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✦『かすかべ防衛隊、高校生お泊まり会!』
夜のしんちゃん家。
テーブルには大量のお菓子とジュース。
テレビにはゲーム画面。
小学生のころとまったく同じ光景——
だけど全員、体だけはめちゃくちゃ成長している。
◆ しんちゃん
◆ 風間君
◆ ボーちゃん
◆ ねねちゃん
◆ まさおくん
久しぶりに全員そろったお泊まり会だ。
✦ 一章:再集合の瞬間
「おじゃましまーーす!!」
ドタドタ入ってくるまさおくん。
その後ろから、
ゆるっとした表情のボーちゃん。
ねねちゃんは髪を結びながら入ってきて、
「ねぇ、しんちゃん家来るの何年ぶり?
もう懐かしすぎるんだけど!」
しんちゃんはソファの背もたれに座って手を振る。
「今日は朝までゲーム大会だゾ~!」
風間君はというと、
「ちょっと!騒ぎすぎないでね!?
うちの勉強机よりここ散らかってるんだけど!?」
と、ひとりだけ常識人ポジション。
(ただしツッコミのトーンは柔らかい)
ボーちゃんはそんな風間君を見て言う。
「高校になっても……
風間君は……風間君だね。」
まさおくんも頷く。
「わかる。落ち着く。」
風間君は唇を尖らせた。
「どういう意味!?」
しんちゃんはニヘッと笑う。
「風間君、昔からかわいいゾ」
「やめろっっ////!」
幼馴染の空気は秒で戻る。
✦ 二章:夜のゲーム大会
全員でゲームを始めると、
昔とまったく同じ光景が展開された。
「風間君早く!!敵来てるゾ!!」
「わ、わかってる!!
いまアイテム装備中なんだから!!」
「風間君おっそ~~い!!」
ねねちゃんはポテチを食べながら笑っていた。
「二人の掛け合い、ほんと変わらないよね。」
ボーちゃんもまったり。
「……なんか、安心する。」
まさおくんは画面よりふたりの距離が気になる。
「ていうかさ……
しんちゃんと風間君、今日近くない?」
「ち……近くないよ!!
こいつが勝手に寄ってくるだけで……!」
「風間君があったかいから~」
「こ、こらぁあああ!」
幼馴染たちは目を合わせる。
(あ、これは好きだな……)
昔から一緒にいるからわかる。
“友情の距離”じゃないってこと。
✦ 三章:深夜の布団トーク
布団を並べて寝る時間。
電気を消したあと、
しばらく小声で会話が続いた。
「……ねぇ。」
ボーちゃんが静かに言う。
「しんちゃんと風間君……
なんか……いい感じだよね。」
「そうそう!」
ねねちゃんが勢いよく起き上がった。
「風間君、今日ずっとしんちゃんの方見てたし!」
「み、見てない!!
……っ、いや……見てたけど……」
しんちゃんは布団の中で笑う。
「風間君、好きな人いるの~?」
「……っいるわけ……」
一瞬、言葉が詰まる。
「……いる、かもしれない……」
部屋の空気がピタッと止まった。
(それ、絶対しんちゃんでしょ……)
全員が思った瞬間、
しんちゃんは静かに声を出した。
「風間君、教えてほしいゾ。」
風間君は布団を被ったまま、
小さく息を吸って——
「……今は、まだ……言えない……」
しんちゃんは少しだけ寂しそうに笑った。
誰にも気づかれないくらいの深い声で。
「言えるまで待つゾ。」
風間君の布団の中で心臓が跳ねる。
(……そんなの……
言えるわけないじゃん……
だって、好きなの……)
(……あんただよ。)
でもまだ言えない。
幼馴染という関係が壊れるのが怖くて。
✦ 四章:幼馴染たちの決意
全員が寝静まった頃。
ねねちゃんはボソッと呟いた。
「二人、いつかちゃんと向き合えればいいね。」
ボーちゃんもうなずく。
「幼馴染って……
言わなくてもわかること、多いけど……
言わなきゃいけないことも……あるからね。」
まさおくんは寝袋に潜りながら言った。
「大丈夫だよ。
あの二人なら……絶対大丈夫。」
静かな寝息が部屋に広がっていく。
その真ん中で——
まだ付き合っていない、
でも“ほぼ恋人”みたいな距離のしんちゃんと風間君は、
ほんの数センチ離れたまま眠りについた。
幼馴染の夜は、
高校生になっても暖かかった。