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澪.⋆𝜗𝜚
5
短い/読切
オリカン
ニコメリ(ニコ×メリちゃん)
ふと視界に入った横顔に足が止まった。
見間違いだというには、あまりにも確かで。
笑う時に目を細める癖、首を傾げる癖、その声。全部、全部あの子だった。知っているはずの仕草ばかりで、知らないはずの距離にいる。
けど、隣には私はいなかった。
違う。そこにいるのは、私じゃない。
その時、彼女が笑った。
あの頃と、同じように。
思い出したくなんて、なかったのに。
「もう私、あなたのこと──好きじゃありません」
「…一緒にいる意味、ないでしょう?」
本当は、全部逆だった。
──そう言えなかっただけで。
「…あぁ、ちゃんと笑えてますね」
「それなら、それでいいはずなんですけどね…」
声をかけられる距離に、いる。
けど、今更何を言えばいいのだろう。
自分が、壊したのに。
今の幸せさえも壊してしまうのだろうか。
──そう思った瞬間、足が止まったままだと気づいた。
それでも、動けなかった。