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×××の決断
夜の森が、爆ぜた。
ドン――ッ!!
フィンクスの拳が地面を砕き、衝撃波が走る。
「チッ……避けたか!」
キルアは×××を抱えて後方へ跳んだ。
「動くな!!」
「……キルア……!」
「今は黙ってろ!」
フェイタンの姿が、一瞬で消える。
――次の瞬間。
ゴンの背後。
「遅い。」
「うわっ!?」
キルアが割り込む。
ガキン!!
爪とヨーヨーがぶつかり合う。
火花が散る。
「……速すぎ……」
ゴンが息を呑む。
マチの糸が、空を切り裂く。
クラピカが鎖で弾く。
「……これ以上、近づくな。」
レオリオも必死に援護する。
「うおおお!!」
混戦。
圧倒的実力差。
それでも、四人は退かなかった。
×××は、その光景を見つめながら――
胸が、裂けそうだった。
(……私のせいで……)
(……みんな……死ぬ……)
フェイタンが、低く笑う。
「……楽しい。」
「でも……そろそろ……終わり。」
オーラが、禍々しく膨れ上がる。
必殺技の構え。
その瞬間。
×××は、走り出していた。
「……やめてえええ!!」
全員が、凍りつく。
「……っ!?バカ!!」
キルアが叫ぶ。
×××は、フェイタンの前に立った。
震えながらも、逃げなかった。
「……もう……やめて……」
「……私……戻る……」
「……だから……この人たちを……」
フェイタンは、目を細める。
「……自分、犠牲?」
「……嫌いじゃない。」
キルアが駆け寄る。
「やめろ!!戻るな!!」
×××は、振り返る。
涙で、ぐしゃぐしゃの顔。
「……キルア……」
「……ありがとう……」
「……でも……私……ここにいちゃ……ダメ……」
「……私……蜘蛛だから……」
キルアは、肩を掴んだ。
「……違う。」
「……お前は……×××だろ。」
その瞬間。
静かな声が、森に響いた。
「……そこまでだ。」
闇の奥から。
一人の男が、歩み出る。
クロロ=ルシルフル。
幻影旅団団長。
場の空気が、凍る。
「……団長……」
マチが呟く。
クロロは、×××を見る。
深い、無表情な瞳。
「……生きていたか。」
「……戻る気は……あるか?」
×××は、唇を噛む。
「……ありません。」
きっぱりと。
初めて。
迷わず、言った。
「……私は……もう……」
「……蜘蛛じゃない。」
ざわ……と、旅団が揺れる。
フィンクスが叫ぶ。
「正気かよ!」
クロロは、静かに問う。
「……理由は?」
×××は、後ろを見る。
キルア。
ゴン。
クラピカ。
レオリオ。
――大切な人たち。
「……ここに……居場所があるから。」
クロロは、少しだけ目を細めた。
「……そうか。」
沈黙。
数秒。
永遠のような時間。
そして――
「……ならば。」
クロロは、ナイフを投げた。
地面に、突き刺さる。
「……証明しろ。」
「蜘蛛を捨てる覚悟を。」
×××は、理解した。
――これは、最後の試練。
胸元に。
まだ残る、蜘蛛の刻印。
仲間の証。
呪い。
キルアが叫ぶ。
「やめろ!!」
「そんな必要ねぇ!!」
×××は、微笑んだ。
「……大丈夫。」
「……私が……選ぶ。」
震える手で、ナイフを拾う。
服を、少しだけずらす。
白い肌に――
黒い蜘蛛。
No.22。
「……さよなら。」
刃を、当てる。
「やめろォォ!!」
ゴンの叫び。
キルアの絶叫。
それでも。
×××は、止まらなかった。
――ザシュッ。
短い音。
熱。
痛み。
血。
それ以上に――
解放感。
蜘蛛の印は、切り裂かれた。
地面に、血が落ちる。
×××は、膝をつく。
「……これで……いい……」
倒れそうになる体を――
キルアが、抱きとめた。
「……バカ……」
「……なんで……そんな……」
声が震えている。
×××は、弱く笑う。
「……私……初めて……」
「……自分で……生き方……決めた……」
クロロは、静かに背を向けた。
「……もう……追わない。」
「……自由に生きろ。」
旅団は、闇に溶けて消えた。
森に、静寂が戻る。
キルアは、×××を強く抱きしめる。
「……二度と……一人で決めるな……」
「……俺たちが……いるだろ……」
×××は、涙を流しながら頷いた。
「……うん……」
蜘蛛は死んだ。
少女は、生まれた。
新しい未来とともに。
to be continued…
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