──────¿ノイズ視点?──────
それが絶命したことがわかったのだろう。周りの魔族はわなわなと情けなく震え、死に対し、恐怖する。なかなかに滑稽な表情ではあるが、それに鑑賞している時間も、ここに長居する時間もない。さっさと蹴りをつけることにする。
「いったいいつから──────」
そう言って、地に、空に、7色の輝きを持つ魔法陣を展開していく。なぜこんなヤツらに話しかけているのか分からない。おそらくだが、いえもん以外と喋っていなかったからだろう。他の人と喋れて興奮しているのかもしれない。よもや、そんなこと関係無しにあらずだが。
「勇者は剣しか使えない、なんて決めたんだ?」
それと同時に魔法を広範囲に放つ。1匹1匹確実に仕留める必要などないからだ。短い悲鳴の後、赤や、緑、青など様々な薔薇が咲き乱れ、地を彩る。花畑のような可憐さは無いが、彩りの面では同じであると言えるだろう。炎の魔法は森を燃やし、水の魔法は汚れを清め、花に水をあげる。氷は死体を簡単に多い、草花は敵を絡めとる。雷は雷鳴を響かせ、光は辺りを照らし、闇は影を作りだす。
様々な魔法がこの空間を彩り、幻想的な世界へと変えていく。先程の闇よりも暗かった森は、徐々に光や彩りが溢れる。まだ、足りない。刺激が足りない。こんなもの、戦闘なんて言えない。俺はターゲットを探し、森をさまよう。みんなかくれんぼを始めているのか、誰一人見当たらない。そんなことをしても、面白くないと言うのに。俺は、いつの間にか隣にいる魂を横目に地に魔法陣を生み出す。魔法よりも剣の方が好きではあるが、致したがない。黄色のような、茶色のような色合いの魔法陣が地に展開され、段々とその規模をましていく。どんどん複雑な魔法陣になっていくのを見るのはなかなかに楽しい事だった。何せ、全く魔法を使えなかったのだ。これくらい、許されるであろう。そう、誰に謝罪しているのかも分からない言葉を宙に向け、そして、申し訳程度にその魔法を剣に付与する。申し訳程度だが、剣を使いたかったのだ。光で作られた剣は輝かしい光から段々と黄色や茶色のような光を放ち、剣に魔法陣が刻まれる。そして、その剣を思いっきり地面に差し込む。
ガチンッガゴンッ
そんな地をエグるような音がした後、地中で魔法が展開される。その魔法は、地ならしだ。ただ、規模も強さも、段違いに違う。
バキゴギッ!!
地をエグった音が森全体に響き渡る。そして、地面にヒビを入れ、ヒビの隙間から鋭くとがった岩が飛び出し、それらの種を、抹殺する勢いで殺害する。直接見れないのが惜しいが、俺の耳に伝わってくるは、それの悲鳴と叫びと、嘆きと苦しみがわかる。ような気がする。これが最っ高に──────。
「──────お”ぇ”…ッ」
良いわけがない。気持ち悪い気持ち悪い。信じられない。信じられない。信じられない。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。吐きたい。吐きたい吐きたい吐きたい吐きたい。楽になりたい。
「ダメだダメだダメだ。」
喜ぶんだ、俺。楽しめ、喜べ。そうしないと、死んだ人達が報われない。人様の幸せを、未来を、現在を、存在を奪ったんだ。なら、ならせめてその人たちの分の幸せを全うしないといけない。
「俺は、勇者なんだから…。」
『ピーンポーンパーンポーン♪』
脳内に、金楽器のような高い音が脳内に響く。
『おめでとうございます!魔族の退場条件を満たしましたので、魔族は敗北となります!』
妙に高いテンションについていけない。それに、俺が、俺が魔族を絶滅させたんだ。敗北させたんだ。気が狂いそうだ。
『ちーなーみーに、この放送その種族を敗北に追い込んだものにしか送られません!なのでわ魔族の全滅を知っているのは、理論上あなただけなのです!』
いやーすごい!なんて、ふざけたかのような賞賛を俺に送る。あぁ、これが覚悟なのだ。俺の、俺にとっての。戦闘でしか、人の変え方を知らない、ただの殺人鬼だ。
勇者、こんなのが勇者なんて、人々は本当に可哀想だ。…俺みたいな勇者が生まれなようにするために勇者は俺以降誕生していないのかもしれない。
「少しだけ…休憩させて…。」
俺は、そうやって、いえもんに体の主導権を戻す。…こんなことを思い出したのは、久しぶりに魔族と戦ったからなのかもしれない。
(──────ねぇ!僕たちが何をしたって言うんだよ!!)
脳内に、少年のような声が響く。…聞きたくない。思わず耳を塞ぐが意味がなく、脳内に直接流れる。
(母さんを…ッ!!父さんを返してよ…ッッ!!!)
その言葉が俺の幻聴であることくらいわかっている。何故ならばこれは俺が過去に言われた事だからだ。父親が魔族で母親が人間であり、愛し合った末に生まれた魔族とのハーフの子。俺は、殺さなければならなかったのだ。魔族である、そいつも。魔族に肩入れし、人間の情報を横流しにしたそいつも。そして、魔族とのハーフである子供も。
あぁ、もう、やめてくれ──────。
ここで切ります!これにて、人間の復讐劇編終了となります!いやーなんだかんだ今年中にこの物語終わりそうですかね?わからないですけど。一応次の物語のネタは既にあるのですが、この物語が終わったら決まった日に投稿にして、毎日投稿を辞める予定です。ご了承ください。次回はめめさんかがんますさんの予定です!お楽しみに!個人的にめめさんにしようと思ってます!最後か最初に書くって言っていたのに両方とも変わってしまいましたが…。まあ、許してください!
それと、テスト期間になりましたので、明日から投稿しません!浮上はするかも?って感じです!本当にすみません…2週間後には戻ってきますし、ちょうどキリがいいので…
それでは!おつはる!
コメント
69件
めめさんかガンマスさんが最後になると思ってたけどそんな事無いのかしら?わんちゃんルカさんはありえたり? 予想・今年中に完結しないと私は考える