依頼内容をどう片付けるか、それらを上から言われた通り「独断」で判断し、そのまま依頼人の元へと向かうこととなった俺ら2人。
依頼人が寝ていると言う病室へと駆け込んだは良いものの、そこに俺たちが知っている人物はいなかった。
ナースたちに聞いても医者たちに聞いても「それ」は居なかった。
その一点張りだった。
「…な、何がどうなってんねん……」
「……」
病室から抜け出した後、俺は木が揺らぎ奏でる音楽を背に、ゆっくりと歩いていた。
辺りには人気もなく、ただ、自身が草を踏み潰す音だけが聞こえる。
「〜🎵」
妖怪はいるだろう。
俺は「それ」を知っているから、今回「依頼」を頼んだんだ。
「あ〜あ…片付けられなかった、か…」
目の前に佇む不気味な館。
「さて…、皆さんはご存知でしょうか…。数年前、この館であった」
とある「大事件」を______
とある数名の男子生徒が行方不明になった事件。
それの終盤は、その中にいた1人の男子生徒による「殺人」で収まったそうだ。
彼は「自分が殺した」「自分を殺してくれ」との一点張りで、取り調べをした警察官もこれには少し不気味さを感じた。
それから数日経った、ある日の出来事。
取り調べを行っていた警官が取調室から凄い勢いで出て行ったそうだ。
それを見た警備に勤めていた警官たちは疑問を抱き中を覗いて見ると、彼は下を向きながらブツブツと何かを唱えていたらしい。
殺人の容疑がかけられた彼は数十年の時を経て、ようやく刑務所から解放される。
「と、この様な内容になっていますが…」
彼は大袈裟に両手を広げ、空へと語りかける。
「彼が何故、死刑宣告を受けなかったのか、彼が何故、大人しく自ら刑務所に入ったのか…」
赤い、血の滲んだ様な瞳が月光に照らされる。
「知りたいと思いませんか?」
月光に照らされた森の中、それは、青く照らされた森の中。
その中に目立った緑色の濃い髪の毛が、白いキャップの中で揺れる。
「…では、彼の「見たもの」をモノガタリとしてお伝えしましょう…」
人差し指を唇にそっと当て、口角を上げる彼。
メガネの奥にはどす黒く染まり始めている紅い瞳が嗤っていた。
「彼が「この」館で「何」を見たのか…はたまた、彼は「何」をしたのか…見ものですね?w」
森の中に高笑いが響く。
烏、小鳥、四足歩行の動物さへも居ないこの森は、とても、とても…
不気味だった。
コメント
3件
ノベルはあんまり観ないけど これはさすがにお気に入りに してしまいますよw 面白かったです!
赤い瞳でレウさんかと思ったが何か喋り方違うなーとか考えてたら緑色の髪でぐちつぼって分かったわ。何しとんねんお前w(前もこんなコメントしたような気がする)