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💗視点
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特に行く宛があった訳でもなく、スマホと財布を持って家を出た
通学通勤の時間帯だけに人通りも多く、キャップを深く被り直して、俺は駅前の漫画喫茶に入る
長居出来る場所としては最適
好きな漫画を読み漁れば気も紛れるし、何よりあの狭いスペースはまさに一人になれる場所だった
午前中のまだ早い時間帯
待ち時間なしで案内された部屋は1.5畳ほどのフラットタイプ、靴を脱いであがらなきゃいけないから、俺は部屋を確認したらすぐに漫画のフロアへ向かう
四方八方を漫画で囲まれた空間は、オタクにとっては天国だ
見てまわるだけでテンションがあがる
忙しくて大好きだったものが後回しになっていた
番組をチェックしてレコーダーに録画しっぱなしになってるアニメも沢山ある
優先するのは仕事
これは当たり前
次は、蓮と過ごす時間の確保
お互い忙しいから
蓮と付き合うようになって、それまでの生活とは違うサイクルが生まれた
忙しい相手に合わせるのは当然だと思ったし、生きてく中で優先順位が変わるのはよくあることだ
一緒にいられる事が幸せだった
記憶にも残らないような他愛もない会話
肌に触れた時のドキドキ
温もりの安心感
ずっと続くと疑わなかった幸せ
大量の漫画を持って部屋に戻る
無料のドリンクも数種類取りに行って、時間内はもうここから出ないぞ、そんな意気込みで部屋に上がる
フラットタイプの部屋は行き来が面倒だか、一度靴を脱いで上がってしまうとかなり落ち着く
集中し過ぎてしまわないように仕事までの時間、家に帰って準備しての時間を逆算してアラームをかけた
蓮はちゃんと起きるかな?
昔、盛大な遅刻をかましてメンバーから貰った目覚まし時計をセットしてきた
目を覚まして、部屋の主が不在の空間に取り残されて、どんな気持ちになるだろう
俺だったら不安になるかな
相手のスケジュールを知ってるだけに
そんなに自分といたくなかったのかと…
傷付くかな?
怒るかな?
もう、いいか…
気にするの、やめよう
昔好きだった漫画を読み漁って、余計にそう思った
このままじゃ埋もれてしまうって
自分を変えたくて
色んな漫画の主人公や好きなキャラクターを模した時期がある
なりたい自分を思い描いて
少しずつそれに近付けていった
嫌われてもいいじゃん
自分を好きだと言ってくれる人がいるなら
そう思えるようになった
なったのに
蓮だけは例外だった
多分、こんなに好きで
好きが持続する相手はもう二度と現れない
嫌われたくない
ずっと好かれていたい
側にいたい
好き過ぎたんだな
ちょっとした事で心ん中が乱されるぐらい
そんな過剰な愛情が今、自分を、蓮を苦しめてる
話し合ったって平行線を辿るだけ、なんて嘘だ
ただ、向き合うのが怖いだけ
自分の気持ちを伝えて伝わらなかったら
“そんな事”でと笑われたら
自分の中で何かが壊れてしまう気がした
いや、もう壊れてるのか…
ある漫画を読みながら涙が浮かんできた
この先の展開を知っていたから
悲劇に見舞われ
仲間を亡くし、どんなに辛い状況にもめげずに立ち向かう
ありふれた展開
でも、そこが良いんだ
勇気を
仲間を思う気持ちを教えてくれるから
もしも、俺がこの主人公だったら…
今の俺を、どう動かす?
考えて
想像して
出した答え
足りなかったのは――――
勇気、だ
全てを曝して、離れる勇気
自分を嫌いになる前に、決着をつけよう
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コメント
2件
は…は……離れてしまうのですか😭⁇ お互い想ってるのにー‼︎ 毎回、ドキドキしながら読ませていただいてます💓瀬良さんのご体調も心配ですが、更新楽しみにしてます✨