テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
にわか 伏字無し 学パロ 年齢操作 口調迷子注意‼️
(登場人物設定)
名前 ○○ 高校2年生 A組 身長162cm
人と話すのは好きだけど、自分から話しかける勇気は私にはなく。現在ぼっちだ。
名前 宇佐美リト 高校2年生 D組 身長181cm
○○に一目惚れだけど性格上告白は相手をよく知ってからしたいタイプなため友達から始める。
名前 佐伯イッテツ 高校2年生 D組 身長174cm
女友達は少なく女子と話すと少し緊張してしまい女の子耐性が少ない。○○は唯一の女友達。
第1話 人気者の君
高校2年生の夏、特にその日は雨が降ってたとか特別晴れていたなどということはなく平凡でいつもと何も変わらないそんな日だった。
私は○○、高校を入学し初めは話す人も多かったが2年になりみんなクラスを離れたうえに初めの1週間インフルエンザになり休んでいたためある程度のグループができており、入るタイミングを逃したのだ。そして今、最近はだんだん暑くなり夏が近づいて来たと実感する。別に寂しいと思うこともない、学生の本分は勉強だから。そう自分にいい聞かせ昼休み、教室で一人で食べるのも虚しく校庭にある木陰がありベンチもあるそして人が来る事が少ない私が求めていた場所を見つけ、今年の春からずっと通っている。そして今日もそこへ行こうと廊下を歩いているとすれ違いざまに腕を捕まれた。
『えっ、?』
驚き振り返るとそこには宇佐美リトが居た。私はこの人を知っている。運動神経が良く誰にでも優しい、それに背も高くていつも明るいうえに顔もよくてガタイがいい。そのため女子からも男子からも人気者だ。そんな彼がなぜ?そんな疑問を浮かべながら顔を見る。
「え、ぁ、え、??」
あちらが掴んできたのに発する声は言葉にはなっておらず目も泳いでいる。まるで自分がなぜ手を掴んだのかも分かっていないかのようだった。
何人か廊下を人が通るが何故かここだけ時間が止まっているかのように感じられた。
「なにしてんの?」
その空気を壊したのは佐伯イッテツだった。佐伯イッテツもまた面白く誰に対しても優しい。そして猫のような綺麗な顔をしており、運動神経も抜群で天然な部分があるため宇佐美リトと一緒にいる彼もまた男女両方から人気だ。
宇佐美「え、いやわかんない、」
佐伯イッテツの問に何とか言葉を発する。絞り出された様な声で彼には珍しいくらい小さな声だ。
佐伯「いや、わかんないって、知り合いじゃねぇの?」
宇佐美「、、うん。」
一瞬こちらをチラッと見てから俯き返事をする。
佐伯「え、はぁ!?す、すみませんこいつちょっと疲れてて、!」
大きく目を見開き慌てて謝る。保護者、?噂はよく聞くが実際に初めて話す彼らに少し笑みがこぼれた。
佐伯「ほら早く行くぞ、!」
そういい宇佐美の腕を掴み引っ張る。
宇佐美「え、あの!俺と友達になってくれませんか。」
佐伯イッテツに腕を引っ張られ掴む手を離した宇佐美リトだがこちらに近づきさっきより大きな声でそういう。
なぜ人気者の彼が私と友達になりたいのか意味がわからなかった。戸惑いながらも『はい』と返事をすると彼らは行ってしまった。そして今日もひとり寂しく同じ場所で昼食をとる。
―次の日の昼休み―
昨日あんなことがあったから私の生活は何か変わるのかなと少し期待したが特に何も変わらずその日は終わり次の日になった。そして今日もいつもと変わらず同じ場所で昼食を取っていた。
宇佐美「い、いた!」
息を切らしながら現れたのは宇佐美リトだ。片手にはコンビニの袋を持っておりおそらく彼の昼食だということが想像できた。
『、、なんでここに』
宇佐美「お昼、!一緒に食べたくて、その迷惑だったらごめん、」
申し訳なさそうにする彼の顔を見てはダメだなんて言えなかったし、さらさら言うつもりも無い。
『いいですよ、。』
ベンチに2人で座り私はお弁当を、彼はコンビニのおにぎりを食べる。無言が続き気まづい。
宇佐美「あ、俺宇佐美リト、D組です。すみません自己紹介もまだで、」
『私は○○、A組です。よろしくお願いします、』
そこからは時間が経つのが早く感じられた。初めはぎこちなかったものの慣れてきたのか普通に話せるようになり、好きな物や嫌いな物、普段何をしているかなどお互いのことを知るために様々な会話をした。
つい楽しくて時計を見るのも忘れていたが予鈴がなり会話が止まる。
宇佐美「あの、またここに来てもいい、?」
『うん、』
そうして彼は毎日昼休みになるとこの場所に訪れた。
―3週間後―
宇佐美「てか、○○ちゃんって好きな人とかいんの?」
『い、いないよ』
突然の質問に戸惑った。恋話をすることは普段なくこういう質問をされたのは初めてだった。
宇佐美「そーなの?でも○○ちゃんに彼氏できるのは嫌だな」
『いやなんで、てか宇佐美くんこそ居ないの?可愛い子からも沢山モテるんだし、、』
宇佐美「まぁ気になる子はいるけど、。」
(あ、居るんだ。まぁそうだよね周りには可愛い子や面白い子が沢山いる訳だし。)
宇佐美「○○ちゃんは俺に彼女できるの嫌じゃない?」
嫌じゃないといえば嘘になる。彼に彼女が出来たら昼休みのこの時間は無くなるだろうし彼と話すことも減るだろう。初めは多分寂しく感じられるが元の生活に戻っただけだとなんだか割り切れる気もした。
『どうだろ、ちょっと寂しいかもだけど宇佐美くんが幸せならいいかな』
多分彼のことだから嫌だと言えばこちらに気を使うに違いない。
宇佐美「そっか、まぁ当分は彼女出来ないだろーけどね、」
一瞬彼の顔が暗くなった気がしたがすぐにいつも通りの明るい顔に戻った。
宇佐美「あのさ、もしよかったら連絡先交換しない?」
『うん、いいよ』
突然の申し出に戸惑うも交換をする。私たちはおそらくこの時にはもう同級生から友達になっていたのだと思う。そして交換したと同時に予鈴がなりクラスに戻る。
―放課後―
(あ、今日買い出しの日だ。)
毎週木曜日近所のスーパーが特に安くなる。そして今日は2週間に1回の買い出しの日だ。父は仕事で単身赴任中で母も会社が遠く会社に泊まったり近くのビジネスホテルで泊まることが多い。別に中学生の頃からそうだったし今更寂しいなんて感情もない、家のことは基本自分でできるから特に不便だとも思わない。
(あ、お米無くなってたな、)
何度も買い出しに行くのは面倒なので基本買いだめておくのだが今日は食材に洗剤や柔軟剤なども買い更にはお米を買ったため両手が塞がってしまった。
(重た、)
暑く汗が垂れそうになりながらも家に向かうと声をかけられた。
1「ねぇそこの君暇?」
制服を見るからに他校だろう。この荷物が見えないのか、暇なわけないじゃないかと言いたくなったが堪え無視をする。
2「ねぇねぇ待ってよ」
3「無視?酷くない?」
そういい腕を掴む。
3「うわ、荷物重、大変でしょ?家まで持ってってやろーか?」
『うるさい、』
2「は?何睨んでんの」
肩を強く押す。重い荷物を持ち、暑くてしんどかった私の体はバランスを崩し地面に座り込むように倒れてしまった。
1「はは、大丈夫?ほら、大人しく俺らについて来たら嫌がることはしないよ、?」
座り込んでいる私の腕を掴み立ち上がらせ強く腕を握る。
『いたっ、』
「何やってんだ」
そう一言いい私を掴んでいる男の手を握る。
1「なっ、いってぇな誰だよ!」
その痛さに耐えられなくなったのか私の手を離す
佐伯「佐伯イッテツだ。この子嫌がってるだろ」
佐伯イッテツ、学校ではたまに見かけるがこんなに近くで見るのはあの日を含めて2回目だ。
2「おたく3対1っての分かってる?」
1「なにヒーローぶってんの?笑」
3「カッコつけてんじゃねぇよ!」
そう言い佐伯に殴りかかろうとするが全て避け、腕を掴みお腹を目掛けて殴る。
3「っはぁ、!」
1「なにしてくれてんの?」
佐伯「うるせぇ」
(あ、やばい、どうしよう。足が動かない。)
殴り合いなんて初めて見る。この上ない恐怖が込み上げてきて動けずにいると髪を引っ張られる感触があった。
『いたい、!』
2「大人しく着いてこれば良かったものを、」
その声に佐伯がこちらを向く。
1「よそ見してんなよ、!」
頬を思いっきり殴られ佐伯の足元がよろめいたのがわかった。
佐伯「おい、その子に手ぇ出してんじゃねぇ」
1「嫌だと言ったら?」
私の髪をより一層強く握り締め自分の方へ引っ張る。そして顔を目掛けて殴りかかろうとした。
あぁ、もう嫌だ。そう思い目を瞑る。少しして髪を引っ張られている痛みと言う感覚がないことに気づき恐る恐る目を開けると。そこには鼻血を出しながら走り去っていく男3人の姿が目に入った。
佐伯「大丈夫か、?」
心配そうに見つめる彼の顔はどこか幼く見えた。
『あ、そのごめんなさい。私のせいで、、』
佐伯「ん?あぁ、気にすんな俺がしたくてしたことだし、、」
お礼を言い地面に置きっぱなしの荷物を持ち帰ろうとする。
佐伯「それ、重くねぇか?持つの手伝うよ。」
そうして彼が2袋、私が1袋持ち家に向かう。
佐伯「あれだよな、その、リトくんと付き合ってる、、」
『なっ、付き合ってないです、!』
(なんだその誤解は、!)
思いもしなかった言葉に戸惑いと恥ずかしさが込み上げてきた。
佐伯「えっ!あそうなの、ごめん勘違いしてた」
ははっ、と笑いながら恥ずかしそうに話す。
佐伯「ここ最近昼休みになったらすぐどっか行くんだけど君と会ってると思ってた。」
『昼休みは、その一緒にご飯食べてるんですけど別に付き合ってるとかそういうのでは、、』
佐伯「そうなのか、。あ、俺は佐伯イッテツ、リトくんと同じクラスなんだ。よろしくな」
『私は○○、A組です。よろしくお願いします』
玄関につき袋を受け取ろうとすると手の甲と人差し指の関節部分が切れていることに気がついた。おそらくさっきの殴り合いで切れたのだろう。それなのにそれに気づかず荷物を持たせていたと言う事実に心が傷んだ。
『この傷さっきのですよね、ごめんなさい私、、少し待っててください。』
急いで荷物を部屋に置き絆創膏と消毒液とティッシュを持って玄関に向かった。
『少し痛いかもだけど我慢して下さい』
そういい怪我をした方の手を掴み消毒液を湿らしたティッシュで軽く血を拭き取り絆創膏を貼る。
『あ、ごめんなさい。絆創膏これしかなくて、家に帰ったら貼り替えて下さい』
普段絆創膏など使わないため家に置いてあった小さい頃に買ってもらった花柄の絆創膏を貼る。
佐伯「ありがとう、」
そう言われ彼の顔を見る。私の家は玄関框が少し高くさっきまで見上げないと見えなかった顔がよく見える。
『えっ、唇も切れてるじゃないですか、本当にごめんなさい!』
( 絶対私の声に反応した時のだ、申し訳なさすぎる)
先程と同じようにティッシュを取り出し傷口を消毒する。唇がピクっと動く。
『もう終わるのでもう少しの辛抱です。』
同じように絆創膏を貼り他には傷が無いかと確認する。
『他は大丈夫そうですけど怪我ありません?』
佐伯「あぁ、悪いな」
玄関から差し込む明かりは暖かく何だか落ち着く
『あの、顔赤くないですか、?』
佐伯「え、!ぁいや、これはその、、」
もじもじと俯きながら話す姿に違和感を覚える。
『もしや腫れてたりします!?氷持ってきます』
部屋の方へ体を向け氷を取りに行こうとする手を掴まれる。
佐伯「本当に大丈夫、です。」
『そう、ですか。なら良かったです!』
佐伯「俺もう帰るから、また、。」
『本当に何から何までありがとうこざいます』
そうして彼は帰っていった。宇佐美と違って彼は少し話すのが苦手なのかなどを考えながら買ったものを仕分ける。
―次の日の昼休み―
宇佐美「え、なんでテツ?」
佐伯「トイレから出たらたまたま会って、」
『宇佐美くんも仲良いし呼んじゃった!』
恐る恐る宇佐美の顔を伺うと口をきゅっとし、目は点になっていた。
宇佐美「そーなの?まぁいいけど」
佐伯「すまん、、」
普段おしゃべりな宇佐美が少し静かだ。別に無言って訳じゃないが口数が少ない。
『そういえば宇佐美くんと佐伯くんはいつから仲良いの?』
宇佐美「俺ら小中一緒なんだよね」
『えそうなの?!じゃあ幼馴染じゃん』
佐伯「リトくんいつもわんぱくなのに水怖かったの懐かしいな」
そう言い無邪気に笑う佐伯の顔はとても幼く子供に見えた。
宇佐美「なっ、そんなん言ったらテツお前モテたくてイマジナリー、、」
佐伯「なぁーっ!ダメダメほんと恥ずかしい!」
顔を真っ赤にしながら宇佐美の口を手で抑える。また宇佐美も恥ずかしそうにしている佐伯の顔を見てニヤニヤと笑う。
『ほんと仲良いんだね』
その言葉に2人が目を合わせ
宇佐美「まぁな!」佐伯「うん!」
と同時にいい肩を組みながら笑う。
宇佐美「○○は幼馴染居ないの?」
『居ないなー、だから2人が羨ましいよ。私が話せるのも2人くらいだしね』
この時間が終われば私の1日の楽しみは終わる。昼休みだけという短い時間だがこの2人と出会ってから世界に色がついた気がした。この2人と同じクラスだったらまた何か違ったのかなと最近考える。
宇佐美「俺らだけじゃ不満?」
『そ、そんな事ないよ!?宇佐美くんも佐伯くんもみんなの人気者なのにこんな私と話してくれて毎日が楽しくて、不満なんてない!』
佐伯「○○ちゃんは優しくていい人だから自分をそんな風に言ったら良くないよ」
宇佐美「そうそう俺はもっとみんなに良さを知って欲しいもん」
どうしてこの人たちはこんなに優しいんだろう。そりゃ学年の人気者になる訳だ。
『2人は優しすぎるよ』
こんなに幸せになってもいいのか、ずっと続く幸せなんてない。彼らには私以外に沢山の友達もいるから私となんかいつかは話さなくなる時が来るだろう。そんな時私は耐えられるのか、。
宇佐美「○○ちゃん?大丈夫?」
『え、あうん!てか佐伯くん急に呼んじゃってごめんね!』
佐伯「いや別に、!その楽しかったです、。」
『いやなんで敬語?!』
そこから2週間が経ちあの日から昼休みは佐伯も含めて3人でご飯を食べることが習慣となった。
―昼休み―
『あれ、今日佐伯くんは?』
宇佐美「日直の仕事あるから多分来れないって」
いつも宇佐美と佐伯は一緒に来るから1人でいる宇佐美を見かけるのは何だか久しぶりだ。それに宇佐美と2人になるのはどこか緊張する。
『そっか、なら仕方ないね!』
宇佐美「、、俺と2人はいや?」
高い身長に広い肩幅、だが彼の顔はそんな見た目と違い幼く可愛らしい顔だ。そんな彼がなんだか寂しそうな顔をするのは反則だ。
『そんな訳ないよ』
宇佐美「そっか、ならよかった」
そういい微笑む彼の頭に手を伸ばす。
(あ、私何を、)
彼の目線くらいで止めてしまい恥ずかしくなる。手のやり場に困り俯いてしまう。
宇佐美「撫でてくれるんじゃねぇの?」
『いや、これはその、違くて』
そう言うと私の手を掴み手の甲に唇を当てる。
宇佐美「残念、」
ニヤッと口角を上げる。宇佐美のこんなに悪い顔を見るのは初めてだ。
『え、宇佐美くん、??』
頭の中が「?」でいっぱいだ。
宇佐美「さっ、ご飯食べよーぜ」
そういいベンチに座りつられて私も座るがご飯の味はおろか話している内容も一切頭に入ってこずにこの時間が終わった。
宇佐美(やっちまった、距離感バグった、。)
来週から夏休みに入るため明日からは学校が昼までになる。そして今学期最後の昼休みが今日だということは教室に戻ってから気づいた2人だった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!