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※完全な創作であり、本人に関係はありません
「どこにでも天才はいて、それより秀でることはない。」
これが俺の口癖だった。こんな言葉が口癖になるに決まってる。身近でそれを感じていたから。
元貴。友達でありバンド仲間
そいつは天才だった。感性だけでプロ並みにやってのけるやつ。
作詞作曲はもちろん、色々な楽器だって弾きこなす。
天才という2文字では片付けていけないほどの努力があることなんてわかってる。それでも嫉妬せずにはいられない。
「若井、若井がいれば …… 」
なんていう言葉をときどき口にする。
嘘つけ、俺がいなくたってお前はギターも弾けるし、ソロか何かしらで活躍してるはずだ。
ついていかなければ。あの天才に。
人並み以上に努力はしたつもりでいた。それが報われるかは別として。
「元貴、…おれさ、」
「ん?、どうしたの?」
こんなこと言ってもいいのか。喉奥で言葉がつっかえる。
((くそっ、くそ、 , ……))
「若井?どうした?」
「あ、….. 」
「なんでもないよ , ..はは、 」
逃げるようにその場を去る。
あぁ、また言えなかった。
辞めるって。
「若井、すきだった。ずっと …」
今にも泣きそうな顔でそう告げる。
「え、?….」
突然のことで俺も状況が読み込めない。
どういうことだ、?俺が好き?
元貴が俺に好意を寄せていた事実を受け止めきれない。
なんでお前はそうやっていつも俺を縛るんだ。いつまで経っても離れられない。
自分の身を削るだけなのに。才能という格差に打ちのめされるだけなのに。
告白を断ればいいのだ。それを口実にバンドなんか辞めちまえ。
「 … 俺も好きだよ、っ、」
絞り出した言葉は、元貴にとって陽の光のようなものだっただろう。
「… ほんとに?、」
目を丸くしながら問う。
「ほんとに。元貴好きだよ。あいしてる」
長い長い年月を耐えて、自分の気持ちには嘘をつけない。
そう、好きだったのだ。大森元貴という天才を
その才能に酔いしれて、俺は囚われる。
必要としてくれる。という事実を抱えて
「うん。うん … 離さないでね俺のこと」
泣いていただろうか。俺は
何に泣いていただろうか。
元貴と付き合えたこと?それとも元貴から離れられなくなったこと?
そんなことどちらでもいいと思うんだ。
これからも、俺が擦り切れるまで。共に____,
謎ですねこれ。
最近はセリフより文章量を重視しております
読みにくいね