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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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祐誠さんから「店長さんのおまかせで」とリクエストがあった。



そう、私は仕事を終えて、あの豪華なマンションに向かってる。



祐誠さんは了解を取らなくていいって言ったけど、私はあんこさんに全て話した。



やっぱり、知っておいてもらわないと、仕事が終わってからのことだとしても、勝手なことはできないと思ったから。



あんこさんは、ものすごく喜んでくれて、祐誠さんのリクエストを聞くように言ってくれた。



温かいベーグルのホットサンドとあんパン。



あんこさん自慢のあんパンは、甘さ控えめで味は保証付き。



塩コショウでグリルした厚めのサーモンとレタス、オニオンのホットサンドも美味しそうだ。



体のことを気にする祐誠さんだけど、



『雫と一緒にジムに行くから気にしなくていい。店長さんにも、何も気にせず美味しいパンをお願いしてくれ』



って、電話で言ってくれた。



それをあんこさんに伝えたら、心を込めてパンを焼いてくれて。



そして、私が仕事を終えて店を出る時、なぜかガッツポーズで送り出してくれたんだ。



あんこさん、顔にも気合いが入っててちょっと笑えた。



本当に優しいお姉さんで頼もしい。



でも、私も……実は少しだけ楽しみにしてるんだ。



祐誠さんとのジム。



今日、一緒に行こうって……誘ってくれたから。



ドキドキしながら、私は祐誠さんのマンションのロビーからインターフォンを鳴らした。



『上がって来て』



祐誠さんの声。



「は、はい」



今度はガチガチにならないようにしなきゃ、また秘書の前田さんみたいに笑われちゃう。



何も考えず、リラックスして楽しめばいいんだよね。



私は、そうやって何度もおまじないみたいに自分に言い聞かせた。



でも、やっぱり……



あのイケメン過ぎる祐誠さんの顔が浮かぶと、心は正直で、勝手に胸が高鳴る。



あんな顔面偏差値の高い顔に免疫が無さすぎて、見つめられたら直視できなくて思わず目を逸らしてしまう。



そんな胸のドキドキと比例するみたいに、エレベーターの数字はどんどん大きくなっていく。



お願いだから、誰か心拍数を止める方法を教えて。



「うわ……着いちゃった。早いよ……」



私はドアの前に立って、人差し指をゆっくりとインターフォンに伸ばした。



かすかに……震えてる。



ガチャっとドアが開いたと同時に、祐誠さんは、



「待ってたよ」



って、ものすごく甘い声で囁くように言った。



この距離で見ると、頭で思うより何倍も美しい顔立ちに圧倒される。



しかも……



視線を少し下げるとワイシャツのボタンがいくつか開いてて、今日は大胆に胸元があらわになっている。



こ、これは見てはいけない?!



私は、そのセクシー過ぎる場所から慌てて目を逸らした。



「す、すみません」



なんで謝ってるの、私。



どうしよう、胸の鼓動がだんだん強くなっていく。



このまま倒れて、祐誠さんに迷惑をかけないことを祈る。

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