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[妖怪退治はラクじゃない!]
【ドイの過去】
「ドイ…」
お前は一体何者なんだ…
20年前…
昔は俺を育ててくれていたじいさんがいた。
「妖怪か。こんなとこにいると風邪をひくぞ」
「じいさん。お前は俺が怖くないのか?」
昔から俺の姿は妖怪その者で、みんなに避けられた。
「怖い?そんなことは無い。この歳になると怖い物は自然と消えるさ。」
「でも、俺は妖怪で、悪事を働くかもしれない上、危険だ。」
「わしは、人を沢山見てきた。誰が嘘をついてるかついてないか。どちらが悪いか悪くないか。なんでも見極めることが出来る」
「その中での俺はどうなんだ?」
「聞きたいなら着いてきなさい。答えは後で教えてやる。」
元々じいさんは俺を育てる気だったのか、モノを試したかったのかどっちかは知らないが…恐らく匿うためだったのだろうな。
その時は妖怪は人間に隠れずに暮らしていた。俺もその1人…。
周りの妖怪は姿が綺麗だったり…凄いことができたりなどみんな魅力があった。
それに比べて俺は遠くから物をちょっとだけ動かす力。魅力なんてない。
その上見た目が化け物のような妖怪だったからみんなから嫌われた。
それなのに…じいさんは俺を大切に匿ってくれた。
「妖怪は俺らの敵だ!」
「何故だ!人間と同じように生きているだけだろ!」
「力ですって!なんて恐ろしい…」
「あなた達だって散々利用したでしょう!」
ある日人間と妖怪は争いあった。
その日から人間は妖怪を嫌い、妖怪を街から追い出した。
「二度と姿を見せるな!」
それに激怒した妖怪は人間に自分の力を使って攻撃をした。
しばらくすれば争いは収まった。
たまにイタズラする馬鹿な妖怪もいるけどほとんどの妖怪はのほほんと暮らしている。人間に化けているやつも入れば神として称えられている者もいる。
俺はずっとじいさんに匿って貰っていた。
争いの事もどうでもいいと言っていたな。
「何が起きようとドイ。お前はわしが守るからな。」
「別に…守ってなんて頼んでねぇよ。」
そんな事を言っていたが俺はその言葉が1番安心した。
じいさんは発明家で趣味で道具を作っているとの事。その発明をじいさんは俺で試したり、俺にくれたりした。
その発明は俺を救ってくれた。
おかげで俺の力は増えたし、強くもなった。そしたら見た目もかっこいいと言ってくれる妖怪も増え、俺は人気者になれた。
じいさんが死んだ。
病気で、治らなかった…
俺が努力したら魔法で直せたかもしれない。俺はじいさんを助けられなかった。たった1回も…
じいさんに何回助けられた?じいさんは俺の事をどれだけ愛してくれた?
答えれなかった。
死ぬ間際にじいさんは言った。
「わしの中でのお前…ドイは…誰よりも努力家で…そして…仲間も思いで……わしの大切な……。」
「じいさん!!!」
「じいさんの大切ななんだよ!そこまで言えよ!答えるのがいつも遅いんだよ…。」
その言葉にじいさんは何も答えない。いや…答えられなかった。もうじいさんの声も聞けない。
その後じいさんの部屋を調べたらたくさんの発明があった。
「この銃…なかなかかっけぇな…」
「綺麗な指輪だな。」
じいさん…俺は発明を継ぐ。じいさんを超えるような発明を作るし、じいさんの発明を誰よりも使いこなしてやる!
だからそこで見とけ!いつもの様にシワが目立つ笑いを見せながら見守ってくれ!
「…だ。」
「ん?なんて言ったのか聞こえなかっ…」
「発明家だ!」