テラーノベル
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僕ね、母の日とか父の日とか大嫌いなの。
だってさ、毎回感謝の気持ちを伝えようみたいなのやらされるんだもん。
どれだけ考えても出てこないって言ったら、先生には感謝が足りてない証拠だって怒るんだよ。
でもさ、他のお父さんお母さんみたいに、習い事もさせてくれないし何処にも連れて行ってくれないのに、何に感謝すればいいんだろう。
仕事かぁ。確かにしてくれてるけど、何か違うんだよなぁ。
ねえ、僕前から気になってたことがあるんだ。
お父さんお母さんって、自分の子どものこと叩いたり蹴ったりするの、普通なの。
へえ、普通じゃないんだ。
うん、僕の家だと当たり前だったよ。
ちょっとでも怒らせたら外に放置されるし、いつも僕に対して悪口言ってくるし。
大人だからって酷いと思うんだけど、こう考えちゃうのって変なのかな。
折角なら、これまでの僕の日常、覗いてみるかい。
荒々しくドアが閉まる音がする。
「あ、お母さん。おかえり。」
「……ただいま。」
今日はいつもより不機嫌だと察すると、すぐに台所に戻って料理を続けた。
「あんた、まだ料理できてないの。」
「ごめん。今日の宿題難しくて、遅くなっちゃった。」
すると、お母さんが力の限り机を叩きつけた。
「本当に使えないわね!」
ずかずかと台所へ入ってくると、僕のお腹を壁に向かって蹴りつけた。
「ゔっ……。」
こうなると、僕はなかなか寝かせてもらえない。
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