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付き合ってる夜倭綾斗×山田一郎のオフの日の話
最悪だ。
俺は今綾斗さんの部屋のベットに潜っている。
今日はせっかくのオフの日で、お家でイチャイチャできると思ったのに。
ルンルンで綾斗さんの家に向かったら、ヒプノシスマイクで何やら怪しい煙を浴びせられた。
最初は猫耳が生える程度だったが、綾斗さんの家に着く頃には全身が猫になっていた。
何とか玄関のドアは完全に猫になる前に開けれたからよかったものの、最初は自分の服から抜け出すのにすら苦労した。
他の部屋のドアも奇跡的に開いていて、なんとかベットに潜る事が出来た。
「みぅ…にゃあ!」
たまに鳴いてみるものの、誰も居る気配がなく一人の様だ。
綾斗さん、何処に行ったのかな。
寂しい。
けど、ベットからは綾斗さんの匂いがして幸せだ。
良い匂いがする。俺の大好きな匂い。
ガチャッ
うとうとしかけていると、玄関の開く音がした。
きっと綾斗さんだ!
ベットからもぞもぞ出て、急いで玄関へ走る。
綾斗さん、綾斗さん!
「ただいまー…ってなんだお前?!」
「みぃ!みゃぅみゃっ!」
俺です!一郎です!
必死に訴えかけるも、綾斗さんは分からないようで首をかしげている。
「どっから入り込んだんだ?ドアの鍵は開けっぱだったけど…猫ってドア開けれんのか?」
しばらく考え込んだあと、俺の服が散乱していることに気が付いたようだ。
「あれ、これ一郎の服じゃね?」
俺の服を軽々と拾い上げると、全部まとめて自室に運んで行った。
やばい、ドアを閉められたらまずい。
必死に足元にすり寄ると、綾斗さんが抱き上げてくれた。
「お前どっから入って来たんだよ…一郎も居ねぇし」
俺が一郎です!!
必死に叫んでいるけど、やっぱり伝わらないみたいだ。
「んー…困ったな…とりあえず、こっち来るか?ずっと玄関に居させるわけにもいかねぇし」
「みゃ!」
はいっ!
それだけは伝わったのか、そっと俺の頭を撫でると、そのままリビングまで運んでくれた。
ソファーに座ると俺をそっと床に降ろしてくれた。
下アングルからの綾斗さんも最高にイケメンだな、おい。
しばらく綾斗さんの足元をうろうろしていると、急に体を持ち上げられた。
何?!何?!
「みゃみゃぅ…?」
「なんかずっと足元うろついてて落ち着かねぇんだわ。膝の上貸してやるから座ってていいぞ」
そう言うと、優しく俺の頭を撫でてくれた。
これ気持ちいい。
「にしても綺麗な黒猫だな…」
「んにゃぁぅ~♡」
「可愛いな。うりうり」
片手で首の裏をそっと撫でられて、片手で頭を撫でられてる。
はぁ…幸せ。
「にゃぅ…」
やべ、うとうとしてきた。
もっとこの状況を満喫したいのに…
「ん…俺の膝の上は安全だから安心して寝て良いぞ。なんなら寝れるまで撫でててやるよ。一郎待ちがてら」
何て優しいお人なんだ…
見ず知らずの猫を家に置いてくれるなんて。
俺はその言葉を聞いて、手の感触を感じながら眠りに落ちた。
次に目が覚めた時飛び込んで来たのは、俺が全裸で綾斗さんの膝の上に寝ている光景。
「うわあぁぁああぁあああぁぁあぁああ?!」と、思わず叫びそうになったがやめた。
せっかく綾斗さんが気持ちよさそうに寝ているのに起こしたら可哀想だ。
俺はそっと立ちあがって、綾斗さんが部屋まで持ってきてくれた服を急いで着た。
玄関まで全裸で歩くことにならなくてよかった…。
無事に服を着た後、綾斗さんの隣に座った。
すぅすぅと寝息が聞こえる。
かわいいな。
俺はもう一度綾斗さんの膝に顔を埋めると、幸せな気持ちでいっぱいになった。
綾斗さんの匂いがする。
あったかい。
「…」
貴方の膝の上が好き。