バンッ!!
「…!?」
突如鳴った銃声で目が覚める。(確か俺は、薄暗い道を歩いてて…)
…意識が朦朧とする中、何とか立とうと─
カチャン…ッ
─したが、無理そうだ。
(手錠、、、それに首輪が繋がれている…)
辺りは暗く、うっすらと奥に何かが見える。
「…目覚めたか?早いなァ」
人だ。椅子に座って、こちらを見ている。
「あっちはまだ”処刑中”だ。いいか?無駄な事すんなよ。」
男は人差し指を立ててニヤリと笑み、そう言った。
「ん〜…それにしても、あっちに行きゃ良かった…」
何か独り言を呟いているようだ。
(先程の銃声は何なんだ? ”処刑”?)
ガチャンッ キィィ…
重そうな音を立てて、扉が開く。
「…終わったわよ”sieRo”。」
「ん。今行くわ」
男は手錠を鍵で外し、そして─
「ん…しょっと!」
…俺を─俺、ちっちゃいけど─抱き上げた。
(は?!?!)
「えっちょ待っ」
「おい、暴れんなよ。」
軽くパニックを起こす俺を軽々と運んでいく。
「さ、行くわよ。」
コツコツ… タッタッタッ…
ガチャン…
「憐?片付け終わっ…」
「…♡♡♡」
「…てる筈ないわよね。期待したのが悪かったわ。」
長髪の男が頭を抱える。
「おい、こいつに片付け任せたのか?」
「仕方ないじゃない。この仕事、この3人だけなんだから。」
…あの人は”憐”と言うのか…
「…仕方ない、俺らでやるかァ…」
男はそう言って俺を下ろす。
「そうね。憐、あなたは戻ってなさい。」
「…えぇ〜。嫌だよ。解体ならボクにも出来るってぇ…ほら!」
ガンッッ!! グシャ…
そう言うと、”憐”はナイフを思い切り振り下ろし、死体を真っ二つにした。
「うわ…」思わず声が出てしまう。
「だーかーら、血が飛び散るんだよ。戻ってろ。」
「やだ。」
「…No.2の言うこと聞きなさい、”zeroR”幹部。ルール違反になるわよ。」
「…分かったよ。ボクあっちの手伝い行ってくる〜。」
“憐”が手を振りながらドアに向かう。すると─
ギィィ…
「…藍斗くんってまだここに居ますか?ボスがお呼びです。」
入ってきた男が俺の名前を呼ぶ。
「ええ、居るわよ。」
長髪の男は俺を指さす。
男がゆっくりとこちらへ近付いてくる。
「よっ…と。」
─やはり抱き上げられる。やっぱ軽い…?
「あれ、随分落ち着いてますね。」
男はくすりと笑い、ドアの前で軽く会釈をしてから部屋を出た。
冷たい廊下の1番奥にあるドアの前で立ち止まり、俺を下ろして
「さあ、ここからは自分で歩いてください。抱っこできたのは秘密ですよ」
と笑った。
「…はい…」
キィィィ…
「ただいま戻りました。藍斗くん、僕ら”zeroR”のボス、轟です。」
部屋の奥の椅子に、一人腰掛けている男が見える。あれがボス…
「ありがとう、”楓”。戻ってくれ。」
「…じゃ、ごゆっくり〜。」
バタン
“楓”は部屋を出た。
(ごゆっくりと言われても…)
「さて、縛ったりしてすまなかった。ここに来てもらったのには理由があるんだ。」
「理由…?」
「…君は今、単独で暗殺者をしているだろ?」
「はい…」
「その実力は僕も聞いている。何せ、これまでに殺した人が有名人揃いだからな。だから…僕らに力を貸して欲しい。」
「…と、言うと?」
「犯罪組織”zeroR”の仲間になって欲しい、という感じか。どうだ?」
どうする自分。どうする。
今の仕事でも十分食べて行ける。でも断ったら?
圧がすごい。重すぎる。
…断ったら口封じで殺される。日本一、二を争う組織だ。間違いない。
「…分かった、ボス」
「力になってくれるのか。ありがとう。俺は”小寺 轟”。先日、有能な部下が死んでしまって…丁度、幹部の席が空いている。君は今から、”zeroR”幹部だ。よろしく」
カチャン
と手錠の開く音がした。
「おい、そっちは終わったかー?」
「「終わりましたー!」」
「よし、”アイト”。俺らの拠点に帰るぞ。」
轟…いや、ボスがこっちを振り向いた。
「…はい。」
コツ コツ コツ …
……To be continued
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