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「セツナ……」


 レトの正体を知ってどう思っているんだろう。


 こうなると敵か味方かも分からない。



「最初からこいつらを助けたのが間違いだったんだよ!

 警戒しろってあれほど言ったのに」



「オレは、クレナイノレーヴェン第一王子セツナだ。

 四日後には王様になるんだぜ?

 ライは、それを知っていて言ってるってことだよな」


「分かってる……」



 目を丸くしてぽかんと口を開け、体が固まってしまう。



 まさか、セツナがクレヴェンの王子様だったなんて……――



「そんなに驚くことか?」



「うっ……、うん。

 どうして教えてくれなかったの……?」



「かけらには踊ってる時に言っていただろ。

 オレは王子だって」


「あれは……。例え話じゃなかったんだ……」



「グリーンホライズンから、うちの国に来たって時点で訳ありだっていうのは分かっていた。

 男の方が、王に似てるっていうのもな」


「僕の父を見たことがあったんだね」



「もちろんある。

 オレは利益をいただくためにかけらたちを助けた。

 そのチャンスを待っていたって言うのに……。

 ライは、動くのが早すぎるんだよ」



「そういう計画があったなら先に言って欲しかったね」


 私とレトに向かって再び刃を突きつけようとするライさん。


 ノウサ様も毛づくろいをしていて邪魔をする様子はない。


 もう、セツナとライさんは私たちの敵ってこと……?



 レトを守りたいのに、手が震えて力が入らない。


 こんな状況にあったことがないから、頭も回らないい。


 ぎゅっと目を閉じて絶望を感じていると、後ろからゆっくりと進む足音が聞こえてきて、レトが私を庇おうと前に出る。




「その刃はこっちに向けてよ。

 僕はグリーンホライズンの王子、レト。


 かけらはうちの国の人間ではないから関係ないんだ。

 だからせめて、彼女だけは傷つけないで欲しい。

 ……セツナ王子、勝手に国に入ってしまい申し訳なかった」



「分かればいい、で解決する問題じゃねぇぞ。

 下手すれば、クレヴェンとグリーンホライズンですぐに戦争が始まるんだからな。


 レト王子、おまえは何の用事があってクレヴェンにやって来たんだ?」



「武器は置いてきたから戦う意志はない。

 今の僕はかけらの仲間であって、世界の平和を築くために旅をしているだけさ」



「平和だって?

 戦いは終わらねぇよ。

 争っている限り、人々の憎しみの連鎖は止まらないんだから、これから先だって何も変わらない」



「そうかもしれない。

 でも、僕はかけらに教えてもらったんだ。


 同じ場所に居続けても変わらないこと……。


 王子である僕たちから、何かを変えていけば、未来に平和がやってくるかもしれない。だから僕は、旅を始めた」



「王に就くタイミングで国を変えるってことか。

 ……それにしても順番ってものがあるだろ」



「おっしゃるとおり。

 僕の考えは甘かった……」



「レトは悪くない。

 王子たちが話し合いをすればいいんじゃないかって言い出したのは私だから。

 戦争を止める手段を探そうと思って、旅を始めたのも私で――」




「庇い合うのは、その辺で終わっとけ。

 ……腹が減ったら戦はできないだろ。

 ライ、四人で飯にするから準備を手伝ってくれ」


「こんな時にご飯だって……!?

 セツナどうしちゃったんだよ」



「王子の命令だ。

 臣下なんだから素直に聞いてくれねぇと困るな」


「意味が分からない。

 不本意だけど……、分かった」


「かけらとレト王子は小屋から一歩も出るなよ。

 外に出たら宣戦布告する」



 この気まずい空気で、一緒に御飯を食べるってことだろうか。


 セツナが何を考えているのか、私にも分からない。




 二人が食事の準備に出掛けて静けさが漂った後、やっと肩の力が抜けた。


 ノウサ様は手足を伸ばしてくつろいでいる。


 恐らく、私たちの見張りをしているのだろう。



「今は従うしかないね。

 ところで、かけらは何をしていたの?

 あと、セツナ王子と踊っていたんだって……?」


「えーっと、それは……」



 今日の朝から一緒に仕事をしてきて、服をプレゼントされた事など大まかにレトに説明する。


 すると、ふーんっとイマイチな反応をして、つまらなそうな顔をしていた。


 恐らく、まだ熱があるのだろう。



 小屋の中でしばらく待っていると、セツナとライさんが風呂敷のような物に包んで食事を運んできた。


 焼かれた串刺しの肉、パイナップルとバナナと同じ見た目の果物。


 香ばしい肉の香りと果物の甘い匂い。どれも美味しそうで安心した。


 しかし、レトは目の前に並べられた食事を見て驚いている。



「にっ、肉!?」





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