「どうすっかな~…」
店の掃除をしながは湊は悩んでいた。
「湊さん。こんにちは」
「シン!?」
「湊さんのお婆さんがコインランドリーで働いているって教えてくれて」
「そーなのよ…毎日フラフラしてんなら店継げっ!て…じーちゃんに言われて…」
「そうだったんですね。…ところで…湊さん何を悩んでいたんですか?」
「聞いてくれるか!シン!俺が店継ぐの承諾したらあの2人俺を置いて明日から旅行に行くって…」
「どのくらい居ないんですか?」
「2週間…」
「結構長いですね…笑」
「だから夜飯どうするか悩んでいたんだよ…」
「俺、作ります!」
「えっ!いいって!」
「どうせ家族の夜ご飯俺が作るから。湊さんの分増えても変わりません」
「そーだったな…お前ん家ご両親忙しいんだったな…」
「お2人が帰って来るまで毎日持って行きます!」
「まじで!?助かるわ……で、俺に何か用でもあった?」
「湊さん見に来ただけなんで」
「なんだよそれ。ちゃんと仕事してるか監視しに来たのか。笑」
「違いますよ!…湊さんの顔…見たくなって…」
「…ふっはっ!お前かわいいな。笑」
シンの頭を撫でる。
「可愛くないです…」
シンは口を膨らませる。
(湊さんの方が俺なんかよりずっと……)
「俺、帰ります。明日から夜ご飯楽しみに待っててくださいね」
「おぅ。楽しみにしてるわ」
「湊さん、こんばんわ。これ…」
「おっ、サンキュー」
「あの…一緒に食べませんか?」
「いいけど、ご家族は?」
「両親はまだ帰ってきてません。妹や弟達はもう食べました。湊さん1人で食べるの寂しいかなって…」
「ありがとうな。いいよ。上がれよ」
「はい!」
「お前、イケメンなくせして料理も上手いのな!」
「なんすかそれ…笑」
シンは持ってきた味噌汁を鍋に移し火にかけた。
「そういや、お前受験生だろ。進路先もう決めた?」
「はい…」
「何になりてーの?」
シンは少し躊躇いながら
「……医者です」
「えっ!すっげーな。で、どこの大学受けんの?」
「東京…」
「東京か…」
「でもやめました…」
「なんで?」
「行く理由がなくなったから…」
「…?」
「湊さんが…」
その時、湊の携帯が鳴った。
「シン悪い…」
電話に出ると湊は怪訝そうな顔をする。
「もしもし…うん…大丈夫……。だから!家には帰らねーって何度も言ってんだろっ!親父にもそう伝えて…」
湊の怒っている顔をシンは初めて見た。
「……」
「ごめんシン…話…途中だったな…」
「お母さん…ですか…?」
「……あぁ…」
「……」
「……」
「何があったか聞いてもいいですか…?」
湊は話すのを悩んだが
「……俺がなんでじーちゃん家に来たか話してなかったな……」
そう切り出した。
シンは黙って頷く。
「実は…」
「……」
「俺………ゲイなんだ…」
「……えっ」
「あの頃その事が親にバレて…家の両親頭固いから…俺が病気なんじゃないかって無理矢理病院連れて行こうとして…喧嘩したんだ。家に居づらくなった俺を見かねてじーちゃんとばーちゃんは何も聞かないでこの家に呼んでくれた…」
「……」
「東京行ったのは…何もかも嫌になって逃げたんだ…」
「……」
「…この間は言えなくてごめんな」
「……」
シンは立ち上がり湊に近づく。
「…おぃっシン?」
そして、湊の腕を掴む。
「湊さん…今の話本当ですか?」
「えっ…と…喧嘩したって事?」
「違います!あんたが…」
「…うん」
「その…ゲイ…って…」
「……あぁ…」
「……」
「悪かったな…隠してて…」
「良かった……」
「えっ…?」
「本当は俺ずっと…あんたの事…」
あの時と同じシンの真剣な眼差しに、湊は全てを悟った。
湊は真顔になる。
「やめとけ」
「えっ……」
「鍋…沸騰してるぞ…」
シンは慌てて火を消す。
「俺じゃだめですか…?」
「お前何言ってんだよ!」
「初めてあんたと会った時からずっと…」
「やめとけってそれ以上言うな……」
「好きです…」
「だから……言うなって…」
「湊さん。今付き合ってる人いるんですか?」
「い…いねーけど…」
「だったら!」
「だめなもんはだめなの!」
「どーしてですか!」
湊に詰め寄る。
「顔…ちけーよ…」
「なんでだめなんですか!」
「なんでって…お前はまだ高校生だろ。こんなおっさんじゃなくて他にいんだろっ 」
「俺は湊さんじゃなきゃだめです!」
「……」
「ずっと好きだった。何度もそう云おうとしたけど、あんたとの関係が崩れるのが怖かった…」
「……」
「だけど…俺でもあんたの恋愛の対象になれるってわかったから…」
「……」
「俺…諦めませんから」
「やめとけ……」
「いやです」
「飯…食ったら帰れよ…」
「明日も来ます」
「明日から来なくていい… 」
その後2人は黙ったまま食事をした。
【あとがき】
この1週間夢中で書いてました。
気づけば今8話を書いています。笑
ゆっくり書きたいって書いたのは忘れてください…笑
週イチ投稿では先に進まな過ぎるので次回作は水曜日に投稿します。
それでは、次回作でまたお会いできますように…
月乃水萌
コメント
10件
最高すぎでした。。。
もう ... 最高 ... ✨️ 高校生だから 。ねぇ ... そんなの関係ありません ! シンは湊さん大好きだもんね ~ ! 早く2人が結ばれますように ...