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本日も本垢の更新ではなくこちらの更新となります 😌💭
チッチッ…時計の針が一定のリズムを刻んで進んでいる音が静寂な部屋に響き渡る。鼻をズズッと啜る音とたまに聞こえるベッドを叩く音。それだけが響き渡る部屋にガチャッと新しい音が鳴る。
「…、?」
「ないくーん、勝手に入ってきてごめ」
「…え、泣いて…っ」
中に入ってきてたのは強盗でもなんでも無くただのうちのメンバー、りうらだった。ただのメンバーなはずなのにやっぱり会いたくない。お前が「すき」と発したその声で俺の名前を呼ばないでほしい。…めんどくさい性格をしているのは知っている。それでなんども友人を苦しませてきたのを俺は経験してきた。
「お悩みごと?それとも抱えすぎのやつ?」
後者の質問に頷くと「そっかぁ、」なんて語尾を伸ばしながら俺の頭に手を差し伸べる。そのままぎゅっと優しく彼に包みこまれる。
…だめかも、止まんない。嗚咽を零しながら彼を抱きしめると彼はその落ち着く声でずっと、ずっとそばに居てくれた。
あの日の出来事があってから俺はりうらと話すのを避けるようになった。俺がこのまま普段と変わらずりうらと話していたらきっと俺のメンタルが持たない。
本当、自分でもびっくり。こんなにも恋愛が干渉してきたらメンタルが弱くなってへこたれて、ヘタレになるような男だとは思わなかった。リスナーとメンバーと誓った約束は守れるのに俺自身に誓った約束は守れない。
「おつー。 ほとけがないこのこと呼んどったで。」
入ってきて早々、業務連絡のように伝えてくれるのは同じメンバー、あにき。あにきはよく子供組とつるむことがあるからよくこういう風に伝えてきてくれることがある。
「まじ?ほとけどこにいんの」
ん、といむが居るらしきところを指指してくれる。ありがと、って伝えてその部屋に入る。こんこんとノックをして部屋に入るとそこに居たのは水色…だけではなく俺の今1番会いたくない赤色も居た。
「ごめんいむ、なんの用?」
「あ、そうそう!」
そう言って見せてくれるその画面には曲のサムネイルと曲名が映し出されていて簡単な歌詞もスワイプして見せてくれた。…そういえばコイツらは毎回、毎回「これ歌っていーい?」なんて確認してから俺がいいよ、と答えてようやく歌い始めるんだっけ。
いつもはアイドルの曲だったりコイツらの推しの曲を歌ったりするから問答無用でOKを出してあげれた、なのに…なんで今日は、今日に限って”そういう”系の曲をチョイスしてくるんだよ。
「…?ないちゃん?」
「あぁ、いいんじゃない? てかなんでお前ら毎回俺に確認してくるんだよ、笑」
ぼーっとしていたとき、そう声をかけられて適当にOKを出しておく。別に断る理由もないしな、好きにしてほしいわ。なんて意味も込めてそう聞いてみると2人揃って「んー」と回答に渋っていた。
「ないくんに怒られるの怖いからね、この前だって一緒に旅行行っただけで怒られたし」
「ないちゃんも行きたかったのなら言えばいいのにー」
くすくすと笑ってそう答える天才組に俺は「…うん」としか答えることができなくて、逃げるように俺は社長室へ向かった。
続く