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“笑顔病“
どんなに辛くても、どんなに苦しくても、どんなに悲しくても笑顔でいる事しかできない。
自分が思っている事では無く、明るい言葉を発してしまう。
発症条件 過度なストレス、自分への嘘を続ける
治療法 本当の自分を認めてくれる人と出会う
私は日並百花(ひなみももか)。私はクラスで虐められている。虐められているのなら学校に来なければ良いと思うかもしれない。私も学校に行かなくていいのなら行きたくない。嫌でも行く理由、それは親が問題である。
私「お、お母さん、私、学校で虐められてて…。学校に行きたくないなって……。」
母「なんて事言うのッッ!!!学費は誰が払ってると思ってるの!?自分で払ってないわよね!?勝手なこと言わないで!」
私「で、でも……。」
母「いい加減にしなさいッ!!」
私「い、痛い……ッ!何で叩くの……?」
母「我儘言わないで!」
父「何を騒いでいる?」
母「それがこの子……」
父「何だとッ!?このクソガキ!!!調子に乗るんじゃない!!!!」
その後は謝っても意味が無かった。気を失うまで殴られ、蹴られ、気を失った後は寒い冬の屋外に出され数時間放置された。
「死にたい。」
なんて言ったら文字通り死ぬまで殴り続けられる。そんなストレスからか、それとも、自分に「皆んなは私の事を嫌いじゃない。」と嘘を言い聞かせたせいか、私は表情を変えることが出来なくなった。
クラスメイトA「あ、おはよ、百花ちゃんw」
クラスメイトB「また来たんだ?早く学校辞めればいいのにww」
苦しい。辛い。嫌だ。そう思ってるのに言葉に出るのは嘘ばかりだ。
私「あははw そうだね、早く卒業したい!w」
クラスメイトA「何コイツ、うざ」
クラスメイトB「まじきも、行こ〜」
今日もまた、自分に嘘をつき続ける。
いつも通り、私の席が無い。私の席が在るべき場所にはゴミ箱と周りにゴミが散らかしてある。
ゴミを片付け、校舎裏へ行く。棄ててある机や椅子を持ち、教室に戻る。教室に戻るとバケツに入れられた汚水をかけられる。
クラスメイトC「あ、ごっめーんw かかっちゃった〜ww」
クラスメイトD「うっわw わざとらし〜ww」
私「私は全然大丈夫だよ!w」
今まで通り。いつも通りなのに。
??「あ?何やってんの?」
???「うわ、ひっで〜、」
この人、たしか………
私「えっと…。佐野くんと龍宮寺くんだよね?」
マイキー「そうだけど。お前誰だっけ?」
ドラケン「マイキー、クラスメイトに興味無さすぎ」
マイキー「ケンちんは覚えてんの?」
ドラケン「え〜っと、たしか……。日並百花、だったっけ?」
私なんかの事を覚えているなんて。正直、空から槍でも降ってくるのかもしれないと考えるくらいだった。
私「うん、そうだよ」
マイキー「何でそんなびちょ濡れなの?」
私「え?えっと……」
クラスメイト達は私を睨んでいる。恰も、「言ったら殺す。」と言っているような目で。
私「バケツの水、零しちゃってw。私、ドジだから!w」
咄嗟に出た嘘。だがその言葉でクラスメイト達からの視線は痛く無くなった。
マイキー「嘘だ。」
私「え?」
マイキー「何で何やられても笑顔なの?」
私「うーん、w」
クラスメイトA「佐野くん、この子は病気でずっと笑顔で居るしかないのw」
ドラケン「……病気?」
怖い。この人たちは有名な不良。この人たちにまで虐められると思うと、恐怖で真面に指一本すら動かせない。
クラスメイトB「そうw。感情を表に出せないんだって〜w。気持ち悪いよねw」
マイキー「…だから何?」
ドラケン「病気とかどうでも良いだろ。」
私「……!」
この人たちは、何故私の味方をするの?何故私をみんなみたいに虐めないの?何故この人たちは、私に優しくしてくれるの、?
嬉しいと思う。というか、絶対嬉しいと感じている。でも、それでも……。
マイキー「行こーぜ。えっと、日並だっけ。」
私「う、うんニコッ」
きっと、この人たちもみんなと同じだ。私はこの人たちにも嘘をつき続けなければいけない。
クラスメイトたちの冷たい視線。その冷たい視線を背に、私は2人と教室を後にした。