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花吐き病パロ5
【レイン視点】
「好き、好きです……ずっと。好きでした……
ごめんなさい……好きになって…」
そう嗚咽混じりに言う目の前の後輩に、俺の心臓はぎゅう……っと締め付けられるように苦しくなった。
ふと目線を下に向ければ以前よりも細くなったマッシュの腕が見えた。
それだけじゃない。
全体的に痩せていて、顔色が明らかに悪かった。
こんなになるまで……
きっとマッシュは怖かったのだ。
自分の気持ちを俺に打ち明けて振られるのが。
(そんな心配なんていらないのに……ッ)
あぁ、そうか。
俺もマッシュが好きだったんだ。
マックスに言われた時にはあまりピンと来なかったのだが、目の前で俺を思って泣いているマッシュを見れば自身で自覚するのも容易い。
俺も好きだ。
そう言う前に俺はマッシュを抱きしめていた。
「え……っなん、レインく……?」
困惑した様子で名前を呼ぶマッシュに俺は
自分の想いを打ち明けた。
「……今気づいた……俺は、お前が好きらしい」
「嘘だ……僕が可哀想だからそんなこと……」
「そんなわけないだろう……っ俺はお前に惚れていたんだ。きっと、ずっと前から……」
だから信じて欲しい。
暫くフリーズしてるマッシュに自身の唇をマッシュの少し開いた口に重ねた。
静かな部屋にリップ音が鳴り、目を開けば
マッシュが目を見開いていた。
「嘘じゃねぇ。これは本心だ」
俺はマッシュの瞳を真っ直ぐに見つめ、
ただ信じて欲しくて、
「マッシュ……俺はお前を好いている」
好きだ。
そう言葉を繋げた。
マッシュの目からはきらりと光る涙が見えた。
すると次は苦しそうに咳き込んだ。
「ゴホッゴホ……ッ」
マッシュの手に目をやると、そこにあったのは
綺麗に輝く、白銀の百合の花だった。
「え、何これ……キラキラしてる…」
マッシュはその百合をまじまじと見た。
「それは百合の花だ。花吐き病が完治した証拠だ」
「え……治ったんですか……?あ、なんか体が軽くなったかも……」
そう肩を回すマッシュに俺はまた口付けをした。
薄く目を開ければマッシュは目を張り、急に?とこぼしていた。
「……遅くなってしまって申し訳ないな…」
「レインくん…?」
「マッシュ、俺と付き合ってくれ」
「……ッほんとですよ……、もちろんですレインくん」
柔らかく微笑むマッシュに俺はたまらなく思い、深いキスを施した。