テラーノベル
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追加登場人物
名前 赤城ウェン 高校2年生 身長171cm
(佐伯と宇佐美とは別の学校に通っている。緋八とは小学校からの付き合いで現在クラスも同じ。宇佐美と佐伯とは中学が一緒。)
女子とも男子とも仲良くなれる料理系男子。クラスでは委員長をしており頼られる存在で他校からも人気がある。
名前 緋八マナ 高校2年生 身長169cm
()省略。
方言を使ったり一発ギャグなどの色んなネタをするため男子からの人気が熱く1年の頃の体育祭の打ち上げで行ったカラオケでは歌が上手く女子からの人気が上昇した。
第2話 夏休み
夏休みが始まり1週間が経った。あの日以降宇佐美とも佐伯とも会っていない。佐伯とも連絡先を交換はしたが初めのよろしくという挨拶だけでそれ以降はしていないし、もちろん宇佐美とも連絡などはしていない。とりあえず宿題をできるだけ早く終わらせたい派の私は何もしていない時間は宿題をする。まぁ単に出かける一日中出かける予定もなければすることも無いからなのではあるが。
『はぁ、退屈だな、、』
―同時刻―
佐伯「全然分からねぇ、」
赤城「ここはさっき言った公式を使えば簡単だよほらここに代入してみて?」
宇佐美「なんか今回宿題多い気がすんだけど、!なんかマナ達少なくない!?」
緋八「それ去年も言ってたで?まぁ学校ちゃうしお疲れやな笑」
中学の時、俺たちは毎日一緒に居た。それは高校が離れても休みの日やこういう長期休みには変わらず誰かの家やファミレスなどにみんなで集まっている。
佐伯「おぉそういう事か!」
赤城「そうそうテツくん読み込み早いね」
そういい佐伯の頭を撫でる。
緋八「てか、さっきからウェンのスマホの通知うるさいんやけど?!なんやモテへん俺に対する自慢かっ!」
赤城「ごめんごめん笑、てか別にマナくんモテないことはないじゃん、てかリトくんとテツくんは彼女とかいないの?好きな子とか」
佐伯「いや居ねぇな、別に女子とあんま喋んねぇし」
緋八「まぁテツは女の子苦手やもんな!女の子前にした時のテツほんま可愛ええわ」
そういいニマニマ笑いながら佐伯を見つめる。図星をつかれ佐伯は少し顔を赤くしもごもごする。
赤城の質問に手にキスした時のことを思い出し後悔が出てきて大きくため息をつく。
赤城「え、もしかして禁句とかだった?」
宇佐美「あ、ごめんそうじゃなくて、」
やっぱりこいつらには隠すのも違う。
○○に一目惚れをしたこと、仲良くはなったが進展がないこと、もう1週間は接点がないこと、手の甲にキスをしたことなど、全てを話した。
赤城「えー別に脈アリだと思うんだけどなぁ」
緋八「リトがそない積極的なんは驚きやなー!笑手にキスするなんて王子様やん!!」
宇佐美「絶対引かれた、うぅ、、」
机に突っ伏す、普段ポジティブで明るい宇佐美のこんな姿にみんなが驚く。
佐伯「俺から見ても少なくとも友達以上の感情があると思う、だからあんま心配すんな!」
赤城「ははっ、いつも鈍いテツくんが言ってるんだし自信もってリトくん」
宇佐美「うん、」
緋八「てかその子の写真とかはないん?」
宇佐美「学年写真に写ってるやつなら、画質悪いし小さいから見えずらいかも」
そういい写真を見せる。写真に写る彼女はピースをしたまま手を伸ばしこれまでに見た事がないくらい笑顔だった。
赤城「おぉこの子がリトくんの好きな人、可愛いね」
緋八「そーやな、べっぴんさんやん」
宇佐美「だろ」
そういいドヤ顔をする。
緋八「いやなんでリトがドヤってんねん!」
赤城「連絡してみたらどーかな、?多分あっちもそこまで気にしてなと思うよ?」
そうだろうか。
緋八「えなになにそんなにドライな感じなん?もしや所謂蛙化現象!?」
佐伯「そういうのするタイプじゃねぇと思うけどな」
赤城「ならきっと大丈夫だよ、ね?」
宇佐美「だよなぁ、わかった!」
―その日の夕方―
宇佐美「久しぶり!急に連絡ごめん、!」
突然の連絡に戸惑う。
『久しぶり!全然大丈夫だよ、どうしたの?』
宇佐美「もし良かったら来週にある夏祭り一緒に行きたいなって、、。」
来週、近くの神社で祭りが行われるのだ。
宇佐美(送ってしまった、断られたらどうしよ)
そう不安を抱きながら返信を待つ。
『行きたい!』
宇佐美「ほんと?!楽しみにしてる!」
あまり期待していなかったからこそのまさかの返信に送ってよかったとつくづく感じる。
その後時間や集合場所を決め連絡が終わった。
(宇佐美くんとの祭り、楽しみだなぁ。)
―次の日―
今日は久しぶりにショッピングモールへと出かけることにした。いつもは買い出しやバイト以外では外に出ないがその両方とも1日中あるという訳では無いから朝から出かけるのは久しぶりだ。そして買い物をしていると時間はあっという間に経ち必要なものを買い夕方になっていた。新しい服や文房具などを見るのはかなり気分転換になる。
少年「うわぁん、!」
近くで子供の泣き声が聞こえた。周りの人は素通りをしその子はしゃがみこんでしまった。
赤城 ○○「『大丈夫?』」
勇気を振り絞り話しかけると同じタイミングで私と同じように声をかける人がいた。
『あ、』
赤城「この子迷子みたいだね」
こちらに話しかける彼の顔はとても整っている。
赤城「大丈夫、僕が家族の元まで連れてってあげるからね。今日は誰ときたの?」
少年「パパ、」
凄い、目線を合わせて優しく話しかけ落ち着かせることであっという間に泣き止んでしまった。
赤城「そっか、じゃあパパに見つけて貰えるよう迷子センターに行って名前を呼んでもらおっか」
少年「うん、!」
赤城「君も来る?不安なんじゃない?」
まさかの誘いに驚く。確かにあとから結局どうなったのだろうなどと考えてしまいそうになるだろう。
『私も行きます、!』
―迷子センター―
お父さん「本当にありがとうございます!ごめんな1人にさせて」
そういい男の子の頭を撫でる。男の子はとても嬉しそうな顔をしこちらに駆け寄る。
少年「お兄ちゃん!お姉ちゃん!ありがとう!」
『無事にお父さんに会えてよかったね』
少年「うん!!」
赤城「いいんだよ、お兄ちゃんはなんてったってヒーローだからね」
少年「えぇ!凄い!僕も大きくなったらお兄ちゃんみたいなヒーローになるね!」
目をキラキラと輝かせる男の子。凄いなぁ、少なくとも今日のこの子の思い出は悪いものにはならないだろう。
赤城「無事にお父さん見つかってよかったよね」
『そうですね、あ、ありがとうございます!私一人じゃ何も出来なかったので、』
赤城「そんな事ないよ、あそこで声をかける人がいる事があの子にとっても大切なんだ」
そう微笑む。
赤城「てか結構最初から思ってたんだけど君リトくんのお友達だよね。宇佐美リト」
宇佐美リト、思いもよらなかった名前が出てきて戸惑う。
『はい、貴方は?』
赤城「やっぱり?僕は中学校がリトくんと一緒でね君の話を聞いたことあるよ」
彼が中学の友達に私の話をしているということに何だか照れくさくなった。
緋八「ウェンー!もう、なんでスマホ見んの?!トイレから戻ったらおらんし連絡もつかんし、」
赤城「え、あごめんごめん気づかなかった。あ、見てこの子前にリトくんが話してた、、」
緋八「○○?」
赤城の言葉を遮って名前を呼ぶ。
『え、!マナくん?!』
赤城「あれ、もしかして2人とも知り合い?」
緋八「うん、前に写真見せてもらった時はまさかな思っとったけど、やっぱり○○やったんや。」
私と緋八の母同士は幼馴染で仲がいい。私の母も今では忙しいが昔は専業主婦をしており仕事に戻った時も今より忙しくはなかったため、よく私と緋八と私たちの母との4人で会うことが多かった。お互いの家に行ったり外食をしたり遠くに出かけたりもしていた。だが私が中学生になったと同時に母が管理職に変わりより一層忙しくなったため会うことが少なくなったのだ。
赤城「そうなんだね!いやぁ世間は狭いね」
緋八「ほんまにそーやな、驚きやわ」
『私もびっくりだよ、』
―30分後―
緋八「あー久しぶりに色々話せてよかったわ!」
『私もだよ!それに送ってくれてありがとう!ごめんなさい赤城さん初対面なのにわざわざ、』
赤城「いーよいーよ○○ちゃんとマナくんの話は聞いてて面白かったし俺も○○ちゃんと話せて嬉しいよ!」
なんというか赤城ウェンという男はいかにも陽キャの優男って感じだ。王子様のように見えるが所々ギャルがチラつくのは気のせいだろうか、、
『ありがとうございます、赤城さん!』
赤城「僕のことはウェンくんって呼んで欲しいな」
『ウェンくんですか、、分かりました!』
赤城「あ、もし良かったら僕とも連絡先交換しない?」
そうして連絡先を交換した。
緋八「じゃあまた連絡するな!お母さんにもよろしく伝えといて!」
赤城「またねー」
『はい!』
こうして解散し部屋に入る。
―1週間後―
今日は宇佐美と祭りに行く日だ。時間は17時からの約束なためそれまでに家事や課題を進める。16時になり用意を始める。集合場所である鳥居の下に向かう。
(15分前って、やっぱり早すぎたかな、、)
宇佐美「○○ちゃん?」
『宇佐美くん?え、もう居たの?ごめん、!』
宇佐美「気にしないで!俺が楽しみで早く来すぎただけだから、、」
楽しみにしていた。と、彼はそういうことをサラッと言う。
『そういえば会うの久しぶりだよね』
歩きながら話す。屋台のいい匂いがし居るだけで楽しい。
宇佐美「だな」
金魚すくいや輪投げ、射的などをする。
『宇佐美くん射的上手だね!』
宇佐美「これあげるよ」
『え、いいの?』
射的の景品であるクマのぬいぐるみ、首には赤色のリボンが着いている。
宇佐美「俺と色違い」
そういいもう1つの景品である首のリボンが青色のクマのぬいぐるみを顔の横に並べ微笑む。
同級生のはずなのにどこか近所の優しいお兄さんというような雰囲気を纏わせる。
遊んだ後は食べ物の屋台を周り焼きとうもろこしに綿菓子、りんご飴にフランクフルトなどを買い神社の裏にあるベンチに座る。
『美味しい』
久しぶりに食べる甘いものにテンションが上がり頬張る。
宇佐美「可愛いなぁ、」
『え、?』
宇佐美「あ、いや」
ネコ「にゃー」
茂みから野良猫が出てきた。
『あ、ほんとだ可愛い』
(あー、恥ずかしい!そりゃそうだよね、勘違いしちゃった、!恥ずかしすぎる!!)
ネコが宇佐美の足へと近づき頬を擦り寄せるためネコを抱き抱える。
宇佐美(危なかった、つい出たとしてもほんと俺どうしたんだろ、)
『美味しかったなぁ』
宇佐美「前から思ってたけど○○ちゃんは食べるの好きなの?」
『うん!宇佐美くんは好き?』
宇佐美「好きだよ」
真っ直ぐな目でこちらを見つめ言う。顔が良い彼が言うとそういう意味でなくとも勘違いをしてしまう。
宇佐美「ちょっと歩かない?」
だんだん暗くなり街灯が夜道を照らす。
『そういえば佐伯くんは元気?』
宇佐美「ん?あー元気だよ。勉強がわかんなくて悩んでたな」
その時の事を思い出したのか笑みをこぼす。
『宇佐美くんは課題進んだ?』
宇佐美「まぁちょっとだけ、○○ちゃんは?」
『まぁ進んでるね』
そんな他愛のない会話だがどこか心地がいい。家に居ると人と話すことがないからこそより一層楽しく感じる。
あっという間に時間は過ぎ家まで送ってくれることになった。
『ありがと、宇佐美くん!』
宇佐美「俺も楽しかった。またね○○ちゃん」
こうして私の夏休みで1番となる思い出になった。
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