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◆──高校生活は静かに壊れていく──

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ここなは高校に入ってひと月。

華道部では副リーダーのように頼られていた。

先輩のゆあもやさしく、穏やかで、ここなが唯一安心できる場所。

ただ、校舎のどこかで、

“ゆりな”という名を聞くと胸が締めつけられた。

まだ気づいていなかった。

ゆりなが、ここなの“存在そのもの”を飲み込んでいくことを――。


◆第1章 華道室に落ちた影

五月の午後、華道部の部室には花の香りが満ちていた。

「ここな、その枝の角度いいね。流れが綺麗。」

ゆあが微笑む。

その笑顔は、弱った心に触れるとじんわり温かい。

だけどその空気を破るように、

部室のドアが強く開いた。

「……なに、この静かな部活。」

村上侑里奈が立っていた。

理事長の娘。強気で、誰も逆らえない存在。

ゆあがすぐゆりなの前に立つ。

「侑里奈。ここ華道部。うちの可愛い部員に何か用?」

「別に? ただ陰キャの集まりってどんなとこかなって。」

ここなの肩がビクッと跳ねた。

ゆあの目が鋭くなる。

「侑里奈、あんた何しに来たの?」

「青澄のことで聞きたいんだけど?」

ゆあの眉がわずかに動く。

呼吸が浅くなるここな。

ゆりなの視線に刺されているだけで、胸が苦しい。

(やだ…こわい…)

ゆあは一歩前に出てここなをかばう。

その瞬間、ゆりなの口角がにやりと上がった。

「……ふーん。やっぱり“弱い子”か。」

その言葉がここなの胸に深く刺さった。

声を落とした私と貴方

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