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こんにちは、ねこもみじです!
本日は7/12、ないふの日ということでお久しぶりの青桃さんですෆ
注意
・青桃
・エセ関西弁
・御本人様とは関係ありません
ーーーーー
もしも、吸い込まれそうな桃色の瞳が自分にだけ向いてくれたら、
もしも、愛しい君を腕の中にそっと閉じ込めることが出来たのなら。
そんならしくもない独占欲はどこに消してしまえばいいのだろうか。
「……まろ、」
「おーい、まろ聞いてる?」
「あ、ごめん……なんの話しとったっけ」
「ちゃんと聞いてって、今週の会議の打ち合わせだよ」
今忙しい時なんだからしっかりしてよ、なんて言葉だけにしてみれば注意されているように聞こえるが当の本人からは怒りの感情なんてものは見えず、むしろ珍しいものを見たというように笑っている。
夏ツアーも始まり、いよいよ俺らの夏が来たといったところだ。メンバーそれぞれがきっと楽しみにしてるだろう。でも俺らはライブをやってるだけじゃない、その中でも打ち合わせや企画会議があってハードな数ヶ月間を過ごすことになる。
それでも楽しいと思えるのは大好きなリスナーと最高の仲間と盛り上がれるからだと思う。
「今度の会議はまろも出席してもらいたいんだけど予定大丈夫そう?」
「ん、ええよ」
「よかったぁ、今回の俺一人じゃ訳わかんなくなりそうだから助かったよ」
「お礼って訳じゃないけど、ライブ終わったら飲みにいかん?」
「めっちゃあり、俺も行きたいって思っとった」
俺もないこも酒に強くはないが飲むのはやはり楽しい。飲みの話を持ちかけてきたら、ましてやないこからの誘いとなれば断る理由が見つからなかった。
「まじ?じゃあ決定ね、今日はもう遅いしそろそろ帰りなよ」
「ないこは帰らんの?」
「あー、まだやる事少し残ってるからそれが終わってから帰ろっかなって」
今日中に終わらせたいからさ、と笑いながら言うがそこには疲れが含まれているのが目に見えて分かる。お前のそんな姿を見て帰れるわけないだろ。
「じゃあ俺もやる」
「え、いいって」
「相棒が疲れとんのに手伝ったらあかんの?」
やってええやろ?とないこの瞳をじっと見てそう言うと観念したのか溜息をひとつ漏らした。
溜息を肯定だと捉えてないこの隣に座って作業を始めた。
「んー、終わったぁ。まろはどう?」
そう言って大きく伸びをするないこを横目に俺もEnterキーを押してタスクを終わらせた。時計を見ると2時間程経ったようだ。辺りは薄暗くなりオレンジに淡く紫がかった夕焼け空の光が窓に射し込んでいた。
「俺も今終わったよ」
「ほんとに助かった…俺まろがいないとだめみたい」
ふふっ、と笑いながら冗談めいた言葉を紡ぐ。その言葉が本当であればいいのに、と思うなんてきっと分かるはずもないんだろうな。
「まぁ相棒ですからね、困った時はお互い様やろ」
相棒だから傍にいることが出来る、支えられる。『相棒』という変え難い言葉を利用し続けている俺はずるいだろうか。
「まろ優しーい、…あ、そうだ。今日俺ん家来ない?」
「え?今日?」
まさかないこから誘ってくれるとは思っていなかったからすげー嬉しい。脳裏にスケジュールを浮かべる。明日の会議は朝からではない。ないこと居られる時間が増えるなんて俺にとっては好都合でしかなかった。
「ええよ、そのまま行っても大丈夫?」
「うん、今日は久々にまろと宅飲みしたいなって思って」
家綺麗にしてるから大丈夫だよ、そんな言葉でどれだけ嬉しくなるのか知らないだろう。普段会社絡みの飲みが多く、誰かを誘ったりする時間もないないこがわざわざ誘ってくれたその事実で自然と笑みが溢れ落ちる。
「…何笑ってんの」
「何でもあらへんよ、早くないこんち行こ」
ないこも早く準備してー、とあのぽえボイスで言うと「はいはい」と子供をあしらう親のようにそう言いながらないこは笑った。
「…ないこ、大丈夫そう?」
「んー…?……ぅーん」
「大丈夫じゃねぇな、ほら水飲んで」
ないこの家に着いてからウーバーで頼んだであろう夕飯を食べていた。宅飲みを誘われたから勿論酒を飲んだ。
ところがないこが途中から完全に酔いが回って今の状態だ。ないこは酔うと普段のリーダーシップ溢れる真面目さが一転して俺からすると歳下らしい幼さが増すようになると思っている。
「…やぁだ」
「『やだ』じゃないわ、飲まんと明日きつくなるで」
「…いーもん別に、まろがどうにかしてくれるもん」
「どうにかって…」
何でも自分で解決してしようとしてしまうないこが俺を頼ってくれているのは嬉しいが、流石に飲みすぎて心配になる。
……この弱った状態を見れるのが俺だけだったらええのに。優しく甘やかしていつの間にか堕ちてくれたらいいのに。
……なんてな。こんな邪魔な思考なんて早く消えてしまえ。
「そんな無防備になってしゃっちょ危ないで」
「…いいよ、まろになら」
酔いが少しずつ冷めてきたのか、薄く開かれていたその瞳がだんだんと開きじっと見つめられる。でも、その表情は凛とした瞳とは裏腹に笑みが溢れていた。
「…は、どういう意味?」
「んー、酔ってきちゃったから俺分かんなーい」
ふふっ、と笑うその姿はいつもとどこか違う雰囲気で、ごくりと唾を飲み込む。机を挟み対面で話していたが、フラフラと揺れながら隣にやってきた。…かと思えば太ももの上に乗っかってくる。 「ねむたーい」なんて甘い声で零しながら。
「ないこ何して…!?!?」
「ねぇ。まろはさ、理想ってなんだと思う?」
「『理想』…?」
「こうなったらいいよな、みたいな望みとかそういうもん?」
「たしかに、そうかもしれないね」
「ないこはどう思うん?」
そういうとないこは綺麗なその瞳に俺をじっと写してから、口を開いた。
「俺は理想って現実にある小さな何かをかき集めたら形になると思うんだよ」
「武道館でライブしたいなって思って、俺たちができること今までずっと泥臭くやってきたから叶えられたじゃん」
勿論人とか運に恵まれたのもあるんだけどね、と良い微笑を浮かべる。でも何で今こんな話を出してきたんだ?
「…まろの理想は何?」
俺の理想は…ないこに振り向いてほしい。腕の中で閉じ込めたい、なんてそんなものじゃない、ただ真っ直ぐ俺を見て欲しかった。
「……理想はほんの少し見方を変えたらちゃんと傍にあるよ」
「そういうもんなんかな」
「きっとそういうもん。だからちゃんと…」
一拍間が空く。でもその一瞬の無の時間が何処か心地よくて。
「俺の傍にいろよ、ばーか」
「…それって」
「あー!!俺なんか眠くなってきたかも!!すぐ寝れるわ!!」
わざとらしく大声を出すないこ。それが照れ隠しだというのは十分分かっている。なんだ、今までの渦を巻いたようなあの独占欲が馬鹿みたいじゃないか。
最後まで言わないのがなんともないこらしい。結局俺が言うことになるんだろうな、なんて少しだけ先の未来を想像してみる。
ないこは「これからもずっと傍に居てくれ」なんて言ったら、なんて返してくれるだろうか。いつものように優しく笑いながら「遅いわ」なんて言ってくるんかな。
「……ないこ、…って。え、寝た?」
よほど疲れていたのかつい先程まで声を荒らげていたないこは気づけば眠りについていた。
まぁ、ええか。焦らずともこいつはちゃんと待ってくれてるんだから。
理想なんかなくたって俺の幸せはここにあるんだった。どうして今まで気付けなかったんだろう。
勝手に作った理想なんて最初から必要なかったのか。
さよなら、理想郷。
この幸せが続くことを心より願って。
小さく寝息を立てる愛らしいその桃髪を撫でてそっと目を閉じると、深くて優しい微睡みに沈んでいった。
コメント
9件
初 💬 失礼します 🙌 主様の小説や 、固定 💬 見ると 世界観を とても大切にしていて 好きです 😭 🫶 主様 の 書く 青桃 最高すぎます っ ‼️ ➰ 💕
わわ、お久しぶり小説、おかえり(?) なーんでそんなに長くかけるのか不思議でしょうがないです。 私は書くこともう諦めてますよ(( そんな私に怒ってください(
やっぱりもみじちゃんが書くほのぼので甘々な青桃さん好きだなぁ🫶💕 理想かぁ…考えたことも無かったな…まじでその発想力はどこで得たんだいっ()