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くにこたケーキバースパロ
地雷の方は❌
ケーキバースの簡単な説明
一般人の他、ケーキとフォークという人間が存在する世界観です
ケーキ
美味しい人間のことです。フォークにとって、ケーキの体や涙、唾液等の全てが極上のケーキのように甘く感じます。自覚症状はフォークに気づかれるまでありません。
フォーク
人間の味覚がありません。しかしケーキにだけ味覚を感じます。美味しさのあまりケーキを食べてしまうため、予備殺人鬼と世間からは言われています。
フォーク くに
ケーキ こったろ
でやっていきます。
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『…………しない……なんも…………不味い……』
俺は生まれてこのかた、食べ物の味を知らない。
周りが美味しそうに食べている意味を、理解できたことがない。
けれど、食べなくてはいけないから無味の塊を口に運ぶ。
この感覚は、いつになっても慣れない。
あぁ、なんで”フォーク”なのかな……
嫌いな食べ物?聞かれたって全部嫌いだよ、味がしないんだから。
なんも……全部。
幸い、俺は食に関心がない。それに加えて、俺の活動は食べ物にあまり関係がない、ASMR配信者兼、歌い手だ。最近グループに誘われて、現在進行形でグループメンバー探しをしている。でも、もう俺には宛がある。活動者、こったろ さんだ。前から見ていて気になっている。こえくんにも相談してこのあと、この人を皆でグループに誘うと決めている。
「お腹空いた……」
気づけばもう15:00、そろそろdiscordで繋がる準備をしなくてはいけない時間になっている。空腹を無視して、溜息をつきながら準備を進める。
カタカタカタ
無機質な音が部屋に響き、画面にアイコンが映し出される。
「くにくん緊張してる?」
「え、!?んー、まぁしてるかな!」
「そうだよね~、僕もだよぉ~」
「こえくんこれを何回もやってきたんだよね?メンタル凄いよ!」
「え、そうかなぁ~笑くにくんも、応援してくれる子達といっぱい配信してきてんじゃん!きっと大丈夫だよ」
「うん、ありがとう!」
「2人とも、自分のこと忘れてへん?」
「ゆうさんも!」
「え!あ、ごめん笑笑」
こういう、たわいもない会話をする時間が俺
は好きだ。楽しく話している時はなんだって
忘れられる。
「もー、そろそろこったろくん呼ぶで?」
「はーい!」
❣️🌸💫🎨💤🍭💚📞▷ ▷ ▷📞🎯
「…………あ、あー、」
「あ!こんばんは、突然ごめんなさい!」
「いえ、全然大丈夫ですよ」
「突然なんだけど、こったろくんって歌い手グループに興味あったりしませんか?」
「え、いや、その」
そりゃその反応になるだろう
「こえくん、流石に突然すぎるよ!」
「え?そうかなぁ」
「………僕は、」
「!」
「僕は昔、他の活動者とトラブルが会ってこういうのには…少し不安があって……」
「そんなんやな……」
「そうですよね……今無理して決断することは無いので、まだ後日教えてくれると嬉しいです」
流石ゆさん……場をいい感じにまとめている。それに比べて俺はなんも出来てないな……
「…そうですね、この話は1回持ち帰ろうかと思います。」
あ、これ、直感でわかる、断られるやつだ。駄目だ、ここで切ったらきっともうこの人とはグループを組めない。駄目だ!
「……っ待ってください!」
「はい?」
「ちょ、くにくん!」
「……あの、その、本当に!このグループは大きな舞台に立てると思うので!!絶対に後悔はしないと思いますよ!!皆活動に熱心で、仲間思いです!!だから……!!一緒に!!活動してくれませんか!!…………ぁ、えと……その…すみません、取り乱しました……。」
「ふ、笑笑」
「!!」
「あはは笑笑」
「え、あ、」
「あぁ、すみません、凄い必死で少し面白くなっちゃって……ふふ、でも気持ちはとても伝わりました(*´ `*)」
ザワッ…
なんだろう……この全身から来る感覚は… おかしい……体が疼く……俺、変だ。この人が笑った瞬間、緊張が解けたその時の声が… 響く……どうしようもなく…初めての感覚で理解が追いつかない。目の前がふわふわする。
おかしい……おかしい…おかしい、おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい……………………
美味しそう
!!!!……俺、今……なんて事考えた、?
「そうですね、くにくんの熱弁を聞いてこのグループ入りたくなりました!」
「本当ですか!!やったねくにくん!」
「でかしたで~くにくん!」
「…あ、!うん!」
「じゃあ今日はもう疲れたと思いますし、また時間が合う日に連絡しますね。」
「ありがとうございます、じゃあ失礼します」
「はい~!よろしくおねがしいます!」
この後のことはよく覚えていない。気づいたらあの人はdiscordから抜けていて、メンバーもいなくなっていて、俺一人だけになっていた。
“美味しそう”…………なんで、そんなこと思ったのだろう。なんでそんな残酷なこと………まだあの人の声が……頭に響いている。
美味しそう なんかじゃ済まされないような言葉が浮かんでいる事に、気づきたくない。これ以上自分に失望したくない。無視したい…なのに!!どうしても浮かぶ……
“食べたい”