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硬いコンクリートの上で私は泣いていた。

真夜中。真っ暗な闇が続いていて、周りを見ようとも見れない。

「こんなところで何してるの?」

後ろから声がした。振り替えれば、そこには私がいた。

「なんだかもう辛くて、ずっと一人で泣くことしかできないんです。」

「そっかぁ…。でも、こんな綺麗な星空の夜に泣くなんて勿体無いと私は思うよ?」

かつての私に似た笑顔をして微笑みかける。

「でも…」

「私には君の気持ちとか置かれてる状況とか分かんない。けど、私は君の泣いてる顔じゃなくて笑顔を見たい。だから、ね?」

彼女が手を差し出す。周りが果てしない闇のはずなのに、彼女の後ろには本当に美しい星空が見えた。

「…。」

その手を取ろうと手を伸ばした。でも、手を伸ばしたそこは自室の天井だった。

眠い目を擦る。時計を見ると八時半ばを指していた。


今日も学校には行かない。


頭が痛い。棚の上にある薬瓶を取って、二粒錠剤を口に入れる。

一つメッセージが送られていることに気付かれた。

『紬ー、おはよう。調子どう?大丈夫?』

私の唯一の友達で親友である紗奈からだった。

『別にいつも通り』

そう打ち込んでまた布団に潜る。秀才である紗奈は、地元でも有名な進学校へ入学した。

───それに比べて

私は勉強に追い付けなく、底辺高へ入学した。

中学の頃こそ人脈が広く楽しかった。だが高校までその生活が続くことはなかった。

あの生活に戻りたい。

夢を見る度、微かに脳内で願っている。

布団から出る。カップラーメンと錠剤をのせた机の前に座って、カップラーメンを作り始める。

湯を沸かす間はスマホを眺める。青春ものや勉強垢、今の私には程遠い。羨ましさもない。

それは私が心の中で、諦めているからなのだろうか。

湯を注いで、スマホを眺めて。

出来て食べても味がしない。ただ生きる為、義務として食べているにすぎないと感じていた。

横にある錠剤を手にとる。

内服薬

白城 紬 様

食後 一回二錠 一日三回

そう書かれた処方箋の中から薬を二錠取り出し、水と共に飲み込む。

ふとため息が出る。高校にはもう何日行っていないのだろう。

自分が正しいと思い込んで行動したことは間違いだった。

私たちは色褪せていく

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