部屋着に着替えて机に向かうと、窓から差し込む夕方の光がノートを照らした。
数学の問題を解こうとペンを走らせるが、どうにも集中できない。
廊下を歩く足音に気づき、ふと顔をあげる。
ノックの音とともに扉が開き、悠真がひょいと顔を覗かせた。
「……勉強中か?」
「は、はい。宿題がちょっと残ってて」
悠真は部屋に入らず、扉のところで腕を組む。
「偉いな。俺なんて、高校の頃はギリギリ提出ばっかだった」
思わず笑ってしまう。
「悠真さんでもですか?」
「俺でも、だな」
軽く笑うその声に、胸がまた少し熱くなった。
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