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「あ゛ッ 、 ふ、んぅッ 、 くッ」
ぱんッ 、 ぱんッ 、 ぱんッ
暗い部屋の中に響く自分の声。
それとともに響く、私とあなたの肉が擦れ合う音。
私の性器に入れられたあなたの“それ”は絶えることなく動き続いている。
私はその快楽をしっかりと受け止める。
「あッ ・・・ イっ・・・」
そのうち私は絶頂に達する。
私の性液があなたにかかってしまう。
「・・・今日はこれで終わりな」
あなたは顔についた白いそれを拭って、私から離れる。
同時に、あなたの性器が私の中から抜ける。
あなたは部屋の隣にあるシャワー室に自分の服と荷物を全て持っていく。
体のそれを洗い流したら帰るつもりなのだ。
勿論私は止めない。
そのままぼんやりとベッドの上で寝転がっている。
しばらくして、あなたのシャワーの音が聞こえてきた。
自分の穴の中にはまだ何かが入っている感覚が残っていた。
触ってみるとひくひくと動いている。
私はそのまま自分の指を穴の中に入れた。
どうせあなたはもう部屋には戻らないから、と思った。
指をできるだけ奥に入れて動かす。
しかし欲しいところに指は届かない。
先程まで痛いくらいに叩かれていた場所なのに。
あなたの“あれ”が何度も何度も当たっていた場所なのに。
指の数を増やして、ばらばらに動かす。
「こいしい」という一心で動かす。
でもまだ足りないのだ。
物足りないのだ。
先程まで感じていた快楽は嘘のように消え失せた。
反対に、どこか自分の指に異物感さえ感じるようになってしまった。
私は諦める。
諦めて指を抜く。
そのまま再びぼんやりと天井を眺める。
ベージュ色の天井。
今まで何度も見てきた、その天井。
シャワーの音がやむ。
次に聞こえてくるのはドライヤーの音。
あなたは普段、ほとんど髪を乾かさない。
元々短髪だから、自然に乾くのだ。
でも彼女に会うときは違う。
彼女に会いに行くときのみ、あなたはドライヤーを使うのだ。
だから今日あなたは彼女に会いに行くのだろう。
あなたがお洒落して彼女さんに会いに行く姿を想像する。
あなたは私と行為をはじめる前、彼女に今日こそプロポーズすると独り言のように言っていた。
きっと私と性交したのは予行練習だったのだろう。
バラの花束を持って、彼女にプロポーズする姿を想像する。
彼女が微笑み、涙を流しながらあなたの手を取る姿を想像する。
行為中は無表情のあなたの顔がほころぶ姿を想像する。
きっと二人が結婚したら、この私とあなたの関係も終わるだろう。
私とあなたの、唯一の関係が。
私の目から涙が溢れる。
そのまま涙は私の頬を濡らす。
私は瞳を閉じる。
性交した後の後処理は、起きてからすればいい。
今はとりあえず、この苦しみから逃げたかった。
解放されたかった。
せめて、夢の中ではあなたと恋人になれますように。
そんなことを思いながら、私は意識を手放した。
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(多分突破しない 苦笑)