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叶『』 葛葉【】
叶side
【彼奴はサーシャと呼んでいた。お前もそう呼べ叶。】
彼奴?サーシャ?
何だか良くわからないが敵では無さそうだった。
いきなり声を掛けてきたかと思えば、サーシャと名乗るコイツは、昔馴染みと僕がとても似ていたらしく、たまらず声を掛けてしまったらしい…。
まぁ、人違いだったと言うことだ。
帰る場所はそこら辺に作ると馬鹿な事を言い出したので、渋々僕の借りている部屋に招く事になった。
『貴方…サーシャは何処に住んでるの?家出といってたけど…』
【…別に大した所じゃねぇよ。家はこっからずっと遠く…金もあったし家もでかいけど、俺は3男だし、俺が何処に言っても、兄貴達が何とかしてくれる。】
サーシャはやっぱりそれなりの出らしい…。
思い返せば昼ご飯を食べた時の作法はしっかりとしていた。
3男と言ってもしっかりと跡継ぎ用に教育はされているのだ。
『兄弟がいるのか。良いな…僕は1人だ。』
【俺も1人みたいなもんだよ。兄貴たちは忙しい。親もさほど俺に興味は無いらしい。だから彼奴と会った時は楽しかったんだ。】
サーシャは彼奴と言っている人物を聞いても答えてはくれなかった。
僕も話したくない事はあるし、サーシャも話したくないことの一つや二つ。ましてや僕達はまだ会ったばかりなのだから、いくら昔の知り合いと似ていてもだろう…。
翌朝
日が差し込む窓を開け、朝焼けの風を肌で感じる。
サーシャは何か言っているが気にしない。
眩しいだろうが、寒いだろうが、僕にはこれが日課なのだ。
此処に住まわせている内はコレに慣れてもらわなければ困る。
『おはよー!!サーシャ!!』
サーシャは唸りながら。
【うるさい…朝っぱらから元気なこった。彼奴はもっと優しく起こしたぞ……。】
『彼奴は〜、なんて言っても僕は僕だし。今の僕に慣れてよね。』
サーシャは時々僕と昔馴染みを重ねている。親離れできていない子供の様だ。
朝食の準備をする僕を横にサーシャは重い腰を起こしていた。
【叶ー!】
『なーに??何かあった?』
焼いて居るトーストから目を離しサーシャがいる部屋を覗く。
【これ、お前のか?】
サーシャが指をさすその先にあったのは、僕のライフルだった。
『そうだよ、ソレは僕の。僕は一応軍人なの。』
僕は一人暮らしの男子。
親もいなければ、兄弟もいないため。保護者が居なくても軍に配属できるため、強制的にやりたくも無い訓練や、射撃の練習をさせられる。
軍に入っているだけで、戦争の少ないこの地域では射撃練習なんて少ないが、土日を含む一週間、ずーっと練習している。
『僕は家族が居ないから強制なの。女の子でも無いしね。』
一応この顔だし…女としてやり過ごそうとすればできたんだろうけど。
僕はそれが逃げているみたいで嫌だった。
【ふーん。】
サーシャは興味が無い様で、朝食を食べに部屋を出ていってしまった。
椅子に座り朝食を食べる中、
【彼奴も銃を使っていた。あんなでかいライフルじゃ無いけど、射撃は上手かった。少し手からはみ出る位の大きさのピストルだったが…】
『へー。僕に似てる人も銃を使えたんだね。』
時折サーシャは何処か寂しそうな顔で僕を見ながら昔の話をしていた。
そんなサーシャの顔が、僕は何故か申し訳無く感じた…
コメント
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あーちゃま様の作品大好きです! ガチで最高です!