[妖怪退治はラクじゃない!]
【アイツは一体何者】
ヒルは手に指輪をつける。
「右手の人差し指につける意味は知っているか?」
「は?そんなの知るか。」
ヒルはニヤニヤ笑い出す。
「ライムさん、右手の人差指につける意味とは『集中力、持続力を高めたい』や『人の前に立ち、物事を良い方向に導き達成させたい』などですよ」
「なんだ。お前は知っていたのか。そうだ、その通り。そしてこの指輪は…」
「待てっ!!俺の指輪を返せ!」
振り向くと後ろにはドイが。
なぜコイツが?あんなに行くのを止めたくせに。
「お前は指輪の威力を知らないんだ!それは…」
その時後ろからすごいスピードで風が吹いた。振り向く間もなくライムは吹き飛ばされた。
「この指輪は自然をすごい力で操ることができる。すごいだろう!」
ヒルに勝つには指輪を奪い取らなければ間違いなく勝てないだろう。奴から腕時計を奪ったのは良いが腕時計は吹き飛んだ挙げ句割れて壊れてしまった。箒はここからの位置だとかなり遠い。
「勝ち目はないだろう?諦めて頭を下げることだな。」
「くっ…」
我は立ち上がり箒に向けて走るが、風で吹き飛ばされてしまう。何よりも風の威力強すぎる。ドイはどうしてあんな物を持っていたんだ。
「ライム!今こそ俺が貸した力を使う場面ではないか!」
借りた力。そうだこれなら…
「そうか、わざわざ向かう必要ないのか。」
箒を自分の元に寄せた。
「箒ではなく借りたと言う力だけを使って俺と戦え!」
そういったヒルは我の箒を燃やす…
「!!箒が…!」
我が大切にしてた箒が燃やされた。火はずっと燃えていて箒がどうなっているかは分からないが恐らく燃えて消えてしまうだろう。
「お前の望み通り、借りた力で戦かってやる」
「はは。それは楽しみだなぁ。」
借りた力は物に込められているものではない。操りたい物に手を向けて強く力を感じる。そしてどこにやるかを手で操る。強く思えば思うほど威力は倍になる。完全に力をマスターしている者は手でやんなくても動かす事ができるとか。
ヒルに手を向けると我の周りに竜巻が数個できた。それが重なっていき、やがて大きな竜巻と変わった。
その竜巻に手を向け、ヒルの方向に向かわせる。竜巻は周りの物を巻き込み、やがてヒルの目の前まで来た。
竜巻に巻き込まれたぐらいじゃあ奴は倒せない。
竜巻はヒルに触れるちょっとで消滅した。
その空きを見逆らって我はヒルに手を向ける。ヒルは勢いよく後ろに吹き飛ばされて頭をぶつけ少量の血が出ている。
「…いいね。それ。人まで操ることができるんだ。」
そのまま壁に固定させるとそっとヒルに近寄る。指輪を取ろうとしたその時。
「うわっ!?」
「ライムさん!!」
我の体は炎に包まれた。
「その炎は人を溶かすんじゃない。力を溶かすんだ」
そう言うとヒルの固定は溶けてしまった。
「残念だったね。君の負けさ。」
あとちょっとだったのに。ここで負けてしまうと無駄ではないか。
カチャ
突然銃口を向けると音が聞こえ、数秒後には
バン!!
撃たれた?いや我じゃない。撃たれたのはヒルだ。
ヒルはその場に倒れて意識がない。
「大丈夫だ。この武器は意識を飛ばすだけだ。この間に指輪を返してもらう。」
いつの間にかドイがショットガンをもって後ろにいた。
「ドイが売ったのか?」
「あぁ。これは俺が作った武器さ。」
「ドイ…」
お前は一体何者なんだ。
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