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「じゃあ、付き合おっか」
「えっ、!」
先輩の胸にうずめていた顔をあげて、そんな情けない声を上げた
「すきだよmtk」
「せ、先輩ぃ、……」
wki先輩はどんどん僕の顔に手を近づけて、いやらしく耳を触る
ここから、僕は若井先輩の虜になった。
先輩に教えられ、夜遊び。というものを覚えた。
キャバクラたるものにいき、お酒を頼んで、酔いつぶれる。
「もとき、くん…だっけ、…♡、飲まないの?♡」
いやらしく体を寄せる女の子
軽くwki先輩の方を見るが、若井先輩はちらりとだけ目を合わせて頬笑んだあと、すぐに女の子に向き直ってしまった。
「……飲むよ、飲むのむ」
ははっ、と軽く笑いをこぼせばお酒が入ったグラスを差し出される。
そんな日々
「あんた…………!!!一体何をっ………!泣」
家に帰り、ドアを開けると、怒りと失望が渦巻く母が目の前にいた。
手には何やら小さな紙みたいなものと、僕のジャケットを持っている。
「これッッ…!!どういうこと!?!」
ヒステリックな声が響くと同時に、くしゃくしゃな名刺を目の前に出される。それはこの前行ったキャバクラでもらったものであった。
「……あ、」
受け取ってそのままポケットに入れていたのを忘れていた。これは終わったな。とそう思ったのも案外冷静に、僕は目の前の光景を見つめていた。
「あ、じゃないわよッ!!ふざけないで!!!」
怒りに狂った母の手が伸びる。そのまま髪を思い切りつかまれて家のなかに引きずり込まれた
「い、いたいよっ、母さん…!」
そんな僕の声も虚しく、ビンタをされた。パチン、とこの場に似合わず軽快な音がなったのを皮切りに、母の僕への暴言と共に制御を失ったように拳が届く。
#G L
紫音
4,480
顔の前に腕を出して何とか防御するが、やはり痛いし、疲れる。
(……wki、先輩………会いたいよ、助けて……)
流したくもない意味のない涙が頬を伝った。
母はもう殴るのはいいらしく、床にへたり込んで泣いていた
「なんでっ…なんでなのッ…………あんたなんか、産まなきゃよかった……っ!!」
顔を埋めて泣く母を見て、僕が思ったのはただ一つ。助けて、………wki先輩。
先輩、先輩たすけて。どこにいるの…
あの後、僕は家を出た。母は止めることはなくそれが僕に対する失望の重さを物語っていた。
血の滲む顔に当たる風に痛みを覚えながら僕は歩いていた。
「どこにいるの、先輩…」
行く当てもなく、視界も霞む中僕は歩いていた。
しばらく歩いた後、街灯の下でwki先輩が女の子の方を抱いているのを見つけた。
wki先輩は耳元で何かを言うと、女は顔を赤らめながら嬉しそうに笑う。
「……あ、せんぱっ…」
僕の声は、そんなシーンを見てすぐに消えた。
おぼつかない足で駆け寄った。
その途中にも女は別れて帰って行った
「wki先輩っ……! 」
抱きついて胸元に顔を埋めた。気づけば涙があふれていた。
「わっ、mtk…?!」
「先輩っ、さっきの女誰ですかッ…なんで…なんで………先輩には僕がいるじゃんっ…!」
「僕には先輩しかいないんです……助けてください………」
ぐすっと自分の鼻をすする音だけが聞こえた。
wkiは何も言わない。それが、より怖い
コメント
1件
第7話、読みました。もう、胸がぎゅっとなる展開でしたね……。「母さんに殴られながらも先輩のことだけを想う」っていう主人公の心情が痛いくらい伝わってきました。特に「先輩には僕がいるじゃん」って泣きながら縋るシーン、切なくて。でも若井先輩の沈黙がラストにすごく効いてて、続きが気になります。作者さんの心情描写、すごく丁寧で引き込まれました。次話も楽しみにしています。