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個人的に太中♀はおにロリで中太♀はショタおねなんですよ(違う)
ショタな中也とお姉さんな太宰です。
社畜お姉さんてエロい。(?)
ポートマフィア最年少幹部の執務室は、夜が深まるほどに冷徹な静けさを増していく。
部屋の主である太宰治は、机の上に山高く積まれた書類の束を前に、万年筆を動かす手を止めていなかった。
普段ならお洒落に着こなしているはずの黒外套は椅子の背に投げ出され、白いシャツの袖は肘まで雑に捲り上げられている。その白い肌に、幾重にも巻かれた包帯が痛々しく、同時に彼女の異常性を際立たせていた。
ふわりとした焦茶色の髪の間から覗くその顔には、隠しようのない疲労が張り付いている。とりわけ、その双眸の底に沈む色濃い隈は、彼女がここ数日、まともな睡眠をとっていないことを雄弁に物語っていた。
「……はぁ。終わらない。どうしてマフィアの抗争って、こんなに事後処理の書類が多いのかしら」
誰に 返事 を求めるでもなく、太宰は小さく溜息を吐いた。
彼女が処理しているのは、ヨコハマの裏社会を揺るがした大規模な抗争の顛末だ。金の流れ、遺体の処理、警察への根回し、そして奪った縄張りの配分。どれ一つとっても、十代の少女が背負うには重すぎる泥のような現実だった。けれど彼女は、最年少幹部という至高の座に君臨する怪物。この程度の激務で潰れるわけにはいかない。
カチャ、と静かな部屋に不釣り合いな、幼い音が響いた。
重厚な執務室のドアが、ほんの少しだけ開く。その隙間から、小さな頭がひょっこりと覗いた。
燃えるような橙色の髪。くりくりとした、けれどどこか勝気さを宿した青い瞳。ポートマフィアが拾い上げた最強の切り札であり、同時に今の太宰にとっては「最大の手がかりであり、最大の頭痛の種」である少年――中原中也だった。
まだ自分の体よりもあきらかに大きな、組織から支給されたばかりの黒い外套を引きずりながら、中也はてちてちと足音を響かせて太宰のデスクへと歩み寄ってくる。その小さな手には、マフィアの拠点にはおよそ似つかわしくない、カラフルな色彩の絵本がしっかりと握られていた。
「だざい! えほん、よんで!」
部屋に響いたのは、鈴を転がすような、けれど精一杯の自己主張を含んだ幼い声。
中也は机の端に小さな手をかけると、背伸びをして太宰の顔を覗き込んだ。その瞳は期待に満ち溢れており、今すぐにでも太宰が書類を放り出して自分を膝の上に乗せてくれると信じて疑わない輝きを放っている。
しかし、太宰は万年筆を動かす手を止めなかった。
視線すら中也に向けず、ただ疲弊しきった声で、冷たく突き放すように言葉を紡ぐ。
「……今日はもう駄目。ちっちゃい子はもう寝る時間だよ」
太宰は空いた方の手を軽く振り、しっし、と野良猫でも追い払うような仕草をしてみせた。その目は完全に書類の数字を追っており、中也の存在を酷く邪険に扱っている。
その態度に、中原中也という少年が大人しく引き下がるはずがなかった。
中也は一瞬で眉を吊り上げると、両の頬をこれでもかと言うほどぷくーっと膨らませた。絵本を机に置くと、太宰の椅子のすぐ横まで詰め寄り、彼女のシャツの裾を小さな手でぎゅっと引っ張る。
「じゃあ、いつならしてくれるの! だざいのうそつき!」
「嘘なんて吐いてないよ。本当に忙しいの。見ればわかるでしょう?」
「わかんねえ! だざいはいつもそればっかりだ!」
中也はぐいぐいと太宰の服を引っ張る。その力は、いくら能力を使っていないとはいえ、常人の子供よりは遥かに強い。太宰の手元が狂い、書類に一本の歪な線が引かれてしまった。
太宰は小さく舌打ちをしたい衝動を堪え、ようやく中也に視線を落とした。
隈の浮いた目で睨みつけても、中也は一歩も引かない。それどころか、青い目を爛々と輝かせて太宰をしっかりと見据えている。その真っ直ぐな強さに、太宰はほんの少しだけ毒気を抜かれた。
「……明日、読んであげる」
太宰は投げやりな声を出す。
「それ、きのうもいってた!」
中也はすかさず鋭いツッコミを入れた。幼いながらも、太宰の「明日」という言葉が、ただの先延ばしの文句であることをしっかりと学習していたらしい。
「そうだっけ? まあいいや。じゃあ、一緒に寝てあげるから。ベッドに行ってなさい」
太宰は片手で自分のこめかみを揉みながら、適当に妥協案を提示した。もちろん、今すぐ一緒に寝るという意味ではない。自分が仕事を終えるまで寝室で待っていろ、という意味だ。しかし、中也の耳には「一緒に寝てくれる」という都合のいい部分だけが届いたようだった。
「むぅ……。ほんと? やくそくだぞ! うそついたら、だざいのくろいぴかぴかのくつ、ぜんぶかわにながすからな!」
「はいはい、わかったから。早く行きなさい。お化けが出るよ」
「おばけなんか、おれがぶっとばす!」
中也はふん、と鼻を鳴らすと、ようやく太宰の服から手を離した。そして、机の上の絵本を大事そうに抱え直すと、とてとてと軽い足取りで執務室の奥にある、幹部用のプライベートな寝室へと向かって走っていった。パタン、と扉が閉まる音がして、再び部屋に静寂が戻る。
「……やれやれ。あんな小さながきんちょの相手までさせられるなんて、ポートマフィアの幹部も形無しね」
太宰は誰もいない空間に毒づきながら、再び万年筆を握り直した。
けれど、先ほどまで澱んでいた彼女の脳内は、中也の嵐のような襲来によって、ほんの少しだけクリアになっていた。彼女は自嘲気味に微笑むと、再び終わりの見えない書類の海へと没頭していった。
時計の針が、無慈悲に時を刻んでいく。
夜の静寂はさらに深まり、窓の外のヨコハマの街の明かりも、ぽつりぽつりと消え失せていく。
カチ、カチ、カチ。
部屋に響くのは、時計の音と、太宰が書類を捲る音だけ。
午前十時、午前十一時、そして――。
ゴーン、と遠くの時計塔が、夜の終わりと一日の始まりを告げる十二回の手を打った。
深夜、十二時。
「……終わった。やっと、全部終わった……」
太宰は万年筆をデスクに放り投げると、椅子の背もたれに完全に体重を預けた。
両腕を天高く伸ばして、凝り固まった身体をほぐす。背骨が小気味よい音を立てた。
脳は疲労で限界を迎えており、視界がかすんでいる。今すぐにでもこの場で泥のように眠ってしまいたかったが、ここは執務室だ。流石に冷たい床や机の上で寝るほどの気力は残っていない。
太宰はふらふらとした足取りで立ち上がると、投げ出していた黒外套を拾い上げることすら忘れ、奥の寝室へと向かった。
ノブを回し、静かに扉を開ける。
部屋の中は薄暗く、遮光カーテンの隙間から差し込む月光だけが、うっすらと室内を照らしていた。
太宰はそのままベッドに倒れ込もうとして――その手前で、足を止めた。
大きなベッドの真ん中。
中也は布団にも入らず、ベッドのヘッドボードに小さな背中を預けた状態で、座ったまま固まっていた。
その膝の上には、先ほどの絵本が広げられている。けれど、その小さな頭は、限界を迎えた睡魔のせいで、前へ後ろへ、船を漕ぐように激しく揺れていた。
今にも完全に意識を失いそうなのに、彼は必死に目を開けようと、小さな拳で自分の目を「ごしごし」と強く擦っている。その拍子に、橙色の髪がくしゃりと乱れた。
「……中也? 起きていたの?」
太宰は驚きを隠せない声で、ベッドに近づいた。
てっきり、とうの昔に力尽きて泥のように眠っているとばかり思っていたのだ。何せ、まだほんの子供なのだから。睡眠時間を削ることなど、彼にとっては肉体的にも精神的にも大きな負担のはずだった。
太宰の声に反応して、中原中也はびくりと小さな身体を震わせた。
そして、ゆっくりと、本当に重そうに、長い睫毛に縁取られた青い瞳を持ち上げた。その瞳は完全に潤んでおり、焦点が上手く合っていない。
「……あ、……だざ、ぃ……」
中也は太宰の姿を認めると、ふにゃりと、締まりのない笑みを浮かべた。
けれど、その声はひどく掠れており、完全に呂律が回っていない。
「寝ててもよかったのに。子供は夜更かししちゃ駄目だって、言ったでしょう?」
太宰は呆れたように息を吐きながら、ベッドの端に腰掛けた。
すると中也は、もぞもぞと這うような動きで太宰の膝元へと擦り寄ってきた。そして、太宰の太ももに小さな頭を預け、彼女のシャツの生地をぎゅっと握りしめる。
「……えほん……よんで、ほしかた、から……。だざい、いっしょに……ねる、って……ゆった……」
「……っ」
その瞬間、太宰の胸の奥で、何かが激しく跳ねた。
呂律の回らない、今にも消え入りそうな声。
ただ「太宰が一緒に寝てくれると言ったから」「太宰に絵本を読んでほしかったから」という、それだけの純粋な理由のために、この小さな少年は、襲い来る強烈な睡魔と何時間も一人で戦っていたのだ。
薄暗い部屋で、寂しさに耐えながら、太宰がドアを開けてくれるその瞬間を、ずっと、ずっと待っていた。
太宰の脳裏に、強烈な感情が押し寄せる。
それは、彼女のこれまでの人生において、最も無縁だと思っていた感情だった。
「愛おしい」
「守ってあげたい」
「この小さな存在を、自分の腕の中に閉じ込めて、あらゆる害悪から遠ざけてしまいたい」
いわゆる、母性と庇護欲という名の、理性を狂わせる圧倒的な濁流。
それが、太宰の乾ききった心を容赦なくフルボッコにしていった。
「……本当に、馬鹿な子」
太宰の声は、先ほど執務室で放ったものとは似ても似つかないほど、柔らかく、そして深く震えていた。
彼女はそっと手を伸ばすと、中也の柔らかい橙色の髪を優しく撫でた。中也はその心地よさに、ひゃう、と小さな甘えた声を漏らし、さらに太宰の身体に体をもたせかけてくる。その身体は驚くほど熱く、そして小さかった。ポートマフィアの『汚濁』を宿す器だなんて、とても信じられないほどに、儚い命の塊だった。
「待ってて偉かったね、中也」
太宰は中也の膝から落ちそうになっていた絵本を拾い上げると、それをサイドテーブルに置いた。
そして、中也の小さな身体をひょいと抱き上げ、ベッドの中央へと移動させる。中也は完全に脱力しており、太宰の動きに身を任せていた。
太宰もまた、靴を脱ぎ捨ててベッドへと滑り込む。
大きな掛け布団を二人の身体の上に引き上げると、すかさず中也が、まるで暖を求める子猫のように太宰の胸元へと潜り込んできた。小さな手が、太宰の胸元のシャツを容赦なく掴み、顔を押し当ててくる。
「……だざい、あったかい……」
「中也の方が、ずっと熱いよ。子供は体温が高いからね」
太宰はふふ、と微笑みながら、中也の小さな背中に腕を回し、彼を自分の身体へと強く抱き寄せた。
胸元に感じる、中也の規則正しい、けれど少し早い心臓の鼓動。それが太宰の冷え切った身体に、確かな生を与えてくれるようだった。
「ねえ、中也。絵本、読んであげられなくてごめんね」
太宰が中也の耳元で囁く。
しかし、中也からの返事はなかった。すでに彼は、太宰の腕の中という絶対的な安心感を手に入れたことで、一瞬にして深い眠りの底へと落ちていた。すー、すー、と小さく愛らしい寝息が、太宰の鎖骨のあたりを擽る。
「……本当に、手が焼ける男の子」
太宰は中也の額に、そっと自身の唇を寄せた。
ちいさな額は、驚くほど滑らかで、愛おしかった。
いつもなら、こんな感情を抱く自分を「気味が悪い」と切り捨てていたはずだった。けれど、今夜だけは、この心地よい疲労感と、腕の中にある圧倒的な温もりに、身を委ねてもいいような気がしていた。
太宰は中也をさらに強く抱きしめ、彼の髪の匂いを深く吸い込む。おひさまのような、少しだけ甘い、子供特有の匂いがした。
数日間の激務で限界を迎えていた太宰の意識もまた、中也の温もりに溶かされるように、ゆっくりと闇の中へと沈んでいく。
ポートマフィアの最年少幹部の寝室。
そこには、冷酷なマフィアの姿はなく、ただ、互いの温もりを求め合う、歪で、けれど誰よりも純粋な二人の姿だけがあった。
夜はまだ深く、けれど二人の眠りは、何よりも穏やかだった。
えーと、ここで質問です。
明日、太宰治の誕生日です。
私も一応友人、彼氏、兄の最推しキャラなので小説と書いて祝おうと思うのですが・・・。
太中♀、中太♀、左右なし百合だったらどれがいいかな・・・?
コメントで教えて〜泣。
決まらなかったら全部書きます!!
#中太
夏の穂|双黒中心|フォロバ
2,029
怜
200
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コメント
9件
ショタ中也、めちゃカァイイすぎる!! 太宰さんの、守ってあげたいって言う思いが分かりみすぎました!! 明日は、とうとう太宰さんの誕生日!! 一日早いけど、本当にめでたい素敵な日✨ 個人的には、中太♀︎を推させてもらいます。
よければ太宰誕生日の提案には雰囲気や年齢差とか世界線とか工口有無記載してくれると嬉しい
ああああもうこれめっちゃ良かった…!!!😭💕 中也の「えほん、よんで!」って無邪気な感じと、太宰が仕事終わって戻ったら眠気と闘いながら待ってた姿がもう尊すぎて鼻血出るかと思った…! 最後に「待ってて偉かったね」って撫でるシーン、完全お姉さんじゃん…!✨ 絵本読む約束果たせなくてごめんねって謝るのもキュンとしたよ…!! 質問の件だけど、私は太中♀(おにロリ)希望! でも中太♀(ショタおね)も捨てがたい…全部読みたい気持ちもめっちゃわかる!笑 迷ったら全部書いちゃえ!推しの誕生日、楽しみにしてるね🎂🎉