何度目だろうか。
消えて行く叶を見届けたのは_
________________________________
 叶と始めて出会ったのは、村の橋にある
少しボロい教会だった。
 「おはようございます、サーシャ。」
 毎日この会話から始まり
夜になると、魔物を狩りに
静まり返った森へ行った。
 『なぁ、叶』
「どうしましたか?」
 『お前は__?』
 そう聞くと、お前は毎度、
笑って 誤魔化していた。
 俺の投げ掛けた問いには答えずに_
 …毎日、あいつの元へ行くのが
唯一の楽しみだった。
 _あの日までは。
 その日は、あいつが教会にいなかった。
村中を探し回ったけれど、
どこにもいなかった。
 すると、どこからか
子供の泣き声が聞こえてきた。
 『…は?』
 『おい、叶…叶ッ!!(震)』
 もう手遅れだった。
魔物に襲われていた
子供を 庇ったのだろう。
俺はその日、初めて泣いた。
その時、どこからか…
 鐘の音が鳴った_
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!