テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
아 오 _ 🐷🐶
67
5,895
49
K「……神原さん、車内は……やだ……っ」
作業着の襟元に手を突っ込んできた神原さんの腕を、私はぎゅっと両手で掴んで必死に止めた。
神原さん「ん? 車は嫌なの? ここまで自分で案内してきたくせに、贅沢言っちゃうんだ」
神原さんはニヤッと意地悪に笑うと、掴まれた腕を急にぐっと引っ張って、私の顔を自分ギリギリまで引き寄せた。鼻先が触れそうな距離で、マスクのないイケメンな素顔が目の前にある。心臓がうるさすぎて倒れそう。
K「……だって、狭いし……ちゃんとお部屋が、いい……」
もう恥ずかしさも吹っ飛んで、震える声でそう呟くと、神原さんは一瞬目を見開いてから、ククッと喉を鳴らして低く笑った。
神原さん「……っ、ほんとずるいな、Kちゃん。そんな顔で言われたら、俺もう我慢できんじゃん」
車内のルームランプが消されて、暗闇の中でカチャッとドアが開く音。
神原さんは迷いのない足取りで運転席を出ると、すぐに助手席のドアを開けて、私の手を引いて車外へ連れ出してくれた。土砂降りの雨の音をかき消すように、二人で濡れながら自動ドアをくぐる。
パネルで適当な部屋のボタンを押して、エレベーターに乗った瞬間。
密室になった途端に、神原さんは待ちきれなくなったみたいに私の腰をぐっと抱き寄せて、壁に押し付けた。
K「……あ、神原さ、っ……ん」
エレベーターが上がっていくわずかな時間で、奪われるような深いキス。
いつも工場でマスク越しに話していた人の柔らかい唇と熱い舌が私の中に侵入してきて、頭の中が真っ白になる。
チーン、と到着音が鳴ってドアが開くと、神原さんは私の手をギュッと握ったまま、足早にお部屋へと引きずり込んだ。
重い扉が閉まって、鍵が自動でカチャンとロックされる。
神原さん「……ねえ、Kちゃん」
照明が少し落とされた広いお部屋の中で、神原さんは自分の上着を雑に脱ぎ捨てると、私の作業着のボタンに手をかけた。
神原さん「自分でここ案内して、車は嫌でお部屋がいいなんて……俺をどうしたいの?」
そう言う神原さんの目は、もういつものチャラい先輩じゃなくて、完全に肉食の「男」の目。
パパのくせに、3人の子供がいるくせに。
私をベッドへ押し倒す神原さんの手つきは容赦がなくて、私はただ神原さんの首に手を回して、身を委ねることしかできなかった──。
Episode 7. end
To be continued…
コメント
1件
第7話、読み終わりました……!もう、冒頭からドキドキが止まらなかったです。車内で「ちゃんとお部屋がいい」って言うKちゃんの震える声、すごく彼女らしくて切なくて。それに対して神原さんが「そんな顔で言われたら俺もう我慢できんじゃん」って返すところ、声が聞こえてきそうな臨場感でした。エレベーターの密室で奪われるようなキス、あのわずかな時間の描写がもう…!普段はマスク越しの関係だったのに、急に生の距離がゼロになる瞬間の空気感が、本当に鮮やかで。キャロットさん、この距離感の描き方、ほんとに繊細で好きです。続き、気になります……!