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─白黒映画の世界に。─
私は中学三年生、中森楓。
私はいつもこう思う。私の人生にいつか色がつくような日が来ないかなーと。私はいつも白黒映画に自分が閉じ込められてるかのように私の生活には色がなく、同じことが繰り返し行われてるような気がして退屈と窮屈で、良 い意味でも悪い意味でもなく、ただただ毎日が過ぎていく
ただそんな私の白黒映画の世界にもある日、 少し色がみえた。イチョウが太陽に照らされて金色に近い黄色とイチョウ並木の先にいた彼の姿には、 はっきり、色がついたような気がした。私はあの日から、その景色が1日には必ず私の頭の中をよぎる。私は彼に話しかけようともしたが私はあまり知らない人と話す勇気もなかったので、その日は、彼を気にしつつも話しかけないで彼の前を通り過ぎた。それでも私は彼にもう一度会ってみたくてあのイチョウ並木を何度も通っている。その度、 私の気持ちは膨らんでいき、今まで感じた事のない気持ちを持ち始めたのかもしれないと思うこともあった。