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補習、残り2日。
正直、行くか迷った。来たところで惨めな思いをさせられるだけだから。
───────”“,
「あっ」
リュックにつけていた萩原にもらったくらげのキーホルダーが、ロッカーに引っかかり外れてしまった。
「おはよう凌ちゃん」
落ちたキーホルダーを拾おうとすると声がして、顔を上げると沙羅ちゃんがいた。
「あ、、おはよ」
「これ、捨てといていい?」
「え?」
沙羅ちゃんはキーホルダーを拾って言った。
「目障り、っていうか」
「、、、、目障り?」
「リュックにつけるなんてね、、萩原くんにもらったのが嬉しかったんだよね」
「いや、、あの」
「鬱陶しいんだよね、、これも、私だけが萩原くんのこと知ってますみたいな態度も」
今までの沙羅ちゃんと、違う。
「協力してもらおうと思ったけど、居たら居たで邪魔、かな」
「、、、、それ、返して」
萩原にもらった、大切なもの。
「もうつけられないし、いらないと思うよ」
「、、邪魔なんだったら今日は帰るよ。でもそれは返して」
「はあ、、そんなに好きなんだね、萩原くんが」
沙羅ちゃんはキーホルダーを持った手をブレザーのポケットに入れた。
「萩原くんには凌ちゃんみたいな子合わないよ」
沙羅ちゃんはそう言って、側にあったゴミ箱にキーホルダーを入れた。
「ごめんだけど、帰って」
視界が歪む前に、早く、ここを出るんだ。
「あ、萩原くん」
早く。
「どこ行くんだよ」
早く。
「用事思い出して」
負け確とは、このことだ。