7時11分渋川駅
快晴
彼が私の肩に頭をのせた。なんなんだ。2回も連続で。まるでこれは恋人のよう。彼と恋人…そんなこと考えないで生きたかった。もし、もしそうなったとしたら私は彼を愛し過ぎてしまうだろう。彼と私なんて釣り合わない。彼のような美しい子は性格悪い私じゃなく女優さんのようにきれいな人と付き合うのでしょうね。電車の中でいちゃついてるカップルにはなりたくないと思ってた。でも今はそれが羨ましい。高崎駅についてしまった。彼と私はここまで。いつまでも続く時間なんてない。期待は禁物。ただ悲しくなるだけ。また彼の「すいません」という声が私を取り巻いていく。あぁ今日も彼に支配されて何もできないんだろうな。私は諦めたかのように友達と待ち合わせしているエレベーター前に行った。
友達が来た。この子は比較的、幼稚ではなくちゃんと空気を読める子だから好きだ。心が楽になる。いつもなら。彼と出会ってからは全くと行っていいほどずっと心を締め付けられているようだ。駅を出て学校へは数分歩く。その間はボーとする。と言っても彼の名前をずっと考えるだけであとは特に何もしていない。好きなんて…「ねぇ高ちゃん聞いてる??」「あ、ごめん」「やっぱりねー高ちゃん最近すごいボーっとしてるー私の好きピの事きいて!」「うん」今日もこの会話で学校へ行くのか。頑張ろ。明日も彼に会うためにね。ところで私の学校はあと一週間で文化祭を迎える。コロナ禍ということもあって一般公開はしないと思っていたが、予想に反して私立だからというのか他校や地域住民の皆さんを招き入れていいことになった。正直、この文化祭に彼が来てくれるのを望んでいた。その反面、彼のことを好きになってしまう人がいないか心配で来ないでほしい気持ちもある。まぁ来る来ないは私が決めることじゃないか。文化祭を彼と過ごしたいな。
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