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祭りのあの日、願った。
【苦しまずに死ねますように】
流星祭の日、村はお祭りムードだった。
【流星祭】年に一度行われる祭り、豊作を祈る。
その日の夜には空を覆うような流れ星が見られる。
そして、願いを唱えると、その願いは必ず叶うとされている。
村全体には屋台が立ち並ぶ、それは全て自治体の行っている屋台。
様々なものが売られていた。
さして興味は持たなかった。
そして、いつもの崖近くへと向かい1人座る。
そこは、私がいつも死のうとする場所、しかし、死ぬ勇気も無い私は飛び降りることも出来ずただその場に立ちすくむだけだった毎日。
今日こそはと思い足を運ぶが、いつもと変わらず足はすくむばかり。
そうこうしてるうちに、後ろから声をかけられる。
稔(みのり)、死ぬの?
死んでもいいことないよ。
その発言をしたのは、近所に住む佳瑞(かず)だった。
佳瑞は昔から正義感に溢れ、優しく周りから人気者だった。
・・・・・黙って、あんたみたいなの大っ嫌い。
どいつもこいつも死を求めるのが悪のように扱って、本人の気持ちも何も考えずに、生きることを強制して、結局のところ人の命を救った自分に酔いしれる。
そんな、偽善者共が大っ嫌い!!
私をあんた達の偽善者共の悦に浸るための道具じゃない。
確かに、世の中自殺をするのは駄目とか言われてるけど、僕は…
うるさい、私だって生きていたい、だけど死んだ方が楽になれるのよ。
楽にさせてよ…
稔は、そう言葉を遮り泣き始める、泣きながらも言葉を続け始める。
あんた達の勝手な意見で、そんなに苦しめて楽しいの。
あんた達の勝手な意見を私に押し付けてこないで…
佳瑞は、稔の言葉を真摯に受け止め、そして言葉を綴り始める。
たしかに、生きて欲しい。
それは、僕たちのエゴだ。
だけど、僕には稔が必要なんだ。
必ず、稔の居場所を作る、稔を助ける人も呼ぶ。
だから、死なないで…
佳瑞は泣き始める。そこには、泣きじゃくる少年と少女の2人しばらく泣き続け、落ち着いてきた佳瑞が、今日村の方で屋台があるんだ、一緒に周ろ最後の思い出を作りたいんだ。
稔は、それなら。と渋々了承する。
それからの稔の顔には、笑顔が拡がっていた。
そして、数多くの屋台を周り再びあの場所へ戻ってきた。
2人は、疲れたと言うように、仰向けになった。
空ってこんなに綺麗だったんだ。
いつも、下を向いてたから分からなかった。
稔が明るくなった声で言った。
佳瑞、元気になってよかった。
これでまた明日も頑張れるね。
その質問に対し、稔は反問する。
もしかして、この為に私を屋台に連れ回したの?
あれ?バレた?でも、楽しかったでしょ?
佳瑞と返答する。
佳瑞の思惑通りになって腹立つ。
そういい、稔は立ち上がる。
さっ、いい加減帰らないと、お母さん達心配するから
その瞬間、地面が揺れ始める。
その地震は、稔にのみ、仕掛けられた物だった。
そして、世界が稔を殺そうとしていた。
揺れた地面に立っていられなくなり、バランスを崩した稔は、崖下へと落ちて行った。
崖下は、昼間でも見えない程暗く、そこが深い。
人が落ちたら即死であろう深さだ。
【流星祭】
年に一度行われる祭り、豊作を祈る。
その日の夜には空を覆うような流れ星が見られる。
そして、願いを唱えると、その**願いは必ず叶う**とされている。