テラーノベル
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shu view___________
数ヶ月前、動画を撮らずに4人で遊ぼうというリーダーからの提案で集まる日
それまで多忙だったことが祟って、体調管理ができてなくて、案の定体調を崩した
みんな楽しそうにしてたし、俺だって楽しみだった
どうしても行きたかった、本当にどうしても、というより、みんなに会いたい思いもあった
グラグラと歪む視界に内心舌打ちしながら進んでいれば、声をかけられる
rm「ぉ、え!しゅうとじゃん!!!」
shu「……っ、りも、こん」
rm「なんだよしゅうとも遅刻かよ〜、一緒に行くか!」
目線を向けた先には、明らかに俺より体調の悪そうな、りもこんの姿があった
無理やり笑っているのか、気を紛らわせようとしてるのか、あるいは見た目ほど体調が悪くないのか
彼は俺に向かって楽しげに会話を投げかけてくるけど、所々内容や反応が鈍くて、体調不良だと確信するのに時間はかからなかった
……ふうはやの家で倒れて、目を覚ました時、目の前にはボロボロと涙を流すりもこんがいた
体調悪いの、気づけなくてごめんね、しゅうと
ごめん、役に立ててなくてごめんね
俺、何もできなかった、ふうはやとかざねだけ、ちゃんとできてて、
しゅうとが体調悪いって気づけなかった、俺だけ
最低でごめん、本当にごめん、
使えなくて、ごめんね
彼の懺悔を、一つ一つ、丁寧に思い出すことができる
普段の元気な彼から漏れる、あり得なさそうな発言
どうにか止めて,大丈夫だと伝えても、懺悔を繰り広げるばかりで、こちらの声なんて聞いちゃいなかった
“喉が痛くないと、あいつ気付けないから”
ふうはやの言葉が脳裏をよぎる
けど、問題はそれだけじゃない気がした
りもこんはもっと、別の問題を抱えてる
体調不良に気づけないだけじゃない、
体調を崩した時、多分、外界からの声が届きにくいんだ
それも、都合の悪い言葉ばかりは耳に届いて、勝手に受容して酷く怯えるくせに
本当に俺たちが伝えたい思いは、決して届かない
りもこんの耳は、彼を苦しめる言葉ばかり拾っているんだ
ただ、それに気づいていながら、俺は、りもこんを助ける手段を見つけられずにいた
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rm「…ふうはやは、頼り甲斐あるよね…元気で、ボケもツッコミも上手くて、世渡り上手というかさ」
rm「しゅうとも、一番年下だけど、やっぱり長男というか、優しくて、俺らのことよく見てくれてて」
kz「…りもこん、」
rm「かざねもそう、努力家だし、さりげない気遣いとかできるじゃん、俺にはできないけど」
kz「りもこん」
rm「…何で俺、いんくなのかな、…いいのかな、おれ」
kz「りもこんってば、」
rm「今日楽しかったけど、でも、……だから、なんかわかんないけど、辛くてさ」
kz「ねえ、」
rm「こんな、こんなおれが…」
kz「りもこん!!!!」
shu(……なに?…何が起きてるの)
わずかに感じた布団の揺れ、霞む音
誰かの話し声
複数の要因で目を覚ました時、メンバーの2人によって繰り広げられる会話に、動揺することしかできなかった
kz「…そんなことない、そんなことないよ」
kz「必要に決まってるでしょ、何言ってんの、りもこんは頑張り屋だし、ふうはやと良いコンビだし」
kz「頼りになる時だって俺らと同じくらいあるだろ、お前が気づいてないだけだよ、俺らは知ってるからっ」
かざねの優しい声に、だんだんと焦りが混じるのを感じていた
そうだよ、りもこん、俺たち、りもこんのこと頼りにしてるよ
心の中で、困惑しながらも言葉を告げる
けどきっと、かざねの言葉も含めてきっと、俺たちの思いは届いてない
なんとなく、そんな気がする
その後も何度かの会話を交わして、2人が布団の中に入ってくる
乱れた呼吸音が近くで聞こえて、寄り添いたい衝動に駆られた
彼の呼吸が落ち着いたところで、俺に安眠が叶うわけなかった
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shu「りもこんって、最近元気なかったりするかな?」
旅行最終日、ホテルの物品を返しにいく途中で、自然体を装ってふうはやに聞いた
瞬間、勢いよく彼がこちらを向いた気配がして、何か聞いてはいけないことだったかと、瞬間を恐れた
fu「…りもこんに、なんか言われた?」
shu「え?ぃ、いや…べつに、」
fu「そ、か…」
沈黙が訪れる
ふうはやの反応、これは多分、何かがあったに違いない
fu「あいつも悩む時期なんだろうなぁ」
fu「……大丈夫だからさ、お前は気にしなくていいんだよ」
優しい声に、優しい瞳がこちらへ向けられる
だけどその瞳が、真っ直ぐに俺だけを見ていないことはわかっていた
真剣さを纏う瞳が、どこか深刻な思いを抱いていることに気づいていた
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あれ以降、画面上でかざねはりもこんを気にかけることが多くなった
ふうはやだって、優しげな声かけが目立った
コメント欄は気づかない
りもこんに向けられた、優しい言葉を、かっこいい、惚れる、とただ反応しているだけ
ビニール袋が揺れる
暑い日、午前中、8時より少し前
ふうはやの家の前で、息も絶え絶えに苦しんでいることがわかる後ろ姿
……
shu「………りもこん?」
rm「!!!!!」
shu「なにしてんの?」
驚いたように振り返って、困った顔をする君
模索してるんだよね、気づかれたくないんだよね
でもごめん、気づいてるよ
rm「ぁあぅ、……ぇと…」
shu「…体調悪い?」
rm「違うっっ!!!」
………
rm「あいさつ、どうボケようかなって、考えててさぁ!」
………
shu「……こんなところで?」
rm「そ、そう、!しゅうともやる?」
………
shu「いややんないけど…」
rm「ぁ、そ、そう、だよね、!」
……
ゆっくりと、ゆっくりと気づいていくふりをしてあげる
それでも、逃がさないように
身体的に、心理的に、確実に、彼に近づいていく
ねぇふうはや、かざね
俺,気づいてるよ
他のことに対する集中を削がれるくらい、りもこんのことを気にかけていること
そうしないといけないくらい、今のりもこんが危ない状態にあること
それを知っていながら、俺に打ち明けてくれないこと
それが、優しさから来た隠し事であること
全部、全部気づいてるよ
だから
教えてくれないなら、俺から巻き込まれにいくからね
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めっちゃ好き