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🍅×🐱
成立済み
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🐱side
しゅうとはあまり何も言わない。
「ありがとう」とも
「助かった」とも。
でも拒まない。
それが俺にはちょうどよかった。
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最初はただの気遣いだった。
飲み物を用意する。
疲れてそうなら肩を揉む。
話を聞く。
sht「無理しなくていいよ」
そう言われてもやめなかった。
だってしゅうとはそれを当たり前みたいに受け取る。
——それが嬉しかった。
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いつの間にか役割ができていた。
しゅうとが黙ってるとき俺が察する。
しゅうとが疲れてるとき俺が先に動く。
誰も頼んでない。
でも俺がやらないと空気が止まる気がした。
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「ゆうま、優しいよね」
そう言われることが増えた。
でもしゅうと本人は言わない。
それでもいい。
ym(俺がやりたくてやってるだけ)
そう思い込む方が楽だった。
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ある日、体調を崩した。
珍しく何もできなかった日。
横になりながらスマホを見る。
しゅうとから連絡はない。
ym(忙しいよね)
自分に言い聞かせる。
でも胸の奥がじわっと冷えた。
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次に会ったとき。
ym「大丈夫だった?」
そう聞くとしゅうとは少し考えてから言った。
sht「うん」
「まあ」
それだけ。
心配されなかったことより必要とされなかった感覚が きつかった。
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だからまた頑張った。
笑って、
気を配って、
先回りして。
しゅうとは変わらず受け取る。
感謝もしない。
でもいなくならない。
ym(……これでいい)
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ある夜ふと聞いてみた。
ym「俺さ」
「一緒にいて、楽?」
しゅうとは少しだけ目を細めた。
ym「楽だよ」
「気を使わなくていいから」
その言葉が胸に深く刺さった。
——気を使わなくていい。
つまり俺が全部使ってる。
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その日からやめられなくなった。
世話を焼くのも気を読むのも。
それをしない自分に価値がない気がして。
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しゅうとが言った。
sht「ゆうまってさ」
「俺が何もしなくても離れないよね」
冗談みたいな声。
でも否定できなかった。
笑うしかなかった。
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分かってる。
この関係は対等じゃない。
俺が与えて しゅうとが受け取るだけ。
それでも。
“役に立っているうちはここにいられる”。
その条件が俺を繋ぎ止めている。
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今日もしゅうとの隣に座る。
何も言われなくても動く。
だって何もしない俺をこの人は見ないから。