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六葉は涙を流しながら、隷の痛みを全て受け入れた。
彼女は隷の冷たい手の甲に、そっと自分の頬を寄せた。
「…隷様は、妹さんの冷たさを、ずっと自分のせいにしていたんですね。だから、その冷たさを、自分自身で背負い続けていた」
「でも、違います。その魔力は、隷様の優しさの証です。妹さんは、きっと、隷様に笑っていてほしかった。冷酷でいる必要なんて、どこにもないんです」
隷は六葉の頬の温かさを感じた。
それは、何年もかけて凍結させたはずの、彼の心を突き破る光だった。
彼は、六葉を突き放す代わりに、彼女の顔を両手で包み込んだ。
そして、幼い子供のように、六葉の頬にそっと顔を擦り寄せた。
「…っ、ロクハ…」
隷は初めて六葉の名前を、ツンデレではない、本心からの甘い響きで呼んだ。
彼の冷酷な過去は、六葉の温かさによって解放された。
この日から、隷の**「*冷酷な拒絶*」は、「*六葉への独占的な本心*」**へと完全に姿を変え、彼の世界は、もう二度と「*絶対零度*」に戻ることはなくなったのだった。