「早く行かなきゃ」
約束の時間の5分前。
10分かかるあの場所に行くには、もう間に合わない。
いつもいつも遅れてごめん、
今日はこう言わなければいけない気がして。
12月25日。
私は取り憑かれたように足を運ぶ。あの場所へ。
夏のようにぎらぎらとした心で汗を拭う。
街にはまだ未熟なカップルが輝いていた。
「あなたは何がしたいの?友達は?」
母にこう聞かれると私は自分に聞く。
どうして、近寄らないの?
クラスの人気者に話しかけるチャンスがあったのに、
反射的に逃げ回り、またいつもの場所へ。
私はおかしいのだろうか。
母が病院に電話する。
きっと皮膚科の予約だろう。
私は生まれつき肌が弱い。
そのせいかよく汚いと嫌味を吐かれる。
この頃は、あの子が付き合ってるとか、お似合いだとか。
私には縁のない話ばかり。
KーPOPアイドルが好きな女子にはついていけないし、笑顔が多い女子には愛想を振りまいてるキモイやつにしか見えない。
私が呼吸を出来るのはきっとここしかないのだろう。
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