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「ほら。」

村にある店で水を買い,スカイに渡した。そして私はもう二度と一角獣での移動をしないと決意したのだった。

「行きたかった武器屋ってあそこであってる?」

「うん。…なんかごめん。」

両手で水筒を持ちながら水をぐびぐび飲む。体力もかなり回復したらしい。顔色も悪くない。

スカイが飲み干した水筒を鞄に詰める。ちなみにこの鞄はノーアバリスで安く売っていたコンパクトな鞄だ。私サイズでもぴったりで容量もいい。

「じゃ,さっさと買うわよ。」

鈴の音が店内に響く。奥にいた店員は巨人(タイタン)族のサイクロプスよりも少し小さい。その奥に小人の女性がいたからこの子は私と同じ,混合種(ハーフ)なのだろう。すごくかわいい。

「いらっしゃいませ!武器をお探しですか?回復薬をお探しですかー?それともー!」

「あの,武器を探してるんです。」

可愛い子は棚からスカイよりも大きい剣を取り出した。どんなところからそんな力が出ているのか気になった。

大きな剣を見たスカイは子供のような,目をキラキラさせながら見つめていた。柄の部分を触ったり,刃の部分を触ったり。ちょっと危なげだったけどスカイなら大丈夫だろう。

私も護身用で持っていた短剣を変えようと思っていたからちょうどいい。本当に沢山ある中から一つ,気になったものを手に取ってみた。

「おぉ,嬢ちゃんお目が高いね。そいつは魔力を込める量で威力が上がる名付けて…最強短剣(フォルティッシムプギオネム),だ!」

「なに変な名前つけてんだい。」

奥さんにつっこまれていたが魔力が多い私にとってはちょうどいい。

「けどな嬢ちゃん。そいつは強いが代償がでかいんだよ。すぐに腹が減っちまう。あぁ,こんなにつらい代償はねぇ…。」

…?お腹が空くのが辛い代償?それだけならメリットの方が多いんじゃない?そう思った私は店主の反対を押し切り,購入を決意した。

私の魔力量では今までの倍以上の威力を発揮できるらしい。その魔力を調節すれば省エネルギーで倒すことだって可能なよう。本当に,よいものをゲットした。

ちなみにこの最強短剣は捨てる予定だったからと言ってタダで貰った。

「スカイ,良いものは見つけれた?」

「ん…,これにした。結構な値段したけど適正価格なんじゃないかな。」

今まで使っていた騎士用の剣よりもコンパクトになり,スカイの身長に見合った大きさになっていた。剣は神々しく,刃に文字が刻まれている。…なんて書いてあるかはわからないけど。

「じゃあ行きましょうか。」

「…お嬢ちゃん,本当に扱い方には気を付けてな。」

「…はぁい。」

鈴の音が鳴り響き,私たちは一旦四聖様のいる教会まで歩いた。

近状報告だ。今まではギルドにある郵便局で手紙を出していたのだが,四聖様から直々に来てほしいという内容の手紙が届いたから寄ってみようと思う。何を言われるかわからないけど,あの女の群れの中に行くほうが嫌だ。

「ノーアバリス所属のエアリスとスカイです。四聖様はどちらにいらっしゃいますか?」

教会前にいた近衛騎士に話しかけた。しかし,前のような陽気な騎士は居なかった。

「エアリスさん,四聖様の側近から手紙は届いておりませんか?」

「側近?いや,そんな手紙は来てないけれど。」

騎士は目を合わせず,動揺していた。四聖様に何かあったのだろうか。四聖様の側近からの手紙なんてよっぽどのことがない限り届いたりしない。

「…お亡くなりになったんです,四聖様。」

その言葉を聞いて驚き,動揺が隠せなかった。四聖様からの手紙が届いたのは先週の事。もしもその側近から届くはずの手紙を私たちが見ていないということなら,四聖様が亡くなったのはここ2,3日の事だ。あの四聖様がお亡くなりになられるわけがないと思っていた。

本当に,何故気づかなかったのだろう。いつものように女どもが教会に一人もいないのに。

「…四聖様はどうしてお亡くなりに?」

「…それは,わかりません。私達はただ,四聖様は天界に呼ばれたとしか聞いておりません。僧侶も,何も教えてはくれないのです。」

周囲の人たちがどんどんいなくなっていく。そりゃ,そうだろう。街の,国のスターが急に消えていなくなってしまうんだから。

「そして神官として選ばれたのが四聖様の弟様,聖禾(せいか)様です。しかし,当の本人は神官という立場が性に合わないようでして。今日もここにはいらっしゃらないのですよ。」

大体こういう場合,権力が欲しいという理由で自分の家族を〇したりすることがあるのが本の世界。しかし当の本人が嫌がっているのがよくわからない。普通,権力を握ることになったら嬉しいと思うんだけど。

「そうですか。わかりました。」

「エアリス?どこに行くんだ?」

「聖禾様のところへ行くのよ。」

私は郷に帰るのを遅らせ,聖禾様にあってみようと思った。もしかしたら隠し事があるのかもしれない。そう思ってしまったから。


to be continued→

最弱騎士(勇者)と最弱エルフの冒険旅

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