「なんと!私が作った小説なの!!」
…………は?
「え、えっと、こんなの渡して、何してほしいの?……ですか。」
「あははっ!タメ口でいいっていいって!
あ、それと、何してほしいかって言うと…
読んで感想を聞かせてほしいんだ。」
「私、夢が小説家になる事だからさ。」
「ふーん」
僕は彼女から貰った大量の紙に目を通した。
「なに……これ……」
僕は絶句した
その内容はお世辞にも良いものとは言えず
未回収の伏線 急な口調変換 など…
「…これ、書き直した方がいいのでは…?」
「ええっ!?それどういう……うわ、何これ…」
彼女自身も改めて内容を読んで自分で自分に絶句した。
「これは……書き直さなきゃ……」
そう言って彼女はペンを取り出し
色んな部分に書き出しをしていっていた。
そのとき、僕は彼女の横顔を見ながら聞いた。
「あの…」
彼女はこちらを見るだけで、すぐに視線を紙に向け、ペンを動かした。
それを気にせず、僕は彼女に聞いた。
「どうして、どうして諦めないんですか?」
「え____?」