してないかしら?』
「こちらのセリフですよ」
しばらく沈黙が続いた。
けど、ずっと向かい合って黙っているのは我慢できなくて、2人一緒に吹き出して笑った。
『もう、バカっ…守ってくれてありがと』
「主様が無事で良かったですよ」
その後、ベリアンとベレン、シロが猛スピードでこちらに向かってきた。
「主様!ケガは!?」
「大丈夫?主様」
2人はめっちゃ心配してくれるけど…シロがずっとそっぽをむいて黙っている。
そりゃそうよね、 まだ出会ったばかりだもの。
これが当たり前の反応よね。
「主様、宿に戻りましょうか 」
『ええ、そうね』
翌日、依頼は終わり屋敷に帰った。
『ただいマイ屋敷〜!』
「ただいま戻りました〜!」
ムーちゃんと一緒に仲良く「ただいま」を言った。
「おかえりなさい主様!」
フルーレが出迎えてくれた。
相変わらずとっても可愛い。
「ロノが夕食を作ってくれてますよ。食べますか?」
『あ、お願い』
その後ムーと一緒に夕食を食べた。
ロノの作るご飯は本当に美味しい。
時刻はド深夜。フェネスが用意してくれたお風呂にゆったりと浸かっていた。
『はぁ〜フェネスの入浴剤は最高ね〜』
ふわっと香る甘い匂いが鼻をくすぐった。
急にドアを開ける音がしたので振り向くと、ルカスが立っていた。
『る、ルカス!? 』
「主様!? 」
普段お風呂は一人で入るので執事と遭遇したことがなかった。
…まさかこんな偶然があるなんて。
「申し訳ありません、すぐにでま…」
『あああ!!!まって!こっちが申し訳ないから一緒に入りましょ!』
という口実で一緒に入ることになった。
ルカスの髪は長くて美しい。
まぁ、アタシも長髪部類だけど
ルカスのは、ずば抜けて髪が綺麗。
『ねぇ、ルカス。どうやったらそんなに髪が綺麗になるの?』
「フェネス君がおすすめしてくれたシャンプーを使ってるのですよ」
『あら、いいじゃないアタシもそれ使いたい〜』
ルカスの使っていたシャンプーで洗うと、いつもより髪がツヤツヤになった…気がした。
いつも一人で浸かるお風呂も、今日はルカスが一緒にいる。
今は昔の恋愛話で盛り上がっているところだ。
『最初に付き合った女もすぐに飽きられて捨てられたの。 次に付き合った男も同じく飽きられてポイよ。 ほんと、運がないわ』
「主様も恋をしたことがあるのですね」
『ええ、この二度だけね』
アタシがのぼせるまで恋バナ(?)は続いた。
その後は、ルカスに部屋まで運ばれて…
一緒に寝て…
…ああ、全く思い出せない。
なにか大事なことをしたような気がするんだけど…。
主様の寝顔、主様の長い髪、主様の肌…。
全てが愛おしく見える。
「はぁ…最近疲れてるのかなぁ…」
のぼせてしまって少し顔が赤い主様ですら可愛らしい。
「主様の恋愛対象は…女性なのでしょうか…それとも、男性?」
こんな話題、聞きたくても聞けない。
ああ、だめだ。これ以上ここにいたら手を出してしまう。
「…おやすみなさい、主様」
コメント
5件
神作品だ、💘 凄すぎて言葉が出ないよ、!!
推しがイケメンすぎた…ルカス様はやっぱりイケメン…