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こちらの作品はirxsのnmmn作品となっております
上記単語に見覚えのない方、意味を知らない方は
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ご本人様とは全く関係ありません
「…あぁ〜、暇」
「暇なんて言わないでくださいよ、
あなたは、一応この国の皇太子なんですから」
「やって…、暇なもんは暇なんやもん…
とゆーか、あなたとか皇太子とかやめてや、
ほとけ。あ、あと、敬語も」
「…ねぇ、いふくんって呼んでるとこバレたら
僕が怒られるんですけど?何度言えばいいの?」
「やって、堅苦しいの嫌いやもーん」
「はぁ…、なんでこんなんのが皇太子なのさ…」
俺はこの国の皇太子。後に皇帝になる、と思う。
そして、さっきからぶつぶつ言いながら
俺の部屋を掃除しているのは専属執事のほとけ。
なんだかんだ言いながら優秀なやつだけど、あほ。
でも、他の執事みたいに変に気を使ってこないから
気に入ってはいる。
「そーいえば、いふくん。皇帝がはやく
お相手を見つけろ、だって」
…またか…、しゃーないんやけどなぁ…。
俺の年はもうすぐこの国で成人の年齢になる。
だから、はやく婚約者を見つけて、
国家安泰に務めなければならないのだが…
「今までの候補者、全員顔しか見ておらへんのやっ
たから、しょーがないやろ…」
皇帝…、親父が候補者として紹介してきた令嬢達は
みんな俺の顔しか見てなかった。
そのため、全員お断りしたのだ。
全員を断ったということは、自分で相手を
見つけなければいけない。
それがいかに大変でめんどくさいから適当に相手を
決めとけばよかったということに気づいた時には
もう遅く、だが、どうせ他の令嬢を探したところで
その令嬢も顔しか見てないと思ってしまい、
釣書を見るのも嫌になっているところ。
「皇太子も大変だねぇ…、ま、僕には
りうちゃんがいるけどね」
なんとも言えない顔していた俺を見かねたのか、
ほとけが笑って言った。…あの自己アピールしか
していないごてごてに盛られた写真と内容を見て
から言ってほしい。あのなぁ、と俺が言い返す前に
別の声が横から聞こえた。
「なに、いむ、呼んだ?」
「りうちゃん!!」
急に現れたほとけの横にいる赤髪は、ほとけと同じ
執事のりうら。こいつも俺専属で周りと比べれば
優秀な方。何でもある程度できるのが腹立つけど。
まぁ、ほとけより落ち着きもある。
…こいつの方が年下なんやけどな、一応。
そして、りうらは主に事務周りのことをしている。
たぶん、今こちらに来たのもその用件なんだろう。
…にしてもなぁ、にしても、目の前でいちゃつくな
主人目の前におるんやけど。
ん゛んと少し大袈裟に咳払いをすると2人はハッ
としたように離れた。
「皇太子、こちらが今月街で新しく開業された
お店の一覧となっております」
りうらは手に持っていた書類をバサッと机の上に
広げた。この国では、城の近くにできる新しい店は
皇族が確認することになっている。そうするこで、
怪しい店ができた場合その場で無くすことや
目をつけておくこともできるし、治安も良くなる。
おまけに皇族と街の人々との交流機会もできる。
一石二鳥どころではないのだ。ここ数年は、親父が
街の様子や人々との交流を大事にしろとのことで、
俺が担当になっている。俺が書類に目を通すと、
ほとけも一緒に覗き込んできた。
洋食屋に、服、雑貨屋に、カフェ、他にも色々。
今月の店もジャンルが様々だ。
「皇太子、いつ行かれますか?」
覗き込んでいたはずのほとけが弾かれたように
正面に回って聞いてきた。
にこりと笑って言うほとけの顔には、
暇って言ってたんだから、今行くよね??と
書かれている。くっそ、こいつ俺に今行かせる気
満々やん…、しかも、敬語とかも戻ってるし…。
りうらとかだったら、別に敬語じゃなくても
ええやろ…。にしても、なんでこいつ急に
言いだしたんや?先程までほとけが見ていたで
あろう書類をちらりと見るとその理由がわかった。
あー…、なるほど。こいつ、このスイーツ屋で何か
買わせたいわけやね…。
「はぁ…、暇やったし、今から行くわ」
「かしこまりました。それではこちらも
準備いたしますね」
「では、りうらもこれで」
かしこまりましたのあとに小さくやった、
と聞こえたのは気づかないふりをしておこう。
…美味しそうなのがあったら買ってきてね、
とか聞こえた別の声も無視だ、無視。
「ここが最後か」
タンッと馬車から降りる。
ここは、ほとけが来たがっていたスイーツ屋。
馬車内で問い詰めるとやはり予想は合っていた。
買うならじっくり見たいだろうと思い、
この店を一番最後に順番を回した。
ほとけは、俺よりあとに馬車から降りたが
先に店に入っている。
「いふくんいふくん!見て!!ケーキすっごく
キラキラしてる!!!」
中に入るとテンション高めなほとけにそう言われた。
確かに、ここに並べられてあるケーキは、全て輝い
て見える。このケーキの輝き、どこかで見た気が…
「お、まろ!久しぶりやな!」
「あ、あにき!?」
ショーケースの奥から出てきたのはあにきこと
悠佑だった。あにきは1年前まで城で料理人として
働いていた。辞める際に、店を始まることが夢で、
できたら食べに来てな!と言っていたが、こんなに
早く見つかり、しかもスイーツ屋だったとは…。
「お店始めたいって言ってたけど、
てっきりあにきのことだったから洋食屋かと
思っちゃった」
ほとけが俺の心を読んだかのように言った。
あにきはスイーツも美味かったが、
メインで作っていたのは前菜や副菜、主菜などの
いわゆるお食事といわれるもの。だから、
店を始めると言った時、てっきり洋食屋だと
思い込んでいたのだ。
「洋食屋も迷ったんやけどな。立地とか内装を
考えてる時に初兎と出会って、一緒に店を
始める話になったんよ。で、初兎の夢が
スイーツ屋を始めることやったからな」
要するにあにきは店を始めること、しょう?という
人はスイーツ屋を始めることが夢でお互いに夢の
手伝いをしている、らしい。
「それにしてもAtelier・Lapin・Celestialなんて
粋な名前つけたな」
先程から頭の中に浮かんでいた疑問をぶつける。
すると、あにきはどこか寂しそうな顔をした。
「…あぁ、それな、初兎が考えたんよ」
しょうという人はどうやら頭が回るらしい。
そう思った時に、ついさっきあにきがでてきた扉の
横にある扉からガタガタと何か物が倒れた音がした。
驚いていると、ガチャリと扉が開き人が出てきた。
「あれ、悠くん。お客さん?」
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