この作品はいかがでしたか?
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大先生のチャックを死守しながら何とか理科の授業を終えた。まとめ的な事を書くプリントを渡されたのだが、課題に一貫性が無さすぎて何をまとめればいいのかさっぱり分からない。
「しにがみ先生、三年までに習う問題出してましたね」
「え!?くられ先生気付いたなら言ってくださいよ!!」
「いやぁ失礼w彼らとの雑談に気を取られて…」
「めっちゃ博識で学ぶ事が多かっためぅ」
「途中何言ってるか分かんなかったけどね…」
どうやら俺が苦戦していた問題たちは三年までの問題も出されていたらしい、どうりで教科書に載っていないわけだ。つまりエミさんは何なんだろう、どこまで勉強してきてるんだこのハゲ()
「エミさん何で分かったん…?」
「一応予習してきましたからね三年生のものも」
「はぇーイキリ警察」
「「「出動」」」
トントン筆頭で安定の流れを綺麗に決めたところで、丁度チャイムがなった。ピッタリすぎるタイミングに思わずおぉ…と感嘆の声を上げてしまい、謎の達成感を得たトントンとその仲間がドヤりだした。ちょっと腹が立ったので隣に居たエミさんの腹を殴っておいたのだが、その際大先生のチャックが目に入り不覚にも自爆する結果となった。
「なんで俺殴られたん……???」
ut視点
次は国語の授業なので教室に戻っ…ている最中に何故か囲まれた。そういえば理科で移動する際もこうやって囲まれながら進んだ気がする、一体何が起こっているのかが全く分からず困惑しながら隣のロボロに話を聞いた、のだがロボロは話を聞いていないのか生返事しかしてこない。このままでは埒が明かぬと後ろに居たチーノとショッピ、ゾムに話を聞いた。
「へっ!?か、かこ…かっ、囲まれてる気がする…?」
「ふ、ふーん……気の所為なんじゃないっすかね!」
「格好良いからですって!ほら大先生イケメンやし!」
ゾムとショッピ反応が怪しすぎて何か企んでいるとしか思えなかったし、チーノがイケメンだからと誤魔化しを入れてきた。流石にそんな誤魔化しに騙されるほどのアホでは無い、これはナメられているという事に気がついた。
「……俺がイケメンやからかぁ…ふーん……」
何が目的なのかは定かでは無いが、先程からクラスメイトの様子がおかしい事から見てクラス中がそれを目指しているということだけは理解出来た。というか、色々な小学校からこの中学校に集まってきているので初対面の奴も多いだろうにここまで団結させられる目的とは一体何なのだろうか。こんな入学して間もない時期に、どれだけ大層な目的を作り上げたのだろうか。そしてそれを遂行させる為にクラスメイトと協力する理由は…と少し考え込んだ。
shp視点
先程大先生に囲まれている気がすると言われた、その為焦って気の所為なのでは?と怪しまれるような回答をしてしまったのだが、どうやらごまかせたらしい。チーノの媚びが効いたようだ、チョロすぎる。囲まれてる=イケメンだからで納得する大先生は生まれた時からナルシストなのだろう。
そんなこんなで1-Aの教室に戻ってきたのだが、問題が発生した。大先生が下を向いている。何故いきなり下を見だしたのかは分からないが、何かを考えている様子だ。マズイ、これは非常にマズイぞ、バレてしまっては家に帰ってチャックが開いている事を母親か父親に指摘され恥ずかしがる大先生の滑稽な姿を撮影(盗撮です)できないでは無いか。
すかさずオスマンさんがフォローに入る、彼は話術に長けていて大先生の心をグッと掴んでくれるに違いない。
「大先生~次の授業国語やろ?教科書は?」
「あれ出してへん?マジかありがとマンちゃん」
「何か考え事?どしたん?」
「いやさっきから皆に見られとる気がすんねんな」
【悲報】誤魔化せて無かった
まさかまだ考えていたとは、あの時解決したと慢心してしまった事が原因だろう。チーノがクソッ…と小さく声を漏らしている、ゾムさんはせやろなと言っているので多分気付いていたのだろう、言ってくれても良かったじゃないかゾムさん。
「んー?そらそうやろ」
「えっ何!?何かある?」
バラすのか、バラしてしまうのか、と教室中の人間が慌てる。ここまでか……と心の中で悔し涙を流した。
「前髪えぐい事なっとんで、直したるわ」
オスマンさん、信じていました。
勿論オスマンさんが言った前髪が変だというのはただの妄言であり、実際の前髪はバシッと決められていて黙っていればイケメンだ。黙っていればの話だが。
オスマンさんは直す、と言いながら前髪に手を伸ばして手櫛で解いた。とても器用な手を使って如何にも、変に跳ねた前髪を直している風な動きをして大先生はそれに完全に騙された様だ。納得したような顔をしている。
「成程な?言うてくれてもええやないですかぁ!」
「いやいやオモロかってんもん!!」
「ゾムさん酷ない!?」
オスマンさんはやり切ったような達成感溢れる顔で席に戻って行った。
お見事です
zm視点
マンちゃんが完璧に大先生を騙して、席に戻って行った。俺たちは今回の反省を活かし、大先生(のチャック)から極力注意を逸らして悟らせない様に動く。
本鈴が鳴り、クロノア先生がワクワクとしながら教室に入ってきた。後から知ったのだが、大先生のチャックは職員室中に広まっていたらしい。流石スターと言うべきか、話題性に溢れている。
「はい授業始めます」
「初日に色々やり方は説明したと思うけどーー」
クロノア先生は黒板に文字を書きながら国語の授業の説明を始めた。しにがみ先生とは違い、大先生のチャックからは完全に意識を切り離しているように見える。毎回百人一首をノートに書き写すらしい、割と面倒臭いが百人一首に関しては少し面白そうなのでよしとしよう。
そういえば、先程から猿山の姿が見当たらないがどこにいるのだろうか。理科の授業の時も途中から消えた様に見えた、何か用事があったのだろうか。閑話休題。
「今回勉強するのはこれね、後漢字」
「…w、教科書16ページ開いて。詩読んどいて」
クロノア先生が一瞬大先生の方へ目が向き、くすりと笑った後教科書を開けと指示をした。今日一日で何回大先生のチャックで笑っただろうか、10は軽く越えている。大先生はぽけぇ〜とした様子で窓の外の木を眺めていて気付いていない。
クロノア先生は黒板に文字を書いていて後ろの惨状が見えていなかった。
「あっ、ヤベ…先生ノート飛んでいきましたー!!」
「ちょ、ちょっと待ってどういう事??」
不意にコネシマが教科書飛んでいきましたと叫び出しクロノア先生は当然困惑したが、それでもしっかりと説明を促した。
曰く、教科書を回して遊んでいると筆箱に当たり、筆箱が斜めに居たひとらんの机に着地。そして、置いてあったシャーペンに激突しシャーペンが宙を舞う。舞ったシャーペンは近くに居たショッピ君に叩き落され、何故かチーノの足に突き刺さった。痛みに驚き机に足をガンとぶつけるチーノ、そしてその衝撃で少し浮いた教科書がズレて落ちる。チーノが教科書を落とすまいと脅威の反射速度で上に吹っ飛ばす。チーノのノートと重なっていたコネシマのノートが一緒に飛ぶ。近くに居たショッピが二人のノートを窓の外にはじき飛ばした。
全く見て無かった。マジで言うてんの?それ。
「……つまり?簡潔に説明すると?」
「えー…つまり、コネシマが遊んだせいで落ちました」
「OK、後で職員室おいで。それとノート取ってきな」
「すんませんでしたー!!!」
トントンが的確な説明をした後、コネシマが叫びながら下へ降りていった。今日は何なのだろうか、厄日なのか。漫画的展開が多すぎて混乱してしまった、何故この学校というものは一々面白いことをするのか。
取りに帰ってきたコネシマが謝罪をしながら席に着いて行った。色々と面白すぎて詩の内容が全然入ってこなかった、覚えた漢字は威、偉、そんぐらいだけ覚えた。後は分からん。
コネシマと大先生が悪いんやこれは。うん。
次の授業は社会の歴史である。
追記したお(ت)
続きは3000で書きます⌒ ͜ ⌒
コメント
8件
悲報夢に大先生のチャックの夢がwwwww
マジで最高‼️ 疲れにきくわ~✴️
まじおもろい。 大先生のチャックwwwwww