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ー暗闇地獄ー
MZD「……ここ、どこ、?…ハテナ、?いる、?」
ワープホールに入った瞬間、
世界が真っ暗になってしまったように暗く、
なんの声も聞こえなくなった。
ハテナの声も。
あのうさぎと猫の鳴き声も。
光一つ見えない暗闇で、僕は1人になってしまった。
思い切って足を一本踏み出してみると、
体が軽くなったような感じで、地についたと言うような感覚が無かった。
MZD「……あの、誰か、いませんか…?」
そう言っても、誰もくるはずが無いか…と思い、
一歩また歩き出そうとした時、
後ろから僕の肩に手を置かれた感じがした。
僕はビックリして咄嗟に後ろを振り向いた。
MZD「……あれ、僕、?」
僕の後ろに立っていた者は、
僕の姿そっくりな人だった。
ただ一つ違うのは、服装の色くらい。
僕の帽子は緑色だし、服は青色だけど、
僕の前に立っている者は、帽子が灰色で、服が白色だった。
MZD?「こんにちは。もう1人の僕。」
MZD「…もう1人の、僕、?」
MZD?「うん。そうだよ。だって君、MZDでしょ?僕もMZDだよ。」
僕は理解が追いつかなかった。
何故僕の名前を知っていて、相手の名前も僕と同じ名前なのか、
そもそもここが何処なのかすらも分からないのに。
そんな僕の思考を遮るようにもう1人の僕が話し始めた。
MZD?「そんな事より!なんで君はここに居るの!…死んだとか言わないでよね?」
MZD「し、死んだ、?僕死んでるの、?」
もう1人の僕が話していることを整理すると、
ここは普通来れるところじゃないと言うことを僕は理解した。
MZD?「あーもう!違うって!君が死んでるか聞いてるの!!」
MZD「…死んだ覚えない、よ、?」
MZD?「あぁそう。それならよかったねー。それじゃ、さっさとここから出て行きなよ。」
MZD「……どうやって、??」
MZD?「ちょ、おま、そんなことも知らないのー!!?僕のことだから知ってるかと思ってたんだけどなー、」
もう1人の僕は、僕を煽るかのような口調で言ってきた。
イラつき始めた時、もう1人の僕が上を見上げて何か話し始めた。
MZD?「うわ、雨雲…ねぇもう1人の僕!ちょっとこっちきて!!」
MZD「え、ちょっ……」
もう1人の僕は、僕の腕を掴んで急ぐように走り出した。
僕にはこの空間が真っ暗に見えるけど、
あの僕は何か見えているのかも知れない。
MZD?「ほら!さっさとこの洞窟の中入って!!」
MZD「わ、分かった、」
この空間には何もないと思っていたけど、
洞窟というのは普通に見えたし、
雨雲っぽいものも見えるようになってきた感じがした。
少しして、真っ黒な大粒の雨が降り始めた。
その雨が降るのを見ているもう1人の僕は、
「危なかった、」と言うように息を吐いた。
MZD?「…やっぱり、これは無の雨だねー。」
MZD「無の雨、?」
MZD?「はぁ〜、やっぱり知らないよね〜、仕方ないから特別に教えてやるよー」
「…やっぱり尋ねるべきじゃ無かった。」と、
僕は反省したが、もう1人の僕の話は聞いておこうと思ったため聞くことにした。
MZD?「無の雨って言うのは、まだ生きている者がこの世界に迷い込んだ際に、その者の命を枯らそうと降る雨のことだよ。」
MZD「そうなんだ…じゃあ、この雨って、僕に当たったら……」
MZD?「間違いなく君は死んじゃうね。この雨は生きている者が触れたら、僕みたいに色と音がなくなって、この世界に閉じ込められるんだ。それに、僕の声少し変でしょ?」
MZD「……確かに、?テレパシー、みたいな感じ、?」
MZD?「簡単に言えばそう言うことだねー。」
無の雨について聞いているうちに雨が止み、
洞窟の外には水たまりが出来ていた。
MZD?「あ!やっと止んだみたいだよ!さて、君が現実世界に帰れるように道案内してあげるよ!さ、こっちついてきて!」
もう1人の僕は僕の腕をまたもや掴み、
洞窟の外に出ては白い蝶を魔法で作り出した。
MZD?「もう1人の僕!この蝶の跡を追って行って!この蝶を追いかければ出口に着くから!」
MZD「…本当、?」
MZD?「もちろん!じゃ、またいつかね!!」
MZD「…うん、!またいつか、!」
そう言って僕はあの蝶を追いかけて行った。
MZD?「……また会う日も、そう遠くないよね。僕は知ってるし、ハテナも、知ってるよね。」
白ハテナ「(そうだな。またすぐに会って、その次は本当にしばらく会わないかな。)」
MZD?「…そうだね。……じゃあ、そろそろ僕らも戻ろうか。”ムラクモ”の世界に。」
白ハテナ「(でもその前に。)」
MZD?「やることがあるからね。」
僕は蝶の跡を追い続けて、白い扉の前についた。
MZD「この扉の奥に、僕がいた現実世界が本当にあるのかな…」
僕はもう1人の僕の言葉が本当なのか不安になりながら、
目の前の扉を開いた。
その先は真っ白で、視界が光で目が眩む。
僕はその扉の向こうに足を踏み出そうとした時、
後ろから何者かに軽く押された。
その真っ白な空間に自分の体が入ると同時に意識が遠のき始める。
僕は気絶する前に、
あの、もう1人の僕と、
白い、ハテナさんのような者が見えた。
でも、もう1人の僕は、
帽子で見えなかった目がはっきりと今は見えて、その目は、
「希望なんて無かった。」というような、
悲しい目をしていた。
MZD?「……ーーーーーーー、ーーーーーーーー。」
テスラ「追記:悲しい目とはこれのことです。」
テスラ「主の手によって描かれたものなんで下手クソですがね。」